The Valued Collection「コンサートホール原盤」復刻シリーズ 第IV期 (全5タイトル)
これまで3回に分けて発売してきました、日本コロムビアとのシリーズ”The Valued Collection”「コンサートホール原盤」の2013年を締めくくる第Ⅳ期を発売いたします。
第Ⅰ期発売、衝撃のブーレーズの「春の祭典」と、シューリヒトの名盤「ブラームス:交響曲第3番、第4番他」からはじまった当シリーズは、単なる懐かしい音源の復刻シリーズという括りではなく、再発に際してアナログ・マスターがある音源に関しましては192kHz/24bitでデジタル化した後、新規でリマスタリング作業を行い(一部デジタルでのみ保管されていたものはデジタルデータを最新リマスタリング)、音質にも留意しました。「復刻のコンセプト」を作成し、基本的にマスターに忠実な音質を目指しました。
中でもアナログ・マスターで管理されていたシューリヒト他の音質は顕著です(日本コロムビアによるマスター保管は厳密を極めており、各所データ上や温度管理もされている素晴らしい状態です。日本に送付された時に非常に近い状態と思われますが、元々のマスターに入っている欠落やノイズもそのまま収録されています)。テクノロジーが以前より進化した今だからこそ、の復刻と言えます。
4回分を締めくくる今回の5タイトルも、厳選された素材を使用しました。シューリヒトの厳格なまでの感性を、ブーレーズの黎明期の感受性溢れる解釈を、グルダの生々しいまでの感興を、そして、フルニエの瑞々しくも矍鑠とした感動を、このシリーズで感じてください。
<復刻コンセプト>
コンサートホール音源には、演奏の面白さや斬新さと共に良く語られることのひとつに音質(録音)のデメリットがあったのも事実です。エンジニアや機材、ときに場所により左右する音質の非均一さは如何ともし難いものがありました。
今回、「コンサートホール」音源の封印を解くにあたり、一番留意した点はズバり"音質"です。これまで国内盤CDで発売されてきたCDマスターは、アナログ・マスターがあるものに関しては1990年前後にマスターからデジタル化を行った音源であり(AAD処理)、昨今のAD変換技術の進歩には到底及ばないものと考え、うち一部はあらためてマスター(本国マスターからコピーされた日本コロムビア保有のマスター)からハイビット・ハイサンプリングで高品位デジタル変換を行い、最新のリマスタリング処理を行いました。日本コロムビアに保管されていた中でアナログ・マスターテープ(ほとんどが1970年代にライセンス契約締結によりレーベルより提供されたマスター)があったものに関しましては、STUDER A80にて厳密にアジマス調整した後に24bit/192kHzでデジタル化を行い(AD変換はA/Dコンバータ:APOGEE RESETTA 200を使用)、綿密なリマスタリングを施しました(一部デジタルでのみ保管されていたものはデジタルデータをリマスタリング)。元々マスター自体に特殊な処理や独特の編成、バランスが施されているものもレーベルの性格上ありましたが、基本的にマスターの音に忠実に従った音の処理が成されております。これにより従来の盤と比較すると情報量の多さや滑らかさ、バランスが多角的に改善しました。まるで洗いたての名画のような、新鮮な響きを堪能ください。
さらに発売にあたっては、今回はオリジナルのカップリング曲に拘らず、新規で編成を組んだものもございます。LP発売当時の収録時間の制限を超えて、あらためて名演の数々をご紹介したいと考えております。現代の最新技術により復活した「コンサートホール原盤」。今後も不定期で発売予定です。尚、発売します「コンサートホール」音源は全てステレオ録音です。
マスタリング・エンジニア:毛利篤(第20回日本プロ音楽録音賞最優秀賞受賞(2chステレオ:クラシック部門)エンジニア)
7/19発売の第I期はこちら>>>
8/9発売の第II期はこちら>>>
11/8発売の第III期はこちら>>>
旋律美に満ちたシューベルトの大伽藍を、シューリヒトが再構築。
シューベルト:交響曲第9(8)番《グレイト》/カール・シューリヒト、南ドイツ放送交響楽団(現・シュトゥットガルト放送交響楽団)
※MS 24bit Processing 192kHz-24bit最新リマスタリング(日本コロムビア保有のアナログ・マスター・テープより2013年に192kHz/24bitリマスタング)
※新規ジャケット・デザイン採用
※ステレオ録音
※解説:宇野功芳氏
【曲目】
シューベルト:交響曲第9(8)番《グレイト》
【演奏】
南ドイツ放送交響楽団(現・シュトゥットガルト放送交響楽団)
カール・シューリヒト(指揮)
【録音】
1960年9月 シュトゥットガルト
シューリヒトの名人芸が炸裂する、珠玉のヨハン・シュトラウス。
ヨハン・シュトラウス名演集/カール・シューリヒト、ウィーン国立歌劇場管弦楽団
※MS 24bit Processing 192kHz-24bit最新リマスタリング(日本コロムビア保有のアナログ・マスター・テープより2013年に192kHz/24bitリマスタング)
※新規ジャケット・デザイン採用
※ステレオ録音
※解説:高橋昭氏
【曲目】
ヨハン・シュトラウスⅡ世:
1.ワルツ≪ウィーンの森の物語≫ 作品325
2.ワルツ≪ウィーン気質≫ 作品354
3.トリッチ・トラッチ・ポルカ 作品214
4.シャンペン・ポルカ 作品211
5.ワルツ≪南国のバラ≫ 作品388
6.宝のワルツ 作品418
7.ワルツ≪酒・女・歌≫ 作品333
8.常動曲 作品257
【演奏】
ウィーン国立歌劇場管弦楽団
カール・シューリヒト(指揮)
【録音】
1963年4月 ウィーン
ブーレーズによるレア盤。モダン楽器による理想的な演奏のひとつ。
ヘンデル:水上の音楽/ピエール・ブーレーズ、ハーグ・フィルハーモニー管弦楽団
※2013年 最新リマスタリング(日本コロムビア保有のマスター・テープより2013年にデジタル・リマスタング)
※新規ジャケット・デザイン採用
※ステレオ録音
※解説:ヴルフ・アルルト氏(渡部恵一郎氏訳)
【曲目】
ヘンデル:水上の音楽
組曲第1番 ヘ長調 HVW 348
組曲第2番 ニ長調 HVW 349
組曲第3番 ト長調 HVW 350
【演奏】
ハーグ・フィルハーモニー管弦楽団
ピエール・ブーレーズ(指揮)
【録音】
1964年 ハーグ
30代前半のグルダが織りなす、絶品のモーツァルトと至高のシューベルト演奏。
モーツァルト:ピアノ協奏曲第21&27番、シューベルト:即興曲(作品90)&楽興の時(作品94)/フリードリヒ・グルダ、ハンス・スワロフスキ、ウィーン国立歌劇場管弦楽団
※MS 24bit Processing 192kHz-24bit最新リマスタリング(日本コロムビア保有のアナログ・マスター・テープより2013年に192kHz/24bitリマスタング)(DISC1)
※2013年 最新リマスタリング(日本コロムビア保有のマスター・テープより2013年にデジタル・リマスタング)(DISC2)
※新規ジャケット・デザイン採用
※ステレオ録音
※解説:クルト・パーレン氏(佐藤俊一郎氏訳)、ハンス・スワロフスキ氏(佐藤俊一郎氏訳)、佐藤俊一郎氏、黒田恭一氏
【曲目】
<DISC1>
1.モーツァルト:ピアノ協奏曲 第21番 ハ長調 K.467
2.同:ピアノ協奏曲 第27番 変ロ長調 K.595
<DISC2>
3.シューベルト:即興曲 作品90 D.899
4.同:楽興の時 作品94
【演奏】
フリードリヒ・グルダ(ピアノ)
ウィーン国立歌劇場管弦楽団(1,2)
ハンス・スワロフスキ(指揮)(1,2)
【録音】
1963年6月6日 ウィーン(1,2)、1963年9月13-15日 ジュネーヴ(3,4)
優雅で洗練されたフルニエの至芸。小品に加え協奏曲2曲もカップリング。
シューベルト:アルペジオーネ・ソナタ他、サン=サーンス&ラロ:チェロ協奏曲/ピエール・フルニエ、ドーレル・ハンドマン、イォシフ・コンタ、モンテカルロ国立歌劇場管弦楽団
※2013年 最新リマスタリング(日本コロムビア保有のマスター・テープより2013年にデジタル・リマスタング)
※新規ジャケット・デザイン採用
※ステレオ録音
※解説:クラウス・コーネル氏(高辻知義氏訳)、大木正純氏、家里和夫氏
【曲目】
<DISC1>
1.シューベルト:アルペジオーネ・ソナタ イ短調 D.821
2.メンデルスゾーン:協奏的変奏曲 作品17
3.シューマン:幻想小曲集 作品73
4.同:民謡による5つの小品 作品102
<DISC2>
5.サン=サーンス:チェロ協奏曲 第1番 イ短調 作品33
6.ラロ:チェロ協奏曲 ニ短調
【演奏】
ピエール・フルニエ(チェロ)
ドーレル・ハンドマン(ピアノ)(1-4)
モンテカルロ国立歌劇場管弦楽団(5,6)
イォシフ・コンタ(指揮)(5,6)
【録音】
1963年1月7-9日 ジュネーヴ、1976年(5,6)