1964年ステレオ・ライヴ!アンセルメ&SRO、フランチェスカッティ『オール・ベートーヴェン・プログラム』
何ともそそられるアンセルメと手兵ロマンド管とのベートーヴェン・プロ!ドイツ音楽にも並々ならぬ自信を持ち、ドイツの有名オーケストラにも毎年客演した巨匠の中の巨匠。造形はキリリとしまったスタイリッシュなものですが、そこかしこにアレっと驚かされる工夫があります。ヴィクトリア・ホールの音響の良さは50年以上前のこのライヴでもよくわかります。澄み切った湖のような、そこに美しい音楽という魚たちが雄飛します。アンセルメは、単にフランス音楽、ロシア音楽のスペシャリストではなく12音音楽にも通暁した現代音楽の擁護者という重要な側面もありますので、このベートーヴェンも一筋縄ではいきません。頭脳はクールで、心はウォームなベートーヴェンを聴かせてくれます。有難い優秀なステレオ録音。
(ミューズ貿易新社)
アンセルメ指揮スイス・ロマンド管、ジノ・フランチェスカッティ(Vn)
オール・ベートーヴェン・プログラム
「コリオラン」序曲、ヴァイオリン協奏曲、交響曲第7番
1964年5月6日ジュネーヴ・ヴィクトリアホール、ライヴ(ステレオ録音)
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2018年12月07日 15:00