BLACK MOON 『War Zone』 Duck Down(1999)
ブルックリンをレペゼンするブラック・ムーンがクルーとともに設立したレーベル、ダック・ダウンも初期の数年間はプライオリティ配給だった。とはいえスモーキーなブルックリン・サウンドは変わらぬままで、オールド・スクール調の“Two Turntables & A Mic”が特に話題に。*升本
BLACK STAR 『Mos Def & Talib Kweli Are Black Star』 Rawkus(1999)
インディー感が強調されたせいで知られていないが、メジャーの軍門に下るまでのロウカスもプライオリティ配給だった。リフレクション・エターナルやファロア・モンチ、ビートマイナーズなど、その頃がいちばん充実していたのは皮肉だ。*出嶌
MACK 10 『The Recipe』 Hoo-Bangin'(1998)
アイス・キューブの後ろ盾で95年にデビューしたマック10は、90年代後期におけるプライオリティの看板アーティストのひとりだ。みずからが立ち上げたレーベル=フー・バンギンからの第1弾リリース(通算3作目)となった本盤は、それを祝すかのように西だけでなく東や南からもゲストを招き、“Get Yo Ride On”でイージー・EとMCエイトのコンプトンの偉人ふたりを(疑似)共演させたり、コーンを招いてクラッシュの名曲カヴァーを披露するなど充実の内容となった。フー・バンギンとしてはマック10自身が離脱するまでの間に、獲得した大物MCエイトをはじめ、CJ・マックやコムラッズらをプライオリティ経由でリリースした。*升本
MC EIHT 『Section 8』 Hoo-Bangin'(1999)
フー・バンギンに所属することで自動的にプライオリティへも籍を置いたコンプトンの偉人だが、このエイト×プライオリティの組み合わせにグッときたファンも多いはず。名曲“Thicker Than Water”をはじめ、フー・バンギンらしいウェストコーストなアルバムで人気も高し。*升本
YOUNG BLEED 『My Own』 (1999)
マスターPとC・ロックというルイジアナの巨頭2人が手を組んで送り出したバトンルージュ出身のラッパー。No.1ヒットとなったデビュー作『My Balls & My Word』に続くこの2作目では表題通り恩人たちの元を離れ、マイペースにどんよりと暗い作風を全開にしている。*出嶌
JT MONEY 『Pimpin' On Wax』 Free World(1999)
ポイズン・クランで活動したマイアミのラッパーで、アホなフックで人気沸騰した“Who Dat”の一発ヒットに乗じたソロ作。同曲を手掛けたトリッキー・スチュワートの他、レーベル主宰者のダラス・オースティン、シェイクスピアらアトランタ人脈との合体が功を奏した。*出嶌