伊福部昭の没後10年を記念した『伊福部昭百年紀Vol.4』!
伊福部昭の没十年を記念して、伊福部が子供のために作った音楽を集め「大楽必易(優れた音楽とは必ず平易なものである)」という言葉にそったコンサートとして「セロ弾きのゴーシュ」「イワンと子馬」「子供のためのリズム遊び」や弟子の作品も演奏して、新聞各紙に取り上げられ、話題となった。また、芥川也寸志や黛敏郎らを含む伊福部昭の九人の弟子がゴジラのモチーフなど用いて、師匠へ捧げた献呈曲も収録される。(黛敏郎作品では、当日集った伊福部門下が合唱で参加!)
イワン、ゴーシュ、リズム遊び等「大楽必易」な楽曲が甦る!
[聴きどころ]
・宮沢賢治の原作で知られる「セロ弾きのゴーシュ」の今回上演するバージョンは、1953年に「日本で最初の長編・総天然色・人形劇・音楽映画」として作られた。しかし、現在はフィルムの権利関係が不明となり、幻の作品となっている。この映画に作曲された音楽は、当時のトップチェリストであった井上頼豊と東京フィルハーモニー交響楽団により演奏されたもので、「インドの虎狩り」「ゆかいな馬車屋」など楽しく、多彩な音楽ばかり。今回は、音楽だけでも楽しめるよう構成して、伊福部が学長をつとめた東京音楽大学の教授でもあるロシア人チェリストのドミトリー・フェイギンがチェロソロをつとめて復活演奏となった。
・「イワンと子馬」(1953年)はケロヨンの生みの親として知られる藤城清治(1924-)の影絵劇の音楽を演奏会用に4つの楽章に構成したもの。ロシア文学を原作にしたこの影絵劇は1953年の初演以来、藤城の代表作として知られるが現在では幻の作品となっている。オーケストラだけでなく、エレクトーンも巧みに使い、イワンと子馬の冒険を表情豊かに描いている。
・「子供のためのリズム遊び」(1949年)は、伊福部がこどもの教育用SPレコードのために作曲したオーケストラ作品である。リズミカルで心躍るメロディーがたくさんあふれた音楽であるが、この曲は録音以来66年近くも埋もれており、オーケストラでの舞台上演は今回初の試みとなった。
(スリーシェルズ)
【曲目】
九人の門弟が贈る伊福部モチーフによる讃
1.芥川也寸志:ゴジラの主題によせるバラード
2.池野成:Omaggio a maestro A.Ifukube
3.石井眞木:幻の曲
4.今井重幸:狂想的変容
5.原田甫:Felicidades El Maestro!
6.松村禎三:Homage to Akira Ifukube
7.真鍋理一郎:Omaggio al maestro Ifukube
8.三木稔:Gozilla is dancing
9.黛敏郎:Hommage a A.I.
10-19.伊福部昭:子供のためのリズム遊び 全曲
20-23.伊福部昭:組曲「イワンと子馬」(藤城清治の影絵劇より)
24-33.伊福部昭:「セロ弾きのゴーシュ」より
34.アンコール「インドの虎狩り」
【演奏】
指揮:水戸博之
演奏:オーケストラ・トリプティーク(三瀬俊吾:コンサートマスター)
チェロ・ソロ:ドミトリー・フェイギン
合唱:伊福部昭百年紀合唱団(根岸一郎、上田純也、植田真史、富塚研二)
作曲:伊福部昭 構成・楽譜作成:吉原一憲
解説:小林淳
【録音】
2016年5月4日(渋谷区文化総合センター大和田伝承ホールにてライヴ録音)
録音・編集:磯部英彬
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2017年05月09日 00:00