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カルロ・マリア・ジュリーニ『ドヴォルザーク: 交響曲第7番-第9番、チェロ協奏曲、他』SACDハイブリッド4枚組 2025年9月19日発売

ジュリーニ

ジュリーニのドヴォルザークの深みと詩的な表現力。
民族色やエネルギーだけではなく、その音楽に潜む精神性や構造美を際立たせた名演。
2025年リマスター音源によるSACDハイブリッド限定盤


輸入盤 SACDハイブリッド4枚組


ジュリーニの指揮は非常に構造的で、各楽章の流れや音楽のアーキテクチャが明瞭に示されます。特に交響曲第9番《新世界より》では、単なる派手なクライマックスではなく、内面の情熱がじっくりと積み上げられています。テンポ設定は比較的遅めで、呼吸を深く取ったような「間」の使い方が印象的です。これにより、旋律が自然に語りかけてくるように感じられます。特に第2楽章(ラルゴ)では、広がりと祈りのような静けさが際立ちます。また柔らかく、しなやかでありながら芯のある音色によってジュリーニはフレーズの端々まで丁寧にコントロールし、すべてのパートが意味を持って響いてきます。そして多くの指揮者がドヴォルザークのボヘミア的なリズムや民謡風旋律を前面に出すのに対し、ジュリーニはそれを抑え、より普遍的・哲学的な表現を志向しています。これにより、ドヴォルザークの音楽がより「シンフォニック」に響きます。これらの演奏は「内面へ向かうドヴォルザーク」と形容されています。「謝肉祭序曲」はまさに逸品で、ドラマティックな即効性ではなく、聴くほどに味わいが深まる「晩年の哲学者の語り」のような演奏といえましょう。
ロストロポーヴィチとのチェロ協奏曲は、情熱と構築性が高次元で融合した名演です。チェロの低音域の響きを極限まで生かし、重厚で堂々とした音色を響かせています。速いパッセージでも極めて明瞭で、音の粒立ちが非常に鮮やか。フレーズの中でテンポを自由に揺らし、語りかけるような演奏によって、独奏とオーケストラの間にドラマが生まれ、ロマンティックでありながら過度に感傷的ではなく、音楽的な説得力に満ちた名演です。

2025年にリリースされた、旧EMIへの録音すべてをオリジナルテープからArt & Son Studioにてリマスタリングされた《ワーナークラシックス・リマスタード・スタジオ録音全集(60CD)》(2173.244121)、に収録されたドヴォルザークの名演を、SACDや空間オーディオのマスタリングとして有名なパリにあるCirce Studio にてSACD用にマスタリングを行い、SACDハイブリッド盤として限定発売致します。CD層もSACDの音ができるだけ発揮されるようマスタリングを行っています。
マルチパック(プラケース)仕様。
(ワーナーミュージック・ジャパン)

【曲目】
《Disc 1》
ドヴォルザーク:交響曲第7番 ニ短調 Op.70
[共演]ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
[録音]28-29.IV.1976, No. 1 Studio, Abbey Road, London (Stereo)
《Disc 2》
ドヴォルザーク:
交響曲第8番ト長調 Op.88
スケルツォ・カプリチオーソ Op.66
[共演]フィルハーモニア管弦楽団
[録音]17-18.I & 18, 19, 25.IV.1962, Kingsway Hall, London (Stereo)
《Disc 3》
ドヴォルザーク:
交響曲第9番 ホ短調 Op.95『新世界より』
序曲『謝肉祭』 Op.92
[共演]フィルハーモニア管弦楽団
[録音]18-19, 24 & 27.I.1961 (Op.95), 19.I.1961 (Op.92),
Kingsway Hall, London (Stereo)
《Disc 4》
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104
サン=サーンス:チェロ協奏曲 第1番 イ短調 Op.33
[共演]ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(チェロ)
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
[録音]29-30.IV. & 1.V.1977, Studio No.1, Abbey Road, London (Stereo)

【演奏】
カルロ・マリア・ジュリーニ(指揮)