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リュカ・ドゥバルグの最新録音はドメニコ・スカルラッティのソナタ集!(4枚組)


[参考音源:ソナタ ロ短調 K27/Lucas Debargue 公式チャンネルより]

「どのソナタも、音楽的な調和という奇跡を具現している」(リュカ・ドゥバルグ)
スカルラッティの音宇宙に魅せられて。フランス気鋭のピアニスト最新録音。

2015年のチャイコフスキー・コンクールでその個性あふれる豊かな才能を世界に知らしめ、2016年3月にはデビュー盤をリリース。これまで4枚のアルバムを発表しているフランス出身の気鋭ピアニスト、リュカ・ドゥバルグ最新作完成。彼は知られざるピアノ作品を世に送り出したいという強い信念を持っており、録音が珍しいメトネルやシマノフスキの作品にも挑んできました。

約1年半ぶりとなる本作では、幼少の頃から魅了され続けてきたD.スカルラッティの555のソナタ集から52曲を選曲し収録。リュカはデビュー盤でもスカルラッティのソナタを4曲演奏し(K.208、K.24、K.132、K.141)、アルバムの最後は「ソナタ K.208」を自身が編曲したヴァリエーションで締めくくっていました。この録音は2018年9月ベルリン、イエス=キリスト教会にてベーゼンドルファー280VCを全曲ペダルなしで演奏を行っています。

10歳の時にスカルラッティのソナタに初めて出会って衝撃を受け、2015年のチャイコフスキー・コンクール入賞後にはすでに録音を思い立っていたというリュカ。その2年後には11巻からなるソナタ全曲の楽譜を入手し、1週間部屋にこもってその全曲を弾き続けたというほど、それらのミニアチュアに内包される美と驚異に魅せられ、その思いが結実したのが当4枚組です。
(ソニーミュージック)

輸入盤(4枚組)

 

国内盤(4枚組)
[Blu-spec CD2仕様]

 

【曲目】
ドメニコ・スカルラッティ:
[CD1]
1. ソナタ ホ長調 K206
2. ソナタ ホ長調 K531
3. ソナタ イ長調 K404
4. ソナタ イ長調 K405
5. ソナタ 嬰ヘ短調 K447
6. ソナタ 嬰ヘ短調 K25
7. ソナタ イ長調 K343
8. ソナタ イ長調 K113
9. ソナタ ニ長調 K258
10. ソナタ ニ長調 K214
11. ソナタ イ長調 K211
12. ソナタ イ長調 K212
13. ソナタ イ短調 K109

[CD2]
1. ソナタ ヘ長調 K6
2. ソナタ イ長調 K268
3. ソナタ ニ長調 K443
4. ソナタ ニ長調 K45
5. ソナタ ロ短調 K27
6. ソナタ ロ長調 K244
7. ソナタ ト長調 K105
8. ソナタ ト長調 K206
9. ソナタ ニ長調 K491
10. ソナタ ニ長調 K414
11. ソナタ ニ長調 K534
12. ソナタ ニ長調 K535
13. ソナタ ニ短調 K32

[CD3]
1. ソナタ ト長調 K431
2. ソナタ ト長調 K125
3. ソナタ ハ長調 K308
4. ソナタ ハ長調 K461
5. ソナタ ト短調 K196
6. ソナタ ト長調 K477
7. ソナタ ハ短調 K115
8. ソナタ ハ短調 K526
9. ソナタ ヘ短調 K462
10. ソナタ ヘ長調 K438
11. ソナタ ヘ長調 K106
12. ソナタ ヘ長調 K107
13. ソナタ ヘ短調 K69

[CD4]
1. ソナタ ヘ長調 K468
2. ソナタ ヘ長調 K469
3. ソナタ ハ短調 K302
4. ソナタ ハ長調 K242
5. ソナタ ト長調 K521
6. ソナタ ト長調 K14
7. ソナタ 変ホ長調 K474
8. ソナタ 変ホ長調 K253
9. ソナタ 変ロ長調 K172
10. ソナタ 変ロ長調 K545
11. ソナタ 変ホ長調 K192
12. ソナタ 変ホ長調 K193
13. ソナタ 嬰ハ短調 K247

【演奏】
リュカ・ドゥバルグ(ピアノ)

 【録音】
2018年9月 ベルリン イエス・キリスト教会

<ドメニコとの出会い>
出発点――ドメニコ・スカルラッティと初めて出会った時のことを振り返ってみたい。それは西暦2000年のことで、私は10歳だった。その頃ピアノを始めたばかりだった私はいつも『ピアニスト』という雑誌をむさぼり読んでいたのだが、その古い号の中に、彼の全555曲のソナタの中で最も短いト長調ソナタ(K433)の楽譜を見つけたのだった。このソナタを、私は今回の録音のディスク3の冒頭に置いた。一見シンプルそのもののこのユニークな作品は、17年後に私が発見することになる、スカルラッティの膨大なソナタ群の神秘と深淵さを予感させるには十分だった。
スカルラッティのソナタ全集――2015年のチャイコフスキー・コンクールの結果、私の音楽家生活が決定的な転機を迎えた時、私はスカルラッティのソナタの大規模な録音を思い立った。だがその時点の私はスカルラッティのソナタの中でも特に有名なものをいくつか知っているだけだった。決定的なきっかけを運んできたのは2017年春の1本の電話だった。パリの音楽書専門店「アリオーソ」が、ケネス・ギルバート校訂のスカルラッティ・ソナタ全集、全11巻を持っているというのだ。私は、手に入れたばかりの驚異が一杯に詰まった重たい買い物籠を家に持ち帰ると、それから1週間、部屋にこもり切りになってピアノに向かい、11巻の楽譜を見ながら、すべての曲を、すなわち時間にして約37時間分の音楽を弾いたのだった。
スカルラッティの宇宙――どのソナタも、音楽的な調和という奇跡を具現している。555曲のソナタのほぼすべてがそれぞれの魅力にあふれていて、スカルラッティが「現代」のどの作曲家よりも「現代的」であることを証明している。スカルラッティのソナタは時間の中を流れてゆくのではない。時間というものの実質を変化させながら、時間そのものを形作ってゆく。それはどの音楽の傑作にも言えることだが、スカルラッティの場合、それは簡潔さとユニークな効果によって作り出されている。わずか数個の音符が過ぎ去るうちに、いつのまにか私たちはいつまでも膨張を続けるパラレル・ワールドに移動している。時間が空間となる。(リュカ・ドゥバルグ、ライナーノーツより)

<リュカ・ドゥバルグ プロフィール>
1990年10月23日フランス生まれ。11歳の時コンピエーニュ音楽院でピアノを学び始める。16歳で3年間ピアノを中断。パリ第7大学で理学、文学を学び学士号を取得。20歳の時、再びピアノの道を志しエコール・ノルマル音楽院、パリ音楽院で研鑽を積む。第15回チャイコフスキー国際コンクールでは個性豊かな演奏でピアノ部門第4位入賞を果たすと同時に、モスクワ音楽批評家協会賞を受賞

ドゥバルグ

カテゴリ : ニューリリース | タグ : ボックスセット(クラシック)

掲載: 2019年08月30日 00:00