INTERVIEW(3)――“イツカ、ハルカカナタ”は“W.W.D II”のエンディング・テーマ
“イツカ、ハルカカナタ”は“W.W.D II”のエンディング・テーマ?
――上手くなったということで、ようやくアルバムの話なんですけど。
ねむ「“Future Diver”どうでした? 歌い直したヴァージョン」
――歌が本当に良くなりましたよね。
一同「ほんとですか!!」
――やっぱりこれまでの経験の賜物だと思いました。
ねむ「“でんでんぱっしょん”の1回目のライヴの後は、〈もっとがんばろう〉ってすごい言われました。掛け合いのタイミングとかもすごく難しいので」
瑛美「声質のバランスの取り方も上手くなった。6人のなかで、自分はこれ系を貫けば合わさった時に綺麗に聴こえるとか、みんながどんどんわかるようになってきて」
ねむ「高音をえいたそが歌って、軸を梨紗が歌って、私とかがフガフガ歌うみたいな(笑)。そういうのがまとまってでんぱ組.incの声になってるっていうのを意識するようになりました」
――古川さんいかがですか?
未鈴「んー、はい。上手くなったかな。でもレコーディングの時に〈良くなったね〉って言われるようになりました。前までは声の波形が真っ直ぐだったんですけど、(指を上下に動かして)こうなるようになって。波形でもわかる成長ぶり」
一同「やったー(拍手)!」
梨紗「未鈴ちゃん、歌のヴァリエーションがすごく増えた」
未鈴「ヒャダインさんが求めてるんだろうなっていう歌い方をしたり」
ねむ「レコーディングの時にこういうのやってほしいんだろうなっていう歌い方をしたら、ヒャダインさんに〈ねむ姐さん、やってほしいことがわかってますね〉って言われた! 〈ばれてる! 見透かされてる!〉って(笑)」
――そうして対応できるのも成長ですよね。
未鈴「やっぱり2年間でライヴを本当にたくさんやってきたからレヴェルアップできたんじゃないかなって」
――アルバムは新曲が3曲あって、どれもキャッチーですよね。
ねむ「でんぱ組.incの曲ってすぐ覚えられるんですよ」
瑛美「モチベーションが超高くいられる曲ばっかりで」
――“VANDALISM”では梨紗さんの演歌パートがありますが、それがまたいいんですよね。
ねむ「ハマってますよね。メンバー的には演歌パートは梨紗だよなっていうイメージでした」
梨紗「がなったりコブシを入れたりするのがだんだん増えて」
ねむ「“W.W.D”〈舐めんな!〉以降だよね」
梨紗「私、演歌をそこまで積極的に聴いてるわけじゃないんです。でも、ラジオっ子だったから、深夜ずっと聴いてると『走れ! 歌謡曲』が始まるんですよ。そこでよく聴いてたから、役立ちました」
ねむ「好きな番組を聴くとかじゃなくて、ずっとラジオを聴いてるっていうのが……」
――孤独感をまぎらわせるために(笑)。
梨紗「寂しいからずっとつけてるんですよ」
――いちいちこういうエピソードが入ってくるのが最高ですよね。
ねむ「すぐ暗い話が出てくるという」
――でも、そういうことが無駄じゃなかったっていうのが素晴らしいですよ。
ねむ「またアルバムの話じゃなくなっちゃうんですけど、でんぱ組.incがガーッて進んでいくなかで、未鈴だったらゲームの仕事だったり、私がアイドルの番組に出させてもらったりとか、他にもフィギュアの、声優のってそれぞれのキャラに合った仕事ができるようになって。どこを切り取ってもでんぱ組.incの表現に繋がってる」
――マイナスだと思っていたことが活きはじめてる。
未鈴「でも、それに伴ってゲーマー・アイドルってことで超ハードルが上がってることに気付いてしまった。全部が全部超絶プレイを期待されたりするから、そう名乗ることの難しさを感じてるところです……」
――話がどんどん転がっていきますね(笑)。アルバムの話に戻すと、“イツカ、ハルカカナタ”はストレートに良い曲になりましたよね。
未鈴「うむ」
ねむ「〈うむ〉つって(笑)」
梨紗「〈よし、話そうか〉みたいな」
ねむ「お願いします、先生」
未鈴「いい曲ですよねー」
一同「あははは」
ねむ「それだけ!」
未鈴「うーん……個人的に思ったのは、位置付け的に“W.W.D II”のエンディング・テーマというか。この曲を歌って平和に終わるじゃないですけど。ある意味“W.W.D”よりもリアルな歌詞なのでびっくりしました」
瑛美「最後のサビの前は“W.W.D”の出会いのシーンの組み合わせで歌ってるんですよ。だからちょっと示唆させるというか」
――それはすごく重要なところですね。
梨紗「ブログで、相手じゃなくて自分に向けて書いてるみたいな時があって。そういう時の文章とこの歌詞がすごい似てるなって思います。歌ってると、一人で悩んでる時とかいろんな気持ちにもなったりする曲ですね」
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