Korn
掲載: 2002年06月06日 17:00
更新: 2003年03月03日 21:17
肥大するヘヴィー・ロック・シーンのなかで、唯一無比な存在感を放ってきたコーン。待ちに待ったその最新作『Untouchables』は、予想を裏切る新展開で彼らのネクスト・レベルを告げる重要作となった。心して聴くべし!

最初に言い切っておく。コーンの新作『Untouchables』は、あきらかに彼らがネクスト・レベルにまで到達した恐るべき傑作である。と同時に、問題作でもある。おそらくファンの間では賛否両論を呼ぶことになると思う。ここでのコーンは従来のイメージを大幅に更新するような大胆なサウンドを展開している。曲によってはピンク・フロイドのように、ときにはバウハウスのように聴こえる曲もあるのだ。それは聴き手に類のない感動を与えるいっぽう、それまでのヘヴィーでラウドでアグレッシヴなコーンのみに執着するファンからは、反発を呼ぶことになるかもしれない。
「確かにプロデューサーとの打ち合わせで、ピンク・フロイドみたいなのをやりたいって話が出た。もっと実験的なサウンドをね。新鮮でいろんな要素の入ったダイナミックなものにしたかった。コーンという核の部分は変わらずに、もっとヴァラエティーに富んだものをやろうと思ったんだ」(ジェイムズ“マンキー”シェイファー、ギター)。
「昔に戻ることじゃなくて、先に進むことだけを考えてるのさ。でも俺たちがやる曲はすべてコーンなんだ。どんな曲をやってもコーンらしさがある」(デヴィッド・シルヴェリア、ドラムス)。
「(今回の変化で)離れていくファンもいるかもね。でも新しいサウンドを作る時は多少のリスクも背負わなくちゃ。まずは自分たちが満足いく曲を作ることが大切なんだ。それに、俺たちはいつも同じものを作ってるわけじゃない。過去の全アルバムを見たって、そうだろ。いつだってなにかが変わってるんだ」(マンキー)。
いっぽう、プロデューサーを務めたマイケル・ベインホーンはこう語る。
「とにかく最高のレコードを作りたいってことを彼らは言ってた。人生で最高のものを作りたいって。誰もが聴きたがるポピュラー音楽とは完全に対極にあるものをね」。
『Follow The Reader』(98年)が全世界で450万枚、『Issues』(99年)が480万枚というセールスを上げ、いまや押しも押されもせぬロック界のメインストリームに立った彼らは、新作ではあえてそれに背を向け、新しい領域を開拓しようとしたのだ。その背景には、7年半前のデビュー・アルバム『Korn』では完全にオリジナルで、異端で、斬新だった彼らのモダン・ヘヴィー・サウンドが、クズのようなフォロワー群の氾濫で、相対的に埋没してしまったという事情もあるだろう。だが、いずれにしろ、そうした有象無象の物真似連中とはまるで格が違うことを『Untouchables』は示したといえる。それは新しい領域を開拓した曲があるというだけではない。従来の彼ららしいヘヴィー・ロック曲を聴いても、その衝撃力、パワー、ヘヴィーネス、どれをとっても、ほかとは確実に一線を画していることはすぐに了解できるはずだ。
「コーンはとてもユニークだ。ヘヴィーなバンドはほかにもいるけど、コーンはそれだけでなく緊張感があって、感情的にもパワフルだ。音楽的にも違う。ノーマルなギター・サウンドじゃない。透明感があって、それでいて巨大な音の塊みたいでもある。そういうサウンドを達成してると思う」(ベインホーン)。
「それは、新しいアンプとプロデューサー、エンジニア、ギター・テクのコンビネーションのおかげだね」(マンキー)。
最近リリースされたコーンの関連作を紹介。左から、フィールディーのソロ・プロジェクト、フィールディーズ・ドリーム『Rock N Roll Gangster』(Epic)、ジョナサン・デイヴィスが楽曲を提供したサントラ『Queen Of Damned』(Warner Bros.)
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