INTERVIEW(1)――かなりの数から選んだ15曲
かなりの数から選んだ15曲
――アルバム、すごく力のこもった作品だと思います。まず、今作はどういうところから作っていったんでしょうか?
MATSUMURA「アルバムを作るときって、いままでは12曲入りだったらぴったり12曲を持ち寄って作っていたんですよ。家で作ってくる宅録のデモテープを、構成もほぼそのままアレンジしてたんです。でも今回は初めて、アルバムの制作前に一杯曲を作ってみようということになって。そのなかから方向性を絞ってみようという。4月と6月にプリプロを録って、かなりの曲を作ってみてから選んだ15曲ですね」
――その〈たくさん曲を作ろう〉というアイデアにはどういうきっかけが?
MATSUMURA「メンバーやスタッフの間でいろいろしゃべってるうちに、そういう案がどっからともなく出てきた感じですね。で、〈それはいいかもしれないね〉って」
――結果、56曲のデモを持ち寄ったということですが。
MATSUMURA「実は、そんなに作ったかどうか記憶ないんだけど(笑)。プリプロは30曲録ったんですよ。確か、その前の宅録の状態がそれくらいあったのかな」
――それだけたくさんの曲を作ると、自分たちがいま出すアルバムに何が相応しいかという判断基準が生まれてくるわけですよね。そういう判断基準が必要だったということはあります?
MATSUMURA「それもあったかもしれないですね。これだけ長くやってると、4人のメンバーの趣味趣向も変わってくるし。そのなかで4人が求めるものが交わった部分をチョイスできる幅は広がるんじゃないかと」
――去年のミニ・アルバム『KAWASAKI RELAX』はコンセプトがハッキリしていましたよね。英語詞で一つの音楽性に絞られていたと思うんですけれども。あのミニ・アルバムをいま改めて振り返るとするならば、どういう作品だったと思います?
MATSUMURA「やっぱり、僕らが求めるバンドたちと付き合いやすくなったというか。ライヴに影響が出たんじゃないかな。シーンの前線でやっていて、英語詞で洋楽にこだわってるメロディックなバンドも友達に多くて、僕らもメロディックな部分はあると思ってるんだけど、そういうバンドと交わる機会は意外と少ない時期もあった。そういう意味で、対バンするバンド、いっしょにツアーを回るバンドの広がりはできましたね」
――ルーツとしては、ああいうメロディックで速いパンクというのは大きいんですよね。
MATSUMURA「大好きですね」
――そういう意味で原点回帰という意味合いもありました?
ANZAI「あのときは、ミニ・アルバムを作るのが初めてだったので、いままでやったことがないことをやったという感覚が大きかったんですよね。アルバムは曲数が多いぶん、いろんな曲を集めるんですけど、ミニ・アルバムは振り切ったものを作れる。そういう面は大きかったと思います。ただ、実際自分たちとしても英語でやってみて、原点回帰できたところはあると思いますけど」