Naxos~2019年1月24日発売新譜情報(16タイトル)
[naxosvideos 公式チャンネルより]
幅広いレパートリーと実力派アーティストの録音を楽しめる事で人気のレーベルNaxosレーベルの新譜情報です。
今回はパトリック・ガロワと瀬尾和紀の共演による『W.F.バッハ:2本のフルートのための二重奏曲集』、ボリス・ギルトブルグの『リスト:超絶技巧練習曲』、スワロフスキー&スロヴァキア・フィルによる『スメタナ:スウェーデン時代の交響詩集』、人気作曲家ニコライ・カプースチンの『フルートのための室内楽作品全集』、6枚組の『ジョン・フィールド:ピアノ協奏曲集と夜想曲集BOX』、アメリカ初の「黒人女性の交響曲作曲家」フローレンス・ベアトリス・プライスの交響曲 第1番・第4番”、リチャード・ボニング指揮による世界初録音のオペラ『アルフレッド・セリアー(1844-1891):歌劇《ドロシー》』、20世紀に生まれた女性演奏家、作曲家たちの作品を集めた『THIS DAY この日イギリス女性が選挙権を獲得した世紀を祝して』など世界初録音も含むCD16タイトルがリリースされます。
W.F.バッハ(1710-1784):2本のフルートのための6つの二重奏曲集
パトリック・ガロワ(フルート)、瀬尾 和紀(フルート)
大バッハの長男として生まれたヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ。父の偉大な血を受け継いだ彼もまた優れたオルガン奏者でしたが、バッハとマリア・バルバラとの第一子として生まれ、父の愛情を一身に受けて甘やかされ過ぎたためか、性格的には少し問題があったようで、自身で道を切り拓く努力が足りず、晩年には職さえも失い失意のうちにこの世を去りました。しかし"バッハの息子たちの中で最も才能に恵まれた"とされるW.F.バッハの作品は、飛び抜けて独創的であり、なかでもこのアルバムに収録された「6つの無伴奏フルート二重奏曲」は大胆な筆致と魅力的な楽想で知られる代表作の一つ。各々のパートは対等に扱われ、喜びの輝きと情熱、自由な精神を歌い上げます。ガロワと瀬尾和紀の名手2人が、お互いを引き立てあいながらぴったりと息のあった演奏を繰り広げてます。
(ナクソス・ジャパン)
スメタナ(1824-1884):スウェーデン時代の交響詩集
レオシュ・スワロフスキー(指揮)、スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団
19世紀、チェコ「国民楽派」を発展させ、チェコ音楽の発展に尽力したスメタナ。彼はベルリオーズやリストから影響を受けた「交響詩」の形式を好み、代表作「わが祖国」の他にいくつものストーリー性のある作品を書きました。このアルバムに収録された3曲の交響詩は、スメタナが30代の時に滞在したスウェーデンで完成されたもの。当時の彼は創作活動の絶頂期を迎えており、シェークスピアの戯曲から触発された「リチャード三世」、シラーの戯曲による「ヴァレンシュタインの陣営」、デンマークの詩人エーレンスレーヤーによる、ヴァイキングの悲劇が基になった「ハーコン・ヤルル」なども、短期間のうちに一気呵成に書かれています。劇的なストーリーを克明に描き出していくスメタナの才能が存分に発揮された聴きどころの多い作品です。
(ナクソス・ジャパン)
リスト(1811-1886):超絶技巧練習曲、他
ボリス・ギルトブルグ(ピアノ)
19世紀における最も傑出したピアニストの一人、フランツ・リスト。彼が作曲した超絶技巧を駆使した一連のピアノ曲は同世代から後世の作曲家たちにも大きな影響を与えただけでなく、自身の演奏会でも聴衆(特に女性たち)の心を魅了しました。リストの優れたテクニックを象徴する曲集の一つが、この「超絶技巧練習曲」です。タイトルの通り"練習曲"でありながら、高い芸術性を持ち、完璧に弾きこなすことはリスト自身でさえ困難だったともいわれています。リストはこの曲集を何度も改訂しており、この1852年の現行版が一番整っているものとされ、華麗な演奏効果も期待できます。ギルトブルグはこの曲集に加え、やはり華麗な「リゴレット・パラフレーズ」と演奏会用練習曲「軽やかさ」を演奏。持ち前の高度なテクニックを存分に発揮し、リストが求める音楽を再現しています。いつものように解説もギルトブルグ自身の手によるもの(英語)です。
(ナクソス・ジャパン)
ジョン・フィールド(1782-1837):ピアノ協奏曲集と夜想曲集(6枚組)
ベンジャミン・フリス(ピアノ)
アイルランドで生まれ、11歳の時に家族とともにロンドンに移住したジョン・フィールド。作曲家、ピアノ製造者ムツィオ・クレメンティに師事、19歳の時には最初のピアノ・ソナタ集が出版されるなど才能を発揮しました。その後はウィーンやパリで演奏活動を行いながら、ロシアに移住。この地の貴族たちに歓迎され、一時期はグリンカを指導するなどロシアで高い名声を獲得しました。彼の最も偉大な功績は“夜想曲”の形式を創り上げたことでしょう。形式にとらわれない単一楽章の作品は、ショパンを始めとしたロマン派の作曲家たちに大きな影響を与えました。甘く美しい旋律に満たされた曲の数々には、ショパンとは違う素朴な魅力があります。このBOXでは彼が作曲したピアノ協奏曲と夜想曲の全てを、イギリスの名手フリスの演奏でお聴きいただけます。
(ナクソス・ジャパン)
フローレンス・ベアトリス・プライス(1887-1953):交響曲 第1番・第4番
ジョン・ジーター(指揮)、フォート・スミス交響楽団
アメリカ初の「黒人女性の交響曲作曲家」として歴史に名を残すフローレンス・プライスの2曲の交響曲。歌手、ピアニストの母親から音楽の手ほどきを受け、14歳でニューイングランド音楽院に入学。チャドウィックとコンヴァースに師事、1907年に卒業するまでにいくつかの作品を完成させています。1932年に“ワナメイカー財団賞”に応募した「交響曲第1番」は見事に一等賞を獲得、その翌年にシカゴ交響楽団が初演し好評を博しました。全体に漂う哀愁たっぷりの曲調からは(調性も含め)明らかにドヴォルザークの「新世界より」の影響も感じられますが、至るところに黒人音楽の伝統メロディも聴きとることができます。1945年に作曲された交響曲第4番は全体的に快活な音楽であり、第1番よりも更に民族的要素が濃くなっています。抒情的な第2楽章の旋律や、第3楽章に使われている南スーダンの伝統的な舞曲「ジュバ・ダンス」のジャズ風の雰囲気などに彼女が探求していた音楽の傾向が示されています。
(ナクソス・ジャパン)
カプースチン(1937-):フルートのための室内楽作品全集
イマヌエル・デイヴィス(フルート)、他
アメリカのフルート奏者イマヌエル・ディヴィスが最近注目しているのがロシアの作曲家カプースチン。普段からデイヴィス自身がジャズの演奏にも力を入れていることもあり、カプースチンが書く「クラシック=ジャズ」のボーダーレスの音楽はデイヴィスにとって非常に魅力的なのだそうです。優れたピアニストであるカプースチンだけに、独特な筆致によるピアノ曲が広く知られていますが、チェロやフルートを用いた室内楽作品でもジャズのイディオムが効果的に用いられており、洗練されたフレーズと躍動的なリズムに支えられた魅力的な音楽が展開されていきます。「オスカー・ピーターソンから強い影響を受けた」と語るカプースチンですが、作品からはスクリャービンや他のロシア作品からの影響も感じられるなど、様々な“聴く楽しみ”が提示された、世界初録音を含む1枚です。
(ナクソス・ジャパン)
世界初録音!
アルフレッド・セリアー(1844-1891):歌劇《ドロシー》
リチャード・ボニング(指揮)、ヴィクトリア歌劇場管弦楽団、他
英国の作曲家、指揮者アルフレッド・セリアー。彼は演出家としても知られ、1877年から1881年まで、当時イギリスで人気を誇っていた「ドイリー・カート・オペラ・カンパニー」の音楽監督としてギルバート&サリヴァン作品の演出、演奏を積極的に行い、ロンドンからニューヨーク、オーストラリアなどのツアーは大好評を博しました。彼自身の作品の中では、この田園笑劇「ドロシー」が飛び抜けた人気を誇っています。個性的な登場人物が巻き起こす物語と上品な音楽、とりわけ途中に置かれたダンスとバレエはサリヴァンの伝統を踏襲し、後のミュージカルに繋がる要素でもあり、これらが作品に彩りを与えています。近代イギリスのオペラを研究、復刻に力を注ぐリチャード・ボニングが、聴きどころをうまくまとめた演奏会版です。
(ナクソス・ジャパン)
一部世界初録音!
『THIS DAY この日イギリス女性が選挙権を獲得した世紀を祝して』
ヒラリー・キャンベル(指揮)、ブロッサム・ストリート(声楽アンサンブル)
1918年12月14日、英国史上初めて女性が議会の候補者として立候補が認められるとともに、年齢、財産権などの一定の制限があったものの「女性の投票権」も認められるという画期的な出来事がありました。そのためこの時の選挙は、前回1910年12月の総選挙時のおよそ4倍の有権者が存在することとなり、それも含めイギリス近代選挙の幕開けとされています。このアルバムでは「その日」を祝し、20世紀に生まれた女性演奏家、作曲家たちの作品を集め、女性たちの更なる地位向上を目指しています。世界初録音を数多く含む作品の中には、日本でも良く知られた詩(私のお墓の前で泣かないでください)を用いた曲もあり、ヴァラエティに富んだ美しい合唱曲を楽しむことができます。
(ナクソス・ジャパン)
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カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2018年12月14日 00:00