FACT(3)
そしてこのFACTが、破格の存在であることを裏付けるような驚くべきリミックス・アルバムが『NIVAN RUNDER SOUNDRUGS』だ。参加アーティストはオートクラッツ、BOOM BOOM SATELLITES、アノラーク、スペース・カウボーイ、DEXPISTOLS、Dragon AshのHIROKI、石野卓球、そしてFACTが敬愛するジャンキーXL、スティーヴ・アオキ、80kidzら、時代を牽引し、各界を賑わし続ける個性的な才能ばかりである。
――『NIVAN RUNDER SOUNDRUGS』では、シーンを代表するDJやアーティストばかりが参加されていますが、リミキサーの人選はどのように行われたのでしょうか?
Kazuki ほとんどが、スタッフと僕らでMySpaceを見て決めていったんですよ。冗談ではなくて、ホントに飛び込みでお願いしていきました。
――自身の楽曲がリミックスという形で生まれ変わるのは、どのような経験でしたか?
Tomohiro いやぁ、すごく新鮮でしたね! 「この曲がこうなるんだ!」とか、「え? ここに注目するの?」とか。でも、なんだか嬉しかったですよ、自分らが作った曲だからなおさら。一番楽しんでるのは、僕ら自身かもしれないな。
――アルバムの中でも、特に興味深いと感じたリミックスは?
Kazuki 俺は、ジャンキーXLですね! ずっと好きなアーティストだったし、彼の作品のなかで最も好きな『Today』の作風に仕上がっていて、ホントに感激でした。
Eiji みんなが共通して好きなのは80kidzですね。彼らのスキルは半端ないですよ! それこそ、〈世界基準〉と呼ぶにふさわしいものですから!
結成からいままで、FACTはストーリー・オブ・ザ・イヤーやストラング・アウトらとの対バンや、さまざまな局面で己を鍛え、磨き、高め合いながら成長してきた。今回リリースされるこの2枚のアルバムからは、彼らのハイブリッドでエッジの立った側面と、根底で脈打つ熱いパンク・スピリットを存分に味わうことができる。しかし、そんな彼らの貪欲なまでに前のめりな姿勢は、決して独りよがりのものではない。世界デビューというバンドを取り巻くファクターも、多彩なリミックスといったアプローチも、すべてはリスナーとの距離を縮め、FACTの本質に触れてもらうためのものだ。メンバーが語ったメッセージからは、そんな彼らの信念がビシビシと伝わってきた。
――この2枚のアルバムの楽しみ方を音楽リスナーに提案するとしたら、どのようなメッセージをみんなに送りますか?
Takahiro 「偏見なんて持たずに、一度FACTの音楽に触れてください!」ということだと思います。さっきも言ったように、僕らは特定の音楽ジャンルにカテゴライズされてしまうと、その途端、他の音楽ジャンルが好きな人たちからは排他的なイメージを持たれてしまう面が、どうしてもあるんです。ただ僕らは特定のジャンルで勝負しているのではなく、FACTというバンドのオリジナリティーを、ひたすらに追求していくことを目標にしているんですよ。僕たちの音楽に触れてもらえるように、そこに通ずるいろんな入り口を用意したかったんです。それが海外シーンへの挑戦だったり、リミックス・アルバムだったり……。これは、ホニャララってバンドっぽくてとか、メタルで、スクリーモで……という言葉で区切るのではなく、僕ら自身をどう受け止めてもらえるか? でいいと思うんです。
――結成10周年という節目の年を迎えて、次に目指すべき目標や到達点などがあれば、教えてください。
Tomohiro 世界中を回るツアーですね。もちろん日本でも最高のライヴをやっていくので、気に入ってもらえた人は、ジャンルを気にせず、どんどん足を運んでもらいたいです。そんなに嬉しいことって、他にないですから!
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