インタビュー

INTERVIEW(4)――歌にハートがある

 

歌にハートがある

 

——他に印象的だったヴォーカリストたちについて教えてもらえますか?

「アンドレア・ラヴはキング・オブ・グルーヴというユニットでもヴォーカルをやっているシンガーです。タシータはコピーライトで歌っているヴォーカルで、しょっちゅう日本にも来ているので、1曲は東京でレコーディングして、もう1曲はロンドンのスタジオでレコーディングしたのをデータでやり取りするかたちで制作しています。フィザは“Take Me Away”という曲を作を出しているんですが、これが本当にキラー・チューンでいつもかけているんですよ。そして、フィル・アッシャーに紹介してもらって頼み込んだかたちです」

——“Paradise”を通してクラシックな手触りを大事にしつつも、より深いエモーションを感じさせる楽曲を制作することができたと思うんですが、なかでもキーになるのはやはり歌心だと思うんですよね。それがKAWASAKIさんのなかで大きな核になっているのはなぜでしょうか?

「僕はスティーヴィー・ワンダーが大好きなんですけど、彼の歌は一生残ると思うんです。それはやっぱり彼の曲に歌心があるからだと思うんですね。歌にハートがあるんですよ。そういうところが僕がソウルやディスコを好きになった理由でもあるし、音楽の楽しさがある。だから歌心のある楽曲をいまに通じるかたちで提示して共感してもらえたら嬉しいなと思ってるんです。それを僕なりの新しいかたちで作ったのが今作だと思います」

——わかりました。ちなみにこれは最近、インタヴューの最後に訊くようにしてるんですが、ぜひ答えてくれると嬉しいです。質問は、〈あなたは自分が何者で、どんな立場にあって、何を相手に伝えているんだと考えていますか?〉なんですが、いかがでしょうか?

「う〜ん、難しいですね……僕は、クリエイターであり、アーティストであり、新しいクリエイティヴな音楽を発信していきたいんです。具体的には僕がいままで聴いてきたルーツ・ミュージックの魅力を、僕の作品やDJを通して届けていきたい。そして受け取った方に興味をもってもらいたい。そのために例えば今作ではテクノを導入したり、COMA-CHIといっしょに制作をしたように、刺激のあるかたちで届けていくことが大事だと思っています」

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掲載: 2010年09月01日 18:01

インタヴュー・文/佐藤 譲