インタビュー

最注目の音楽都市、ポートランド・シーンの成り立ちとナイスな現状――(2)

 

AU『Verbs』 Aagoo/Yacca(2008)

ルーク・ワイランドを中心にした不定形ユニット。20名近いコーラス隊を従えて、ロック、ゴスペル、ミニマル、民族音楽など、さまざまな要素を呑み込んだスペース・ポップを展開していく。実験的でカラフルなサウンドは、まるでオモチャの国のサン・ラー。

WHITE RAINBOW『New Clouds』 Kranky(2009)

Kで活動していたユメ・ビツの中心人物、アダム・フォークナーによる新ユニット。ギター・ノイズや電子音を幾重にも重ねて生み出したオブスキュアなサウンドは、〈アダム博士のサイケデリック実験室〉といった感じ。最近、ナイス・ナイスと共演したらしい。

JACKIE-O MOTHERFUCKER『Ballads Of The Revolution』 Fire(2009)

ソニック・ユースも絶賛するアヴァン・ロック・バンド。マルチ・プレイヤーのトム・グリーンウッドを中心にメンバーは流動的で、ルーツ・ミュージックをベースにした即興演奏を披露。この最新作でも、その混沌とした美学が不思議な魅力を放っている。

31KNOTS『Worried Well』 Polyvinyl(2008)

ポスト・ハードコア~マス・ロックの流れを汲んだ、フリーキーなアンサンブルを奏でるトリオ。サイケ、プログレ、エレクトロ……オモロイものは何でも呑み込む雑食性と、変拍子をキメまくる鉄壁のアンサンブルは、マーズ・ヴォルタあたりにも通じる凄腕ぶり。

THE GOSSIP『Music For Men』 Columbia(2009)

プロデューサーにリック・ルービンを迎えたメジャー・デビュー作。体型もキャラもビッグ(大物)な女性ヴォーカリスト、ベス・ディットーの腰の据わったヴォーカルと、タイトなバンド・アンサンブルから生み出されるファンキーなロックンロールはますます絶好調だ。

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掲載: 2010年03月04日 20:00

更新: 2010年03月04日 20:02

ソース: bounce 318号 (2010年2月25日発行)

選・文/村尾泰郎