TEDDY PENDERGRASS 『Live! Coast To Coast』 Philadelphia International/ソニー(1979)
フィリーとLAでのライヴを収めた2枚組。〈(東)海岸から(西)海岸へ〉というタイトルは全米を制覇したスターになったことを意味するもので、まさに絶頂期のステージが堪能できる。なかでも女性客の黄色い絶叫が飛び交う“Come Go With Me”“Close The Door”“Turn Off The Lights”の3連発は圧巻。スタジオ録音の新曲やインタヴュー音源の収録も嬉しい。*林
TEDDY PENDERGRASS 『TP』 Philadelphia International/ソニー(1980)
米国におけるテディの愛称をタイトルに冠したソロ通算5作目は、従来のフィリー人脈に加えてNY人脈も関与し、若干のイメージ刷新とスケールアップが図られた。セシル&リンダのウォマック夫妻らが書いた必殺スロウ・ジャム“Love T.K.O.”をはじめ、アシュフォード&シンプソン作の“Is It Still Good To Ya”やステファニー・ミルズとのデュエット“Feel The Fire”といった秀曲が揃う。*林
TEDDY PENDERGRASS 『It's Time For Love』 Philadelphia International/ソニー(1981)
ふたたびギャンブル&ハフ色が強まったアルバム。シカゴ・ソウルの名ドラマーだったクイントン・ジョセフらのカッチリしたプレイが光るスタイリッシュな快作で、表題曲のようなウォーキング・テンポの傑作ミディアムからドゥ・オア・ダイ&カニエ・ウェストの“Higher”にてネタ使いされたスピリチュアルでメロウなバラードまで、優しげなテディの歌に聴き惚れる。*林
TEDDY PENDERGRASS 『This One's For You』 Philadelphia International/ソニー(1982)
みずから起こした自動車事故によって活動休止を強いられるなか、リハビリ期間中の収入面を心配してリリースされたという〈繋ぎ〉の未発表曲集。録音は76~81年とされており、バリー・マニロウによる表題曲をソウルフルに歌い上げる姿は当然ながら絶頂期のそれだ。ギャンブル&ハフやトム・ベル、アシュフォード&シンプソンらの好曲が詰まっているだけでも価値のある一枚。*出嶌
TEDDY PENDERGRASS 『Heaven Only Knows』 Philadelphia International/ソニー(1983)
事故後の運命は〈神のみぞ知る〉という状況下で、アサイラム移籍直後に古巣PIRから発表されたアルバム。前作に続いて過去の未発表音源を集めたものとされ、ギャンブル&ハフやマクファデン&ホワイトヘッドらによる入魂のナンバーが揃うが、シンセなどを加えて時代にマッチした音に変換されていたりもする。特にトム・ベル制作の表題曲はミディアム・アップの傑作。*林