BISレーベルよりスウェーデンの女流作曲家ヘレーナ・ムンクテルの作品集がリリース!(SACDハイブリッド)
スウェーデンの女流作曲家ヘレーナ・ムンクテルの作品集!
代表作、《10の歌曲》、ヴァイオリン・ソナタなどを録音。
ヘレーナ・ムンクテル Helena Munktell(1852-1919)は、スウェーデンのダーラナ地方、グリュークスブーに生まれました。ストックホルム音楽院(現、王立ストックホルム音楽大学)で、ライプツィヒ音楽院に留学したルードヴィーグ・ノルマンたちに学び、ウィーンのユリウス・エプシュタイン、パリのバンジャマン・ゴダールとヴァンサン・ダンディに師事。1885年にスウェーデンで作曲家としてデビューしました。交響的絵画《砕ける波》や《ダーラナ組曲》などの管弦楽曲、室内楽曲、歌曲、オペラを中心に作品を発表。ダンディが委員長を務めていたパリの国民音楽協会(SNM)と、王立スウェーデン音楽アカデミーの会員に選ばれ、1918年には女性作曲家としてただひとり、スウェーデン作曲家協会の共同創設者に名を連ねました。
BISレーベルが初めて制作するムンクテルの作品集。彼女の代表作とされている《10の歌曲》と2つの室内楽曲が収録されています。
《ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調》は、循環形式と和声の書法などから、セザール・フランクのイ長調のソナタからインスピレーションを得て書かれたとされる4楽章の作品です。1905年の秋にストックホルムでフランクのソナタと同じコンサートで初演された後、第2楽章〈スケルツォ・ブルスコ〉の58小節が作曲者の手で削除され、フランスで出版されました。
このアルバムの最後に追加収録された〈スケルツォ・ブルスコ〉は、初演時の初稿による演奏です。
《小三重奏曲》は、作曲年の記載がなく、ドイツ語の曲名がつけられたことから、パリ留学の前、ストックホルムで作曲されたと考えられている作品です。
《10の歌曲》は、なかば私的な集まりや公のコンサートで歌われて好評を博した歌をパリの著名な出版者、アルフォンス・ルデュックが曲集として1900年に出版した作品です。ムンクテルの友人サークルの詩人、アメデ=ランデリ・エティシュ Amédée-Landély Hettich(1856-1937)が、ダニエル・ファルストレムやエマ・スパッレたちのスウェーデン語の詩をフランス語に訳してテクストにした7曲、エティシュ自身の詩による《ゆりかごから》と《あなたが望むなら》。ムンクテルの作曲したコミックオペラ《フィレンツェにて(I Firenze)》の〈カンティレーナ〉は、アルマン・シルヴェストル Armand Silvestre(1837-1901)によるフランス語訳がテクストに使われています。
BIS は、このアルバムの録音にスウェーデンのベテランと若手の優れた音楽家を起用しました。ヴァイオリニスト、コンサートとオペラの指揮者として活動、ムンクテルの管弦楽作品集(Sterling)を含む約20 枚のディスクを録音しているトビアス・リングボリ Tobias Ringborg。2019年のバーバラ・ハンニガン率いる《放蕩児の遍歴》のツアーでアン・トルーラブ役を歌い、12 月のノーベル賞授賞式コンサートに出演したソプラノのソフィ・アスプルンド Sophie Asplund。ザグレブ音楽アカデミーのヴァルター・デシュパリとスウェーデンのトゥールレイフ・テデーンに学び、室内楽のチェリストとして活動するクリスティーナ・ヴィニアルスキ Kristina Winiarski。アンデシュ・シールストレム、マッツ・ヴィードルンド、イタリアのコンスタンティン・ボジーノに学び、スウェーデン放送 P2 のアーティスト・イン・レジデンスを務めるピアニスト、ペーテル・フリース・ユーハンソン Peter Friis Johansson。彼が音楽財団の監督を務めているイレスタ教会でのセッション録音。「スウェーデン・ロマンティシズム」の香るアルバムです。
(キングインターナショナル)
『ヘレーナ・ムンクテルの音楽』
【曲目】
ヘレーナ・ムンクテル(1852-1919):
1.ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 Op.21(1905)
2.10の歌曲(Dix Mélodies)(声とピアノのための)
[セレナード(Sérénade)/森の奥深く(Dans le lointain des bois)/五月の夜、聞こえてくるもの(Ce qu’entendent les nuits)/ゆりかごから(D’un berceau)/カンティレーナ(Cantilène)/魅惑(Fascination)/最後の子守歌(La dernière berceuse)/愛の流浪者(Exil d’amour)/あなたが望むなら(Si tu levoulais)/誠実な心(Fidélité)]
3.小三重奏曲(Kleines Trio)(ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための)
4.ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 Op.21 - スケルツォ・ブルスコ(Scherzo Brusco)(初稿)
【演奏】
トビアス・リングボリ(ヴァイオリン)
ソフィ・アスプルンド(ソプラノ)
クリスティーナ・ヴィニアルスキ(チェロ)
ペーテル・フリース・ユーハンソン(ピアノ)
[楽器: Violin: Niccolò Gagliano/Cello: Italian, Anon., probably mid-18th Century/Piano: Fazioli F278 concert grand]
【録音】
2019年9月[1,3,4]、2019年11月[2](セッション録音)
イレスタ教会(オールスンツブルー、スウェーデン)
制作・録音:インゴ・ペトリ
カテゴリ : ニューリリース | タグ : 高音質(クラシック) SACDハイブリッド(クラシック)
掲載: 2020年12月08日 00:00