BUMP OF CHICKEN 『RAY』

          

BUMP OF CHICKENが、前作『COSMONAUT』から3年ぶりとなる7thアルバム『RAY』をリリースする。必然性を伴った段階を踏みながら、世間と積極的にコミットしていったバンドのオープンなマインドが顕著に各楽曲に注がれた、かつてないほどフレッシュな光輝に満ちた作品になった。本作への思いをメンバー全員に訊いた。

作品全体を通して影の部分もしっかり描いたうえで、ポジティブなものが強く込められてるアルバムになったなって

―『RAY』は本当にフレッシュなアルバムで。前作『COSMONAUT』以来、3年ぶりのニューアルバムなんですけど、そこまで久しぶりな感じがしなかった。それはこの3年でバンドがかつてないほどオープンな活動を展開してきたからだと思います。

藤原基央(Vo, G)：｢ありがとうございます。僕らは常に1曲1曲に全力を注いで制作してるから、その時点ではアルバムのことはまったく想定してないんですね。いい音楽を作りたい、いいライブをやりたい、そしてそれをひとりでも多くの人に届けたいという気持ちが基本にあって。その思いは歳を重ねるごとに、バンドがキャリアを積むごとに、より強くクドくもなってるんですけど(笑)。僕らが歩んできた道のりはその精神性が作ったものであって。ただ、ここ数年はその道のりの続きに、いままで開かなかった扉を開けていかなきゃいけない局面が多かったんですね。それはすごく勇気を必要とするものでもあったんですけど｣

―特に昨年は大きなターニングポイントだったと思います。初のライブDVD、初のベストアルバム、初のスタジアムライブ及びその生配信、そして、｢TOUR "WILLPOLIS"｣のファイナルを飾った武道館ライブ。いままでだったら重かった扉が、一つひとつ必然性を伴った段階を踏むことで開いていった。

藤原：藤原｢そうですね。やっぱり強く思うのは、楽曲が僕たちを牽引してくれるので。その曲―『COSMONAUT』以降にシングルとしてリリースした楽曲やこの『RAY』に収録されている楽曲がもってきてくれた物語がそれだけいっぱいあったんですね。僕らはその物語にできるだけ忠実に従うべきだと思っていて｣

直井由文(Ba)：「今回のアルバムインタビューで僕がいちばん言わなきゃいけないと思ってるのは、藤くん(藤原)がコンスタントに曲を書いてくれたことに対する喜びで。特に『COSMONAUT』以降は、間断なく曲を持ってきてくれたし、それによって判断するスピードも上がったんですよね。各パートのアレンジもそうだし、バンドにとっていろいろな初めてのチャレンジに挑戦していくこともそう。それによって、瞬発力を伴って正しい道を選びながら、BUMP OF CHICKENとお客さんの関係性にも広がりが生まれたと思います。それが間違いなく音にも反映されていると思うし。だから、冒頭で言ってもらったフレッシュというキーワードにも頷けるんですよね」

増川弘明(Gt)：「僕もフレッシュという感覚はよくわかります。ライブDVDやベストアルバムをリリースするのって一般的にはふつうのことだと思うんですけど、僕らはそこを踏み出すのにとことん話し合って、考えて。ヘタしたら会議中に泣き出すやつが出てくるくらいめんどくさいんですけど(苦笑)。そういうときに常に曲があってレコーディングできていたのはすごく幸せなことだったから｣

升秀夫(Dr)：「レコーディングを思い返せば、1曲1曲がすごくチャレンジだったし、それは1本1本のライブもそうで。たとえば“morning glow”は2010年7月には曲があったんですけど、当時は自分の納得いくテイクが録れなくて。ああでもない、こうでもないって何回もプリプロを重ねて、去年ようやく録れたんですね。そうやって頭のなかに曲の存在があることが音楽と向き合ううえですごくモチベーションになったし、密度の濃い制作期間でした｣

―『RAY』というアルバムタイトルを呼び込んだ“ray”は、オープンかつフレッシュなマインド、シンセや同期ものを全面に取り入れたサウンドのポップネス、そこに力強い光量をたたえているという意味でも象徴的な1曲ですね。

藤原：｢“ray”は最後にできた曲で。この言葉が僕らのなかで旬なものだったし、ほかの曲に当てはめてみても、“ray”が中心となって各曲を包み込める強さ、大きさがあったんですよね。それは結果論なんだけど、僕らにとって、そしてこのアルバムにとっては必然なんだろうなと思います。光と影は表裏一体なものだから、作品全体を通して影の部分もしっかり描いてると思います。でも、それを踏まえたうえで、ポジティブなものが強く込められてるアルバムになったなって。それは僕らがここ数年、いろいろな勇気を必要としながらもそういう音楽活動、生活を送ってこれたからなんですよね｣

■ALBUM…『RAY』 3/12 on sale!

■Song List
01.WILL 
02.虹を待つ人　※映画｢ガッチャマン｣主題歌
03.ray 
04.サザンクロス 
05.ラストワン 
06.morning glow 
07.ゼロ　※｢FINAL FANTASY 零式｣テーマソング
08.トーチ 
09.Smile　※ソフトバンク｢復興支援ポータルサイト｣CMソング
10.firefly　※フジテレビ系ドラマ｢息もできない夏｣主題歌
11.white note 
12.友達の唄　※｢映画ドラえもん 新･のび太と鉄人兵団 ～はばたけ 天使たち～｣主題歌
13.(please)forgive 
14.グッドラック ※映画｢ALWAYS 三丁目の夕日'64｣主題歌

■Live……BUMP OF CHICKEN Live at STUDIO COAST

3/31(月)東京都 新木場STUDIO COAST

■Live…BUMP OF CHICKEN TOUR「WILLPOLIS 2014

4/5(土)、6(日)千葉県 幕張メッセ国際展示場9～11ホール
4/17(木)、18(金)愛知県 日本ガイシホール
4/26(土)石川県 石川県産業展示館4号館
5/3(土･祝)新潟県 朱鷺メッセ・新潟コンべンションセンター
5/10(土)、11(日)福岡県 マリンメッセ福岡
5/17(土)静岡県 静岡エコパアリーナ
5/24(土)徳島県 アスティとくしま
5/31(土)、6/1(日)北海道 北海道立総合体育センター 北海きたえーる
6/7(土)、8(日)広島県 広島グリーンアリーナ
6/14(土)、15(日)宮城県 セキスイハイムスーパーアリーナ
6/23(月)、24(火)大阪府 インテックス大阪 5号館
7/6(日)沖縄県 沖縄コンベンションセンター展示棟

■Live…BUMP OF CHICKEN TOUR "WILLPOLIS 2014" FINAL

7/31(木)東京都 東京ドーム

記事内容：TOWER+ 2014/3/10号より掲載