注目アイテム詳細

ジュリーニ~展覧会の絵、ロストロポーヴィチ~協奏曲集、ショルティ~マーラー第4&9、メータ~惑星 SACDハイブリッド タワレコ限定 12月26日発売

ジュリーニ

タワーレコード・オリジナル企画盤 UNIVERSAL x TOWER RECORDS
"ユニバーサル音源"復刻 SA-CDハイブリッド盤のシリーズ最新作
“VINTAGE SA-CD COLLECTION" 第42弾
一部世界初SA-CD化 新規マスタリング 演奏、音質ともに秀逸な超名盤4点
DG、DEECA音源 優秀録音盤(ステレオ録音)(盤面印刷:緑色仕様)

国内盤SACDハイブリッド


一部世界初SA-CD化 新規マスタリング
演奏、音質ともに秀逸な超名盤4点
DG、DEECA音源 優秀録音盤(ステレオ録音)(盤面印刷:緑色仕様)

<ジュリーニ没後20年&ジェイ・フリードマン卒団メモリアム企画>(1)
1.ジュリーニ&CSO他/ムソルグスキー:展覧会の絵、プロコフィエフ:古典交響曲 他
2.ロストロポーヴィチ(Vc)、カラヤン&BPO他/ドヴォルザーク:チェロ協奏曲、シューマン:同 他 (2枚組)
3.ショルティ&RCO,LSO他/マーラー:交響曲第4番・第9番、子供の不思議な角笛より (2枚組)
4.メータ&LAP/ホルスト:惑星、J.ウィリアムズ:「スター・ウォーズ」組曲
各税込 3,950円(1,4)、5,677円(2,3) 限定盤
新規で本国のオリジナル・アナログ・マスターテープ(一部を除く)から高品位デジタル化後、本国の専任エンジニアによる最新のマスタリングを行いました
各新規序文解説付。オリジナル・ジャケット・デザイン使用(一部)

2025年12月26日(金)リリース予定
(発売日、仕様は変更になる可能性がございます)
企画・販売:TOWER RECORDS
制作・発売:ユニバーサル ミュージック合同会社

2025年11月発売に続く最新のタワー企画盤『ヴィンテージSA-CDコレクション』の第42弾はDGとDECCAのそれぞれ名演奏・名録音4点を発売いたします。ジュリーニは没後20年としてシカゴ交響楽団との「展覧会の絵」他を、ロストロポーヴィチはDGへのロマン派以降の協奏曲アルバム3点を2枚組に集成しました。ショルティのマーラーは当企画の第4作目で今回が完結編の第4番と9番です。そしてメータとロス・フィルの「惑星」は人気作ですが現在入手困難であることもあり今回最新復刻に加えました。有名な「スター・ウォーズ」組曲付です。DECCAの2点はオーディオ的にも優秀録音盤として良く知られた音源ですので、最新復刻による音質向上もご期待ください。尚、今回も序文解説は新規で作成し、オリジナルのジャケット・デザイン(一部を除く)を採用しました。各アートワークも含め、パッケージとしてもお楽しみください。
アナログ録音時代のユニバーサル音源のなかから、SA-CDで復刻するに相応しい演奏、かつ音質的にも優れた名盤を候補のなかからセレクトし世に問うシリーズとして、最新作をぜひお聴きください。粒立ちの良い高解像度の今回の音源は、従来以上に演奏を更に引き立ててくれます。当時の優秀録音盤でもあり、演奏含めの珠玉の録音です。今回もあらためて最新でハイレゾ化された本国のオリジナルのマスターを使用し従来以上の音質を目指しました。SA-CD化により更に素晴らしい響きを堪能ください。音質に関しては従来通り万全を期しており、本国のオリジナル・アナログ・マスターテープを用いての最新の高品位デジタル化と本国エンジニアによるマスタリングを経て復刻を行っています。名盤に新たな息吹を吹き込むこの再発シリーズはパッケージとして現況での最上の音質復刻を目指しました。
<VINTAGE SA-CD Collectionとは>
高解像度、高音質であるSA-CDの特性を生かした、タワーレコード・オリジナルの企画です。2004年から続く「Vintageシリーズ」と同様、復刻に対するスタンスは従来通りで、極力初出時のオリジナル・ジャケット・デザインを採用し、また、あくまで音質にこだわり、現況での上質の音質を目指しました。それぞれの名盤の魅力をさらに引き出し、加えてこれまでと別の評価や魅力を加えるべく、今後も再創出をしていく所存です。ご期待ください。
<当シリーズの制作に関しまして>
当シリーズでは制作するにあたり、原則的にかつてDGやDECCAに所属していた海外の専任エンジニアが、厳密に保管されている本国のオリジナル・アナログ・マスターテープからダイレクトで高品位のデジタル化を行い、基本的にマスターがマルチ・チャンネルの場合は2chにミキシングした上で、このシリーズ用に綿密な工程で時間をかけて新規でマスタリング作業を行いました。これらの制作過程には細心の注意が払われています。例えば、デジタル化を行うにあたって、オリジナル・アナログ・マスターテープに難があれば都度テープの物理的修復を行っている、といった点も含め、その後高品位のデジタルで取り込まれたマスター音源は、当時の録音エンジニアの意向を十分配慮した上で最適かつ最少のマスタリングを施して商品化されています。尚、DGとDECCA音源では本国のレーベルの方針によりそれぞれ制作過程が若干異なります。デジタル化やマスタリングの工程を含む復刻のプロセスそのものがここ数年進化してきたことにより、たとえ過去にSA-CD化された音源であっても新たな発見を我々にもたらしてくれるでしょう。最近のデジタル技術に関わる機材は常に進歩しており、より高品位で緻密な音源制作が可能になってきました。現在はオリジナルのアナログ・マスターを今だからこそ、より高音質で楽しむことができる環境があります。これまで通常CDの“ヴィンテージ・コレクション+plus"でもアナログ音源に関しましてはその都度、本国のオリジナル・アナログ・マスターテープより192kHz/24bitでデジタル化した音源をCDマスターに使用してきましたが、このSA-CD企画ではさらに素晴らしい音で皆様にお届けすることが可能になりました。SA-CD層では、高精細なマスターサウンドをお楽しみいただけます。CD層も最新のデジタル化とマスタリングを施しておりますので、従来盤の音質とは一線を画しています。
<仕様>
※<DG音源に関して>独Emil Berliner Studiosにて本国のオリジナル・アナログ・マスターテープから192kHz/24bitでデジタル変換したWAVデータをマスタリングしてSA-CD層用にDSD変換、CD層用には44.1kHz/16bitに変換してそれぞれマスターを制作
※<DECCA音源に関して>英Classic Soundにて、本国のオリジナル・アナログ・マスターテープからダイレクトにDSD変換とマスタリングを行い、SA-CD層用のDSDマスターを制作。CD層用にはこのDSDマスターから44.1kHz/16bitにPCM変換を行い、CDマスターを制作
※アナログ・マスターテープはその経年劣化と保存状態に応じて、可能な範囲で入念な修復作業を行った後に変換作業を実施
※オリジナル・ジャケット・デザイン使用(一部)、 ※通常パッケージ仕様、 ※盤印刷面:緑色仕様
*下記商品の仕様、発売日等は予告なく変更する場合がございます。

ジュリーニ

国内盤SACDハイブリッド


ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」、プロコフィエフ:交響曲第1番「古典」、
ヴォーン・ウィリアムズ:テューバ協奏曲 (2025年リマスター) (SA-CDハイブリッド)
カルロ・マリア・ジュリーニ、ダニエル・バレンボイム、シカゴ交響楽団、アーノルド・ジェイコブス
[PROC-2476 (1SA-CDハイブリッド) 3,950円(税込)] POS: 4988031819906

【収録曲】
1. モデスト・ムソルグスキー:組曲《展覧会の絵》(オーケストラ編曲:モーリス・ラヴェル)
2. セルゲイ・プロコフィエフ:交響曲 第1番 ニ長調 作品25 《古典》
3. レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ:バス・テューバと管弦楽のための協奏曲 ヘ短調
【演奏】
アーノルド・ジェイコブス (テューバ) (3)
シカゴ交響楽団
カルロ・マリア・ジュリーニ (指揮) (1,2)、 ダニエル・バレンボイム (指揮) (3)
【録音】
1976年4月 シカゴ、メディナ・テンプル (1,2)、 1977年3月 シカゴ、オーケストラホール(3)
【Original Recordings】
Recording Producers: Günther Breest (1,2),  Wolfgang Stengel (3)、 Balance Engineer: Klaus Scheibe
【原盤】
Deutsche Grammophon
【Remaster】
DSD Remastered by Emil Berliner Studios, 11/2025
独Emil Berliner Studiosにて本国のオリジナル・アナログ・マスターテープから192kHz/24bitでデジタル変換したWAVデータをマスタリングしてSA-CD層用にDSD変換、CD層用には44.1kHz/16bitに変換してそれぞれマスターを制作
【First LP Release】
2530783 (1,2), 2530906 (3)

<ジュリーニ没後20年企画><ジェイ・フリードマン卒団メモリアム>

黄金時代のシカゴ・サウンドが炸裂!
ジュリーニとの「展覧会の絵」「古典交響曲」のオリジナル・アルバムに加え、A.ジェイコブスの「V.ウィリアムズ:チューバ協奏曲」をカップリング!
1976&77年録音の名盤を今回の発売のために本国のアナログ・マスターテープより最新復刻。待望の初SA-CD化!
湯浅篤史氏による恩師J.フリードマン含むシカゴ響黄金時代の新規序文解説を掲載!


 今回の復刻はジュリーニの没後20年企画としまして、シカゴ交響楽団とのDG録音の中から、黄金時代の各金管楽器の首席奏者たちの名演が際立つ「展覧会の絵」を中心にオリジナルの収録曲である「古典交響曲」に加え、ハーセスと並ぶレジェンドの一人であったアーノルド・ジェイコブス(1915-98)ソロのヴォーン・ウィリアムズ:チューバ協奏曲をカップリングした、まさに金管楽器ファンには堪えられない至極の1枚を最新で復刻します。さらに、シカゴ交響楽団に63年在籍(首席としては60年以上)したレジェンドのひとり、トロンボーンのジェイ・フリードマン氏が2025年9月に退団したこともメモリアムとして付記させていただきました。音源もさることながら、今回の解説書にはJ.フリードマン氏と親交のある湯浅篤史氏による貴重な書下ろしを掲載しています。ここには恩師である氏との交流も含め極めて貴重な内容が書かれていますので、ファンならずとも必読です。そして、ヴォーン・ウィリアムズの曲目解説にはチューバ奏者である橋本晋哉氏の新規解説も収録しました。
 「展覧会の絵」のラヴェル編はご存じの通り管楽器、とりわけ金管楽器が活躍する曲でありラヴェルの巧妙なオーケストレーションにより特にメロディラインにはラヴェルらしい天才的な楽器の起用がされていることもありリスナーも楽しめる曲です。楽器の音色も演奏の質に反映されるため優秀なオケでの効果は高く、オケの色が識別しやすい曲とも言えます。録音も多くほぼ全ての世界的なメジャーオケは音源を残していますが、かつての金管黄金期メンバーのシカゴ交響楽団のセッション録音ではこのジュリーニ盤、DECCAのショルティ盤、そしてCHANDOSのN.ヤルヴィ盤や1967年録音のRCAの小澤盤(ライナーも1957年録音盤あり)など豊富にあり、収録年代毎の名演が聴けるのは魅力です。今回のDG盤は余裕のあるテンポや解釈等、ジュリーニらしい演奏であり指揮者の色が上記の中では最も出ていますが、ハーセスを始め各奏者のソロは気負いがなくよく通る音色で奏でられており、上記のなかでは最も音楽的な演奏と言えるかも知れません。
 2025年に"卒団"のジェイ・フリードマン(1939-)は86歳まで首席奏者を務めたことになります。これはトップオケの管楽器奏者としては最長在任記録ではないでしょうか。歴代音楽監督のライナー、マルティノン、ショルティ、バレンボイム、そしてムーティと長きにわたってシカゴ交響楽団を支えた重鎮であり、世界中のトロンボーン奏者のあこがれでもあります。今回判明したことですが、元々ユーフォニウム奏者から出発したこともあり、このジュリーニ盤では持ち替えで7曲目の「ビドロ」を氏が吹いているとのこと。常に「ビドロ」のソロを吹いていたかは不明ですがショルティとの来日時にも同様にソロを吹いている映像が残されていますので、機会は多かったと思われます。今回、<ジェイ・フリードマン卒団メモリアム>と入れたのはこの件も踏まえてですが、他にもこのシーズンにはハーセスを始め4番トランペットにはフィリップ・スミス(後のニューヨーク・フィル首席)、ホルンには首席のクレヴェンジャーに副首席のハウエルとギングリッチ、トロンボーン首席にフリードマン、チューバにジェイコブスとまさに最強の布陣でした。尚、カップリングにはバレンボイム指揮によるジェイコブスの貴重な音源を収録しました。メジャーレーベルでのこの曲の録音は非常に少なく、RCAのプレヴィン指揮ロンドン響とのジョン・フレッチャー盤(1971年録音)に続く録音でした。

※ 限定盤。SA-CDハイブリッド盤。ステレオ録音。世界初SA-CD化
※ 2025年最新マスタリング音源使用(独Emil Berliner Studiosにて本国のオリジナル・アナログ・マスターテープから192kHz/24bitでデジタル変換したWAVデータをマスタリングしSA-CD層用にDSD変換。アナログ・マスターテープはその経年劣化と保存状態に応じて、可能な範囲で入念な修復作業を行った後に変換作業を実施)
※ オリジナル・ジャケット・デザイン使用)(ブックレット内に他のジャケット・デザインもカラーで掲載)
※ ジュエルケース仕様
※ 盤印刷面:緑色仕様
※ 一部オリジナル・アナログ・マスターテープに起因するノイズ等があります。ご了承ください
※ 解説:湯浅 篤史氏「夢と憧れのシカゴ交響楽団、そしてジェイ・フリードマンの卒団」(新規序文解説)、清水 慶彦氏 & 橋本 晋哉氏による曲目解説、解説書合計14ページ

バレンボイム
【参考画像】テューバ協奏曲LP初出時のアートワーク

ロストロポーヴィチ

国内盤SACDハイブリッド


ドヴォルザーク:チェロ協奏曲、チャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲、シューマン:チェロ協奏曲、ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第2番、他 (2025年リマスター) (SA-CDハイブリッド)
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ、ヘルベルト・フォン・カラヤン、ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー、小澤征爾、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団、ボストン交響楽団
[PROC-2477/8 (2SA-CDハイブリッド) 5,677円(税込)] POS: 4988031819906
【収録曲】
DISC1>
1. アントニン・ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 作品104
2. ピョートル・チャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲 作品33
3. ピョートル・チャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲 作品33
<DISC2>
4. ロベルト・シューマン:チェロ協奏曲 イ短調 作品129
5. アレクサンドル・グラズノフ:吟遊詩人の歌 作品71
6. ドミトリ・ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲 第2番 ト長調 作品126
【演奏】
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ (チェロ)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 (1,2)、 レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団 (3,4)、 ボストン交響楽団 (5,6)
ヘルベルト・フォン・カラヤン (指揮) (1,2)、 ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー (指揮) (3,4)、 小澤征爾 (指揮) (5,6)
【録音】
1968年9月 ベルリン、イエス・キリスト教会 (1,2)、 1960年9月 ロンドン、ウェンブリー、ブレント・タウン・ホール (3,4)、
1975年8月 ボストン、シンフォニー・ホール (5,6)
【Original Recordings】
Recording Producers: Otto Gerdes, Hans Weber (1,2), Elsa Schiller (4),Karl-Heinz Schneider (3,4), Thomas Mowrey (5,6)
Balance Engineers: Günter Hermanns (1,2), Harald Baudis (3,4),Hans-Peter Schweigmann (5,6)
【原盤】
Deutsche Grammophon
【Remaster】
DSD Remastered by Emil Berliner Studios, 11/2025
独Emil Berliner Studiosにて本国のオリジナル・アナログ・マスターテープから192kHz/24bitでデジタル変換したWAVデータをマスタリングしてSA-CD層用にDSD変換、CD層用には44.1kHz/16bitに変換してそれぞれマスターを制作
【First LP Release】
139044 (1,2), 138674 (3,4), 2530653 (5,6)

ロストロポーヴィチがDGへ録音したロマン派以降の協奏曲アルバム3種を2枚に集成!
「ロココの主題による変奏曲」は、カラヤンとロジェストヴェンスキーとの2種を収録。各曲の代表的名盤を今回の発売のために本国のアナログ・マスターテープより最新復刻。新規序文解説を掲載。一部世界初SA-CD化!


 ロジェストヴェンスキー指揮レニングラード・フィルと共演したチャイコフスキーの『ロココの主題による変奏曲』とシューマンの『チェロ協奏曲』はレニングラード・フィルのイギリス・ツアーに同行した際、1960年9月12日と13日にロンドンのウェンブリー・タウンホールでセッション録音されたものです。オーケストラをメインで率いたのは巨匠エフゲニー・ムラヴィンスキーで、このとき彼は名盤の誉れ高いチャイコフスキーの三大交響曲をステレオ録音(第4番はロンドン、第5&6番はウィーンで収録)、他の曲目はロジェストヴェンスキー指揮で収録しました(9月14~17日の録音は先にSACDハイブリッド化されました。品番:PROC2377~9)。
 シューマンとチャイコフスキーは、1961年9月に世界発売され、高い評価を得ました。米High Fidelity誌1961年11月号は、シューマンについて「このチェリストの技巧は息を呑むほどだが、決して誇示的な演奏家ではない。この難曲に対する彼の悠然としてきわめて内面的な解釈は、多くの点でフルトヴェングラーを思い起こさせる」、チャイコフスキーについて「技巧的な書法に魅力と自然なユーモアを与え、純粋な喜びをもたらしている。(略)シューマン同様、オーケストラの演奏も稀に見る高みにあり、木管群の精緻な表情が機知と輝きを加えている」と評しました。
 1968年9月にベルリンの壁の向こう側の「楽壇の帝王」ヘルベルト・フォン・カラヤンとベルリン・フィルとの共演録音が実現したのは、この時期、西ドイツとソ連の関係が好転したためでした。ドヴォルザークのチェロ協奏曲のセッション録音は共演指揮者でハイキン、ターリヒ、ボールト、カラヤン、ジュリーニ、小澤征爾と6種あり、他に数多くのライヴ録音が復刻されていますが、解釈は1952年6月18日のヴァーツラフ・ターリヒ盤以後に明らかに変わっています。ターリヒは第1楽章展開部の冒頭で、「224小節目の“モルト・ソステヌート"の部分だけではなく、240小節目でもテンポを落とすように言った。テンポを落としてからゆっくり加速し音を強めていくと、この部分のクライマックスがはるかに効果的になるというのだ。」(「ロストロポーヴィチ伝」エリザベス・ウィルソン著、木村博江訳)。ロストロポーヴィチはこの指摘の正しさを即座に納得し、ターリヒに全曲の教えを請うたといいます。実際、この解釈はわずか2週間前の6月4日のアンチェル指揮でのライヴ録音には見られません。そして、このゆっくりした加速を最も入念に行っているのがこのカラヤン盤です。チャイコフスキーではロジェストヴェンスキー盤とトータルの演奏時間がほとんど変わりませんが、各変奏の緩急の対照と表情付けの違いが興味深いところです。このLPは1969年度のレコード・アカデミー賞(日本)、ドイツ・レコード賞、フランス・ディスク大賞を獲得するなど、世界的に高い評価を受けました。
 「平和の闘士」と呼ばれたロストロポーヴィチは1974年5月、遂にソ連を去り、アメリカへ亡命。同時に英EMIとドイツ・グラモフォンに旺盛な録音活動を開始しましたた。1975年8月録音の小澤征爾指揮、ボストン交響楽団とのショスタコーヴィチのチェロ協奏曲第2番とグラズノフの『吟遊詩人の歌』もそうした1枚で、1960年代後半からの「盟友」小澤征爾との初共演盤でした。1966年9月25日、モスクワでのショスタコーヴィチ生誕60年記念演奏会でロストロポーヴィチが初演したチェロ協奏曲第2番は、第1番同様にロストロポーヴィチに献呈されました。ところが、各地での演奏は盛んに放送録音されたものの、商業録音はこの録音が世界初でした。米High Fidelity誌1977年2月号によると、セッションは作曲家の死(1975年8月9日)の2日後に行われ、タングルウッドで開催された同じ顔ぶれの演奏会は結果としてショスタコーヴィチ追悼演奏会となり、グラズノフの『吟遊詩人の歌』がアンコールで演奏されたとのことです。
 英Gramophone誌1976年11月号は「ロストロポーヴィチは見事に抑制された感情で演奏している……小澤はきわめて共感的で規律ある伴奏を提供し、オーケストラ各部から表情豊かな響きを引き出している」「録音は全体の遠近感、オーケストラ各要素のバランスともに優れており、広々とした温かい音響が最大限に生かされている」と演奏、録音ともに高評価を与えました。このショスタコーヴィチのチェロ協奏曲第2番は、「原典に最も近い演奏」として、録音の優秀性も相まって、永遠にその価値を失うことはないでしょう。

※ 限定盤。SA-CDハイブリッド盤。ステレオ録音。世界初SA-CD化(3,4)
※ 2025年最新マスタリング音源使用(独Emil Berliner Studiosにて本国のオリジナル・アナログ・マスターテープから192kHz/24bitでデジタル変換したWAVデータをマスタリングしSA-CD層用にDSD変換。アナログ・マスターテープはその経年劣化と保存状態に応じて、可能な範囲で入念な修復作業を行った後に変換作業を実施)
※ オリジナル・ジャケット・デザイン使用)(ブックレット内に他のジャケット・デザインも一部カラーで掲載)
※ スリムケース仕様
※ 盤印刷面:緑色仕様
※ 一部オリジナル・アナログ・マスターテープに起因するノイズ等があります。ご了承ください
※ 解説:板倉 重雄(新規序文解説)他、解説書合計10ページ

ロストロポーヴィチ
【参考画像】カップリング曲のLP初出時のアートワーク

ショルティ

国内盤SACDハイブリッド


マーラー:交響曲第4番・第9番、歌曲集「子供の不思議な角笛」より (2025年リマスター) (SA-CDハイブリッド)
サー・ゲオルグ・ショルティ、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、ロンドン交響楽団、シカゴ交響楽団、シルヴィア・スタールマン、イヴォンヌ・ミントン
[PROC-2479/80 (2SA-CDハイブリッド) 5,677円(税込)] POS: 4988031819920

【収録曲】グスタフ・マーラー:交響曲第4番・第9番、歌曲集「子供の不思議な角笛」より
<DISC1>
1. 交響曲 第4番 ト長調
2. 歌曲集《子供の不思議な角笛》より
浮世の生活、無駄な骨折り、トランペットが美しく鳴り響く所、ラインの伝説
<DISC2>
3. 交響曲 第9番 ニ長調
【演奏】
シルヴィア・スタールマン (ソプラノ) (1)、 イヴォンヌ・ミントン (メッゾ・ソプラノ)(2)
スティーヴン・スターリク (ヴァイオリン・ソロ) (1)
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 (1)、 シカゴ交響楽団 (2)、 ロンドン交響楽団 (3)
サー・ゲオルグ・ショルティ (指揮)
【録音】
1961年2月 アムステルダム、コンセルトヘボウ大ホール (1)、
1970年4月 シカゴ、メディナ・テンプル (2)、 1967年4月&5月 ロンドン、キングズウェイ・ホール (3)
【Original Recordings】
Recording Producers: John Culshaw (1), David Harvey (2,3)
Balance Engineers: Kenneth Wilkinson (1), Gordon Parry & James Lock (2,3)
【原盤】
Decca
【Remaster】
DSD Remastered by Classic Sound, 11/2025
英Classic Soundにて、本国のオリジナル・アナログ・マスターテープからダイレクトにDSD変換とマスタリングを行い、SA-CD層用のDSDマスターを制作。CD層用にはこのDSDマスターから44.1kHz/16bitにPCM変換を行い、CDマスターを制作
【First LP Release】
SXL2276 (1), SET360-1 (3), SET471-2 (2)

当企画のショルティによる旧マーラー:交響曲全集復刻完結編。DECCAによる優秀録音盤!
J.カルショーとK.ウィルキンソンのコンビによる「第4番」と、1967年録音のLSOとの第1回目の「第9番」他をカップリング。今回の発売のために本国のオリジナル・アナログ・マスターテープより最新復刻。第4番以外は世界初SA-CD化!


 ショルティは1962年から72年にかけてのアナログ録音時代に3つのオーケストラと一度マーラーの交響曲全集(大地の歌含む)を完成させており、当時バーンスタインやアブラヴァネルと並んで、来るマーラー・ブームの礎を築いた重要な録音として"リング"と並び歴史に残る成果を残しました。その後、デジタル録音時代になってから、あらためてシカゴ交響楽団以外の音源を再度録音し(第5-8番以外の5曲。大地の歌は後にロイヤル・コンセルトヘボウ管と再録音)、ひとつのオーケストラでの交響曲全集を完成させています。このシカゴ交響楽団との全集もまた、演奏レヴェルが非常に高い音源として評価されていますが、アナログ録音の旧第1-4番と第9番もまた、当時のDECCAが誇る優秀録音であることと、引き締まったこの時期のショルティらしいストイックな演奏ということもあり、現在でもファンが多い音源です。また、当時のロンドン交響楽団との録音(第1-3,9番)は歴史的な名手が特に管楽器で多く存在しており、彼らの演奏が、管楽器が多く活躍するマーラーで残されていることも見逃せません。今回の復刻は、当企画で2017年発売のシカゴ交響楽団との第5-7番(PROC2079)と第8番&大地の歌(PROC2105)、そして2025年11月発売の第1-3番(PROC2444)に続く旧マーラー:交響曲全集復刻企画の完結編としてリリースします。尚、今回復刻のジャケット・デザインは本来既発の第1-3番と、第5-7番でも採用しました英国盤各セットのマーラーの色違いの絵を使用するところ、既に8番がリリース済で今回のセットには含まれないことから、第4番のオリジナル・ジャケット・デザインを採用していますが、解説書の裏面にカラーで「4・8・9番」の青色のジャケット・デザインを収録していますので、リバーシブルで随意に表に表示できるような配置にしています。
 第4番はショルティにとって初めてのマーラー録音であり、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団が起用されました。この1961年2月の収録時はDECCAが2枚のアルバムを録音しており、プロデューサーにジョン・カルショー、エンジニアはかのケネス・ウィルキンドンが務めており、初出以来、優秀録音盤としても良く知られた音源です。当時、PHILIPSとの恐らくバーターとして短いセッション期間で収録されたようで、ショルティの2日にわたる録音の後、もう1枚はフィストゥラーリによるチャイコフスキーの「白鳥の湖」抜粋の収録が行われています(当企画のPROC2206として2019年にリリース)。この録音はまた演奏もさることながら録音が素晴らしいことでも著名ですので、この時の2枚の音源はDECCAにとってはレアケースながらも貴重な音源を残してくれました。ショルティはマーラー所縁のオケの能動的な音楽性をベースに絶妙なコントロールで牽引しており、後のシカゴ響の盤に引けを一切取らないどころか、当時の魅力的な音色が明晰に収録されているのは興味深い点です。そして第9番はシリーズ第3作目として1967年にロンドン交響楽団と収録されました。この難曲に対してショルティのアプローチは楽曲に忠実であり、ここでも演奏レヴェルの高いロンドン交響楽団との演奏がアルバムの質を高めていると言えるでしょう。後のシカゴ交響楽団との再録盤と基本姿勢は同一ながらも当時のDECCAによるアナログ録音の重厚な響きは魅力的であり、音質面も含め今回の最新復刻により再評価に繋がることを期待します。

※ 限定盤。SA-CDハイブリッド盤。ステレオ録音。世界初SA-CD化(2,3)
※ 歌詞対訳付(2)
※ 2025年最新マスタリング音源使用(英Classic Soundにて、本国のオリジナル・アナログ・マスターテープからダイレクトにDSD変換とマスタリングを行い、SA-CD層用のDSDマスターを制作。CD層用にはこのDSDマスターから44.1kHz/16bitにPCM変換を行い、CDマスターを制作。アナログ・マスターテープはその経年劣化と保存状態に応じて、可能な範囲で入念な修復作業を行った後に変換作業を実施)
※ オリジナル・ジャケット・デザインを使用(ブックレット内に英盤3曲セット「BB 183/187」と第9番の単売時のジャケット・デザインもカラーで掲載)
※ スリムケース仕様
※ 盤印刷面:緑色仕様
※ 一部オリジナル・アナログ・マスターテープに起因するノイズ等があります。ご了承ください
※ 解説:山崎 浩太郎氏(新規序文解説)、寺西 肇氏(新規曲目解説)、解説書合計20ページ

ショルティ
【参考画像】カップリング曲のLP初出時のアートワーク

メータ

国内盤SACDハイブリッド


ホルスト:組曲「惑星」、J.ウィリアムズ:「スター・ウォーズ」組曲 (2025年リマスター) (SA-CDハイブリッド)
ズービン・メータ、ロサンゼルス・フィルハーモニック
[PROC-2481 (1SA-CDハイブリッド) 3,950円(税込)] POS: 4988031819937

【収録曲】
1. グスターヴ・ホルスト:組曲《惑星》 作品32
2. ジョン・ウィリアムズ:《スター・ウォーズ》組曲
【演奏】
ロサンゼルス・マスター・コラール女声合唱 (合唱指揮:ロジェ・ワーグナー) (1)
酒場のバンド指揮:ジュールズ・チェイキン (2)
ロサンゼルス・フィルハーモニック
ズービン・メータ (指揮)
【録音】
1971年4月 (1)、1977年12月 (2) ロサンゼルス
【Original Recordings】
Recording Producers: John Mordler (1), Ray Minshull (2)
Balance Engineers: James Lock (1,2), Colin Moorfoot (1), Simon Eadon (2)
【原盤】
Decca
【Remaster】
DSD Remastered by Classic Sound, 11/2025
英Classic Soundにて、本国のオリジナル・アナログ・マスターテープからダイレクトにDSD変換とマスタリングを行い、SA-CD層用のDSDマスターを制作。CD層用にはこのDSDマスターから44.1kHz/16bitにPCM変換を行い、CDマスターを制作
【First LP Release】
SXL6529 (1), SXL6885 (2)

ロサンゼルス・フィルの重量級スペクタクル・サウンドが炸裂!
「惑星」を代表するDECCAの超優秀録音盤を今回の発売のために本国のオリジナル・アナログ・マスターテープより最新復刻!
迫り来る圧倒的サウンドの「スター・ウォーズ」組曲をカップリング


 メータが1962年にロサンゼルス・フィルの音楽監督になって以降、このコンビでDeccaと多くの録音が行われましたが、この1971年収録の「惑星」は
1968年の「ツァラトゥストラはかく語りき」と、翌年の「春の祭典」(2曲は当企画PROC2173として2018年に復刻)と並んで、両者を代表する録音として評価が高いです。とりわけ、DECCAによるこの時期の録音は素晴らしく、またメータも大編成の作品を多く取り上げていたこともあって現在でもファンが多く存在してます。そのためこれまでも市販では本家が2016年にSA-CDシングルレイヤーを発売しており、他にも輸入盤では米Analogue ProductionがSA-CDハイブリッド盤を、またユニバーサル香港でもリリースがありましたが、現在は全て入手困難になっています。今回、以前の市販盤と同様のカップリングではありますが、「惑星」の他に、1977年録音の「スター・ウォーズ」組曲を加えました。この曲は元々「未知との遭遇」組曲との組み合わせでオリジナル盤が出ており、前述の両者の代表盤に並ぶ演奏として有名です。作曲時期は異なるとは言え時代を超えた「宇宙」というキーワードの意味では面白いカップリングであるため、市販盤でも採用されていました。今回の復刻では、あらためて最新で本国のオリジナル・アナログ・マスターテープに遡っての復刻を行い、現在における最高峰の音質を目指しています。
 ‘70年代以降のロサンゼルス・フィルは特に金管楽器の名手が多く在籍し,、クオリティ的に高い状態を維持していました。その面では同じアメリカの五大オケにも引けを取らないラインナップであり、メータも積極的にロマン派以降の作曲家の録音を多く行っていましたので現代においても演奏は素晴らしいです。それはマーラーの第3番や第5番、ブルックナーでも当てはまり、DECCAの優秀録音ということも付加され、音楽ファンのみならずオーディオファイルにも注目されました。それまで「惑星」の音源は英国のオケが中心でありカラヤンがウィーン・フィルとDECCAに収録していたとは言え、録音当時はアメリカのオケでも録音が少ない状況でしたので、演奏レヴェルの高いこのメータ盤が歓迎された土壌が十分あったと思われます(バーンスタインも1971年にニューヨーク・フィルと収録。オーマンディはRCAに1975年に録音を行うなど一時「惑星」が人気に。ただし、ショルティはDECCAにロンドン・フィルと録音)。もちろん現在においてもこの時期のロサンゼルス・フィルの音は魅力的であり、それは「スター・ウォーズ」組曲でも同様です。また、当時ロンドン交響楽団(ここも金管の名手が多数)のサントラ盤の対抗馬と言われたこのメータ盤は、現在でも輝きを放っていることは確かです。

※ 限定盤。SA-CDハイブリッド盤。ステレオ録音
※ 2025年最新マスタリング音源使用(英Classic Soundにて、本国のオリジナル・アナログ・マスターテープからダイレクトにDSD変換とマスタリングを行い、SA-CD層用のDSDマスターを制作。CD層用にはこのDSDマスターから44.1kHz/16bitにPCM変換を行い、CDマスターを制作。アナログ・マスターテープはその経年劣化と保存状態に応じて、可能な範囲で入念な修復作業を行った後に変換作業を実施)
※ オリジナル・ジャケット・デザインを使用(ブックレット内に他のジャケット・デザインもカラーで掲載)
※ ジュエルケース仕様
※ 盤印刷面:緑色仕様
※ 一部オリジナル・アナログ・マスターテープに起因するノイズ等があります。ご了承ください
※ 解説:木幡 一誠氏(新規序文解説)他、解説書合計10ページ

メータ
【参考画像】カップリング曲のLP初出時のアートワーク