ドロテー・オーバーリンガーの指揮録音第2弾!テレマン:オペラ・セレナータ《羊飼いの音楽》(2枚組)
ドイツを代表するリコーダーの名女流が指揮する、テレマンのオペラ・セレナータの粋。
ドイツを代表する、というより今や同世代の中でリコーダー奏者として抜きんでた存在であるドロテー・オーバーリンガー。ここ数年は指揮活動にも力を注いていますが、2019年のボノンチーニの歌劇「ポリフェーモ」全曲盤に続く、指揮録音第2弾として、テレマンの歌劇(オペラ・セレナータ)「羊飼いの音楽」が登場します。
このテレマンの作品は2000年初頭にキーウの図書館から楽譜が発見されたため、まだ作品番号(TWV)は付されていません。初録音は2005年キリル・カラビツ指揮カペラ・レオポルディナの独カプリッチョ盤で、今回のオーバーリンガー盤は2組目の録音となります。
自由を失いたくない女たち、恋心を抱く男たちを登場人物とし、若者の感情、葛藤と欲望、人間関係、自由、情熱をテーマにしながら、最終的には二組の羊飼いの男女が結ばれ、ハッピーエンドを迎えるという内容です。
全体で2時間ほどですが、おそらくテレマンによる最も初期の完全な音楽ドラマ作品で、序曲、間奏曲、レチタティーヴォ、アリア、二重唱、三重唱、羊飼いの合唱などで構成されており、何らかの祝い事のために作曲されたものと推測されています。
他の作品とは異なり、歌詞は基本的にはドイツ語ですが、一部のアリアや合唱はフランス語で歌われており、ドイツ、イタリア、そしてフランス風の曲調の混交が独特の味わいを醸し出しています。
名リコーダー奏者として高い評価を得ているドロテー・オーバーリンガーですが、2019年からは本格的に指揮活動にも乗り出し、気鋭のピリオド楽器奏者で結成した「アンサンブル1700」と、優れた若手歌手らによる演奏は好評で、ドイツのメジャー新聞『ディ・ヴェルト(世界)』で「オーバーリンガーは、リコーダーだけでなく、柔軟性!輝き!エネルギー!…全てにおいて驚きが止まらない。心地よいメロディを備えた可愛らしく独特なリズミカルな音楽は、彼女が率いる力強く色彩的なアンサンブルによってもたらされた最高の演奏」と評されるほどです。DHMから発売されたオーバーリンガーの数々のアルバムはどれもベストセラーとなっていますが、指揮者としての音楽性の高さも前作の歌劇「ポリフェーモ」で証明済み。テレマンの美しい声楽曲に楽しみな新録音の登場です。
(ソニーミュージック)
【曲目】
テレマン:オペラ・セレナータ《羊飼いの音楽》
【演奏】
リディア・トイシャー(ソプラノ)
マリー・リス(ソプラノ)
アロイス・ミュールバッハー(カウンターテナー)
ヴァージル・ハルティンガー(テノール)
フローリアン・ゲッツ(バリトン)
ヴォーカルコンソート・ベルリン
アンサンブル1700
ドロテー・オーバーリンガー(指揮)
【録音】
2021年6月29日、ポツダム、サンスーシ宮殿劇場(サンスーシ音楽祭でのライヴ・レコーディング)
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2022年04月15日 15:30