INTERVIEW(1)――やり尽くすのみ
やり尽くすのみ
――ミニ・アルバム『Hello! "Z"』ですが、まず音が完成した時の手応えはどんな感じでした?
蒼山幸子(ヴォーカル/キーボード)「まず何より、嬉しいという気持ちがありました。ねごとはデモ音源も最初にちょっと作ったくらいで。ライヴハウスでCDを売ったりできてなかったんです。だから、自分たちだけの作品を作れるということ自体がなかったんですよ。こんなにたくさんの人に曲をちゃんとした形で聴いてもらえるのも初めてなんで。ワクワクしてますね」
――レコーディングも初めての体験だった?
蒼山「一度〈閃光ライオット〉のコンピレーションでやったことはあったんですけれど、それだけでした。だから、自分たちの作品を作るというのは初めてだったんです」
――結成が2008年で、高校生の時なんですよね。最初にバンドを組もうという話はどういうところから始まったんですか?
蒼山「私とドラムの小夜子(澤村小夜子、ドラムス/コーラス)が同じ高校で、瑞紀(沙田瑞紀、ギター/コーラス)と佑(藤咲佑、ベース/コーラス)が別の同じ高校だったんです。だから、まず高校に入って軽音部で私と小夜子が出会って。そこにいた友達が瑞紀の知り合いで、それを通して佑とも知り合って。瑞紀たちの高校は軽音部がなかったんで、ウチの高校の軽音部に遊びに来るようになって。それでバンド組もうよっていうことになって始まりました」
――最初はカヴァーを中心にやってたんですよね。どのあたりを演奏してたんですか?
蒼山「最初は邦楽をやってました。それこそ銀杏BOYZとかASIAN KUNG-FU GENERATIONとかナンバーガールとか、スパルタローカルズとか。それを聴きはじめたのも高校に入ってからくらいでした。先輩たちがいろいろ教えてくれたりして。瑞紀は中学生の頃からいろいろ聴いてたんですけど」
――じゃあ、中学生の頃の音楽趣味は?
沙田「私は中学生の頃は、それこそ銀杏BOYZをかなり聴いてましたね。あとB-DASHとかマキシマム ザ ホルモンを聴いて〈ワー!!〉ってなってた(笑)」
藤咲「私は、聴いてたといえばYUKIちゃんとかEvery Little Thingとか。aikoとかMr.Childrenも好きで。そこらへんですね」
澤村「私は夏川りみとクイーンしか聴いてなかった気がします。クイーンはもともと親が好きだったんですけど、夏川りみは小学校からずっと好きでした」
――で、この4人が揃って結成して半年後には〈閃光ライオット〉に出演するわけですけれども。これは誰が提案したんですか?
蒼山「瑞紀が応募用紙みたいなものを持ってきて〈出ない!?〉って言ったんです。それも高校3年生だったので、高校最後の思い出作りに野外でライヴしたいよねってくらいでしたね」
――その時点でオリジナル曲は持ってました?
蒼山「持ってなかったです。ほんと、最初は思い出作りだったんで、自信もなくて」
――じゃあ、実際に〈閃光ライオット〉のステージに立って、受賞した時にはどういうふうに感じてました?
蒼山「ビックリしましたね。一次審査を通った段階で驚いてましたから。まさかイケるとは、って思ってました。ただ、決勝大会まで行ったら、そこはやり尽くすのみなんで。ファイナルステージの時は、集中しようというか、やり尽くそうという気持ちは持っていましたね。他のバンドもすごかったんですけど、比べようというような気持ちもなくて、ステージに立ったらできることをすべてやろうと」
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