Gramola レーベル~2019年3月発売新譜情報(7タイトル)
1924年、ウィーンに設立されたレーベル「Gramola」。クラシック音楽のリリースを幅広く手掛けていますが、中でもウィーン古典派の作曲家たち、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトの録音に力を入れています。現在は年間、約30タイトルのアルバムをリリース。若いオーストリアの音楽家たちを支援するとともに、退廃音楽の復権にも尽力しています。
今回は、ザルツブルク出身のヴァイオリニスト、イルンベルガーによる“エルガー:ヴァイオリン協奏曲&ヴァイオリン・ソナタ”に、ピリオド楽器で演奏されたリヒテンタール編曲による弦楽四重奏曲版“モーツァルト:レクイエム”、2012年から2016年まで毎年開催されていた「EntArteOpera Festival=退廃音楽の祭典」からのライヴ・レコーディングで、ボスマンズ、ヴァイグル、シュレジンガー、カプラーロヴァの4人の女性作曲家による室内楽作品&歌曲集、ウィーンの作曲家ヨーゼフ・マイセダーの室内楽作品集など、7タイトルがリリースされます。
エルガー(1857-1934):ヴァイオリン協奏曲、ヴァイオリン・ソナタ
トーマス・アルベルトゥス・イルンベルガー(ヴァイオリン)
ジェームズ・ジャッド(指揮)、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
ミヒャエル・コルスティック(ピアノ)
1910年、名ヴァイオリニストのクライスラーからヴァイオリン協奏曲の作曲依頼を受けたエルガーは、様々な技巧を盛り込んだ長大な作品を完成させ、クライスラーに献呈しました。しかし、当のクライスラーは作品を初演したものの、結局録音することはなく、他のヴァイオリニスト、メニューインやハイフェッツが好んで演奏、録音したことで後世に残る名作としての地位が確立されました。このアルバムではザルツブルク出身のヴァイオリニスト、イルンベルガーが独奏を担当、ジェームズ・ジャッドが指揮するロイヤル・フィルハーモニーと共にロマンティックな旋律を悠然と紡いでいきます。
同時に収録されているのは、近年高い人気を誇るヴァイオリン・ソナタ。ピアノを担当するコルスティックの妙技も併せ、聴きどころの多い演奏が高音質でお楽しみいただけます。
(ナクソス・ジャパン)
モーツァルト(1756-1791):レクイエム(P.リヒテンタールによる弦楽四重奏版)
パンドルフィス・コンソート(古楽器使用)
モーツァルトの「レクイエム」の弦楽四重奏版は、20年ほど前にアグライア四重奏団のアルバムがリリースされて以来、クイケンをはじめ、いくつかのアンサンブルが手掛けたヴァージョンです。
編曲者リヒテンタールは、オーストリアの医学博士でアマチュアの音楽家。モーツァルトの息子カールと親しかった彼による編曲は、モーツァルトの生涯最後の名作を、忠実でありながら簡素な形で弦楽四重奏へと移し替えることに成功しています。「歌詞が大きな意味を持つ宗教曲」から、一切の言葉を失くしてしまったこの編曲版を、ピリオド楽器アンサンブル、「パンドルフィス・コンソート」は親密に演奏。涙や悲しみの感情や希望の心を感じさせる素晴らしい仕上がりを見せています。
(ナクソス・ジャパン)
[KlassikhausWien 公式チャンネルより]
ヨーゼフ・マイセダー(1789-1863):弦楽四重奏曲第2番、弦楽五重奏曲第2番
ウィーン・マイセダー・アンサンブル
ウィーン・フィルのメンバーであるライムント・リシーによるヨーゼフ・マイセダーの4枚目の作品集。今作ではマイセダーの弦楽四重奏曲と弦楽五重奏曲の2曲を聴くことができます。イグナツ・シュパンツィヒに師事したマイセダーは、ウィーンの伝統を受け継ぐ作曲家、教師であり、ハインリヒ・ヴィルヘルム・エルンストを始めとする数多くの弟子を育てながら、自身も優れたヴァイオリニストとして活躍しました。残念ながら、彼の存命中に愛された作品の多くは忘れられてしまいましたが、幸いなことにリシーの手によって発掘され、現在少しずつ演奏会のプログラムに載せられるようになってきました。弦楽四重奏曲と五重奏曲は、マイセダーのヴァイオリニストとしての力量が存分に発揮された作品であり、リシーは第1ヴァイオリン奏者としてアンサンブルを完全に掌握、納得の演奏を披露するとともに、マイセダーの魅力を力強く語っています。
(ナクソス・ジャパン)
[KlassikhausWien 公式チャンネルより]
EntArteOpera Festival-退廃音楽の祭典~女性作曲家の室内楽作品と歌曲集~ヘンリエッテ・ボスマンズ、ヴァリー・ヴァイグル、シャルロッテ・シュレジンガー、ヴィーチェスラヴァ・カプラーロヴァ
2012年から2016年まで毎年開催されていた「EntArteOpera Festival=退廃音楽の祭典」からのレコーディング。2016年はテーマに『女性作曲家たち』を据えて、ボスマンズ、ヴァイグル、シュレジンガー、カプラーロヴァの4人の作品を紹介しています。女性の作曲家の活動が難しかったことに加え、戦争での迫害など様々な逆境をはねのけ、素晴らしい作品を残した彼女たちの偉業を讃えたアルバムは聴き手に大いなる感動をもたらします。また、1曲添えられたマルティヌーの作品は、カプラーロヴァの「クリスマス・キャロル」と同じ詩が用いられています。
(ナクソス・ジャパン)
[KlassikhausWien 公式チャンネルより]
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カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2019年02月26日 00:00