伝説的ジャズ・ドラマーのチコ・ハミルトンが92歳で死去
チコ・ハミルトン 『A Different Journey』ジャケット画像
ウエストコースト・シーンを代表するジャズ・ドラマーのチコ・ハミルトンが、11月25日にNYで亡くなったことが海外メディアなどで報じらた。享年92歳。AP通信によると、彼は老衰により自宅で息を引き取ったという。
21年にLAで生まれたハミルトンは、学生時代にクラスメイトだったチャールズ・ミンガス、イリノイ・ジャケー、デクスター・ゴードンらとのバンドを経験し、40年代にはライオネル・ハンプトン、レスター・ヤング、カウント・ベイシーなどのグループで活躍。50年代に入るとジェリー・マリガンのカルテットの一員として注目を集め、56年にはチコ・ハミルトン・クインテット名義のファースト・アルバム『Blue Sands』を発表、フルートやチェロなどを含むユニークな編成による室内楽的なサウンドで高い評価を獲得した。その後も精力的な活動を続け、自身のバンドからジム・ホール、エリック・ドルフィー、ロン・カーター、ガボール・ザボ、ラリー・コリエルら錚々たるミュージシャンを輩出。現在まで60枚以上のリーダー作や、ロマン・ポランスキー監督のサイコスリラー「反撥(原題:Repulsion)」をはじめとする映画音楽など、数多くの作品を残している。
彼は近年もコンスタントに音源をリリースしており、先月には長年のパートナーであるユーフォリア・アンサンブルとのアルバム『Inquiring Minds』を録音したという。なお、こちらは2014年初頭に発売予定とのこと。謹んで故人のご冥福をお祈りいたします。