モーツァルトからベリオまでビシュコフの旧フィリップス録音を集成~『ビシュコフの芸術』BOX(21枚組)
1986~1995年にロシア出身の名指揮者セミヨン・ビシュコフ(1952~)がフィリップスに録音したオペラ全曲とバレエ全曲を除くオーケストラ作品を集成した初めての廉価BOX。現在入手困難な音源が多く、ビシュコフの意欲的なレパートリーが一気に揃ってしまう便利な一組です。
この時期はビシュコフがバレンボイムの後任としてパリ管弦楽団の音楽監督を務めていた時代(1989~1998)に重なり、ビシュコフの西側での活動が本格化し、コンサート、レコーディング両面でその名声が高まっていました。
そのレパートリーの幅広さはこの21枚組の曲目を眺めるだけで納得していただけることでしょう。時代的にはモーツァルトから20世紀のデュティユー、ベリオまで、地域的には母国ロシアをはじめとしてドイツ、オーストリア、フランス、ベルギー、イタリア、イギリス、アメリカと広範囲にわたっています。
CD1とCD4はラベック姉妹との愉悦的な共演盤で、後に妹のマリエルは彼の妻となります。CD2の名歌手をズラリと揃えたロッシーニも大変な聴き物。CD5~7、10、11は当時の手兵パリ管弦楽団とのフランス系の作品で、彼の洗練された音楽性がエネルギーに満ちながらも仕上げの美しい演奏に結びついています。とくにCD11は1920年代のパリに焦点を当てたコンセプト・アルバムで、発売当時大きな話題を呼びました。
CD8、9、13~19は母国ロシアの名作がズラリと並びます。1985年ムーティの代役でベルリン・フィルを振り、ショスタコーヴィチの交響曲第5番を演奏して衝撃のデビューを飾った直後に録音された同曲は、フィリップスへの初録音となった記念すべきものです。ベルリン・フィルとの第8番、第11番も名演として夙に知られているものです。CD14、パリ管弦楽団を指揮したラフマニノフの交響曲第2番も、人気テレビドラマ「妹よ」で主人公がPLAYしたことをきっかけに日本で大ヒットした懐かしの名盤です。CD19はビシュコフ得意レパートリー“春の祭典”。今まで「春の祭典初演100年記念BOX」(品番4783729)でしか手に入らなかったものだけに、有難い収録です。
CD20、21では20世紀作品に対するビシュコフの鮮やかな手腕を楽しむことができます。限定生産BOXですので、お早目にお求めいただければ幸いです。
(タワーレコード)
CD1
モーツァルト
01 2台のピアノのための協奏曲変ホ長調K.365
02 3台のピアノのための協奏曲ヘ長調K.242「ロドロン」
演奏
カティア&マリエル・ラベック(p)セミヨン・ビシュコフ(指揮,(2)p)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音
Berlin, 2/1989
CD2
ロッシーニ:スターバト・マーテル
演奏
セミヨン・ビシュコフ指揮
バイエルン放送交響楽団&合唱団
キャロル・ヴェイニス(S)
チェチーリア・バルトリ(Ms)
フランシスコ・アライサ(T)
フェルッチオ・フルラネット(Bs)
録音
Munchen, 11/1989
CD3
メンデルスゾーン:
01 交響曲第3番イ短調op.56「スコットランド」
02 交響曲第4番イ長調op.90「イタリア」
演奏
セミヨン・ビシュコフ指揮 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
録音
London, 12/1986
CD4
メンデルスゾーン:
01 2台のピアノのための協奏曲ホ長調
ブルッフ:
02 同op.88a
演奏
カティア&マリエル・ラベック(p)
セミヨン・ビシュコフ指揮 フィルハーモニア管弦楽団
録音
Henry Wood Hall, London, 4/1990
CD5
フランク:
01 交響曲ニ短調
ビゼー:
02 同第1番ハ長調
演奏
セミヨン・ビシュコフ指揮 パリ管弦楽団
録音
Salle Pleyel, Paris, 5/1990
CD6
ベルリオーズ:
01 序曲「ローマの謝肉祭」op.9
02 幻想交響曲op.14
演奏
セミヨン・ビシュコフ指揮 パリ管弦楽団
録音
Salle Wagram, Paris, 2/1993
CD7
ビゼー:
01 「アルルの女」第1組曲
02 「アルルの女」第2組曲
03 「カルメン」第1組曲
04 「カルメン」第2組曲
演奏
セミヨン・ビシュコフ指揮 パリ管弦楽団
録音
Salle Pleyel, Paris, 5/1993
CD8
チャイコフスキー:
01 交響曲第6番ロ短調op.74「悲愴」
02 バレエ「くるみ割り人形」組曲op.71a
演奏
セミヨン・ビシュコフ指揮
(1)ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
(2)ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音
Amsterdam, 1/1987 (Op. 74); Berlin, 5/1986 (Op. 71a)
CD9
01 弦楽セレナード ハ長調op.48 (チャイコフスキー)
02 イタリア風セレナード ト長調 (ヴォルフ)
03 序奏とアレグロop.47 (エルガー)
04 弦楽のためのアダージョop.11 (バーバー)
演奏
セミヨン・ビシュコフ指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音
Jesus-Christus-Kirche, Berlin, 10/1991
CD10
ラヴェル:
01 スペイン狂詩曲
02 亡き王女のためのパヴァーヌ
03 バレエ「ダフニスとクロエ」第2組曲~夜明け/パントマイム/全員の踊り
04 ラ・ヴァルス
05 ボレロ
演奏
セミヨン・ビシュコフ指揮 パリ管弦楽団
(2)アンドレ・カザレ(HR) (3)ヴィサン・プラッツ(FL)
録音
Salle Pleyel, Paris, 7/1992
CD11
01 バレエ「牝鹿」 (プーランク)
02 同「屋根の上の牛」 (ミヨー)
03 パシフィック231 (オネゲル)
演奏
セミヨン・ビシュコフ指揮 パリ管弦楽団&(1)合唱団
録音
Salle Wagram, Paris, 4/1991
CD12
R.シュトラウス:
01 交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」op.30
02 交響詩「ドン・ファン」op.20
演奏
セミヨン・ビシュコフ指揮
(1)フィルハーモニア管弦楽団
(2)ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音
London, 9/1989 (Op. 30); Amsterdam, 6/1988 (Op. 20)
CD13
プロコフィエフ
01 カンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」op.78
02 バレエ「シンデレラ」組曲第1番op.107
演奏
セミョン・ビシュコフ指揮
パリ管弦楽団&(1)合唱団,マルヤーナ・リポヴシェク(A)
録音
Salle Pleyel, Paris, 6/1991 (Op. 78); Brandpunt, Baarn, 2/1992 (Op. 107)
CD14
ラフマニノフ:
01 交響曲第2番ホ短調op.27
演奏
セミヨン・ビシュコフ指揮 パリ管弦楽団
録音
Paris, 5/1990
CD15
ショスタコーヴィチ:
01 交響曲第5番ニ短調op.47
演奏
セミョーン・ビシュコフ指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音
Berlin, 5/1986
CD16
ショスタコーヴィチ:
01 交響曲第8番ハ短調op.65
演奏
セミヨン・ビシュコフ指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音
Philharmonie, Berlin, 3/1990
CD17
ショスタコーヴィチ:
01 交響曲第11番ト短調op.103「1905年」
演奏
セミヨン・ビシュコフ指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音
Berlin, 3/1987
CD18
ストラヴィンスキー
01 バレエ音楽「ペトルーシュカ」 (1947年版)
02 ディヴェルティメント (バレエ「妖精の口づけ」からの交響組曲)
演奏
セミヨン・ビシュコフ指揮 パリ管弦楽団
録音
Salle Pleyel, Paris, 2/1990 (Petrouchka); 9/1990 (Divertimento)
CD19
ストラヴィンスキー
01 バレエ音楽「春の祭典」
演奏
セミヨン・ビシュコフ指揮 パリ管弦楽団
録音
Salle Pleyel, Paris, 2/1995
CD20
デュティユー:
01 交響曲第2番「ル・ドゥーブル」
02 音色、空間、運動 (星降る夜)
03 メタボール
演奏
セミヨン・ビシュコフ指揮 パリ管弦楽団
録音
Salle Pleyel, Paris, 7/1992
CD21
ベリオ(1925-2003)
01 カンティクム・ノヴィッシミ・テスタメンティ (最新約の歌)2 (8人の声、4つのクラリネットとサクソフォーン・クァルテットのための)
02 シンフォニア (8人の声とオーケストラのための)
演奏
セミヨン・ビシュコフ指揮
(1)ロンドン・シンフォニエッタ・ヴォイセス
ラシェル・サクソフォーン・カルテット
クロード・シャルル,クロード・デスルモン,フィリップ=オリヴァー・デヴォー,パスカル・モラーゲ(CL)
(2)エレクトリック・フェニックス
パリ管弦楽団
録音
Salle Pleyel, Paris, 5/1994
カテゴリ : ニューリリース | タグ : ボックスセット(クラシック)
掲載: 2016年07月26日 14:00