So'Fly 『First Kiss』
[ interview ]
軽やかなサウンドを武器に、クラブ界隈からヒット・チャートまでを大胆に駆け抜ける活躍を見せたR&B/ヒップホップ・ユニット、So'Flyがいよいよ再始動。約2年のブランクの間、プロデューサーのGIORGIO“13”CANCEMIは西野カナやAYUSE KOZUEなど数多くのアーティストの楽曲を手掛け、いまや押しも押されもせぬヒットメイカーとしての地位を確立した。ニュー・シングル“First Kiss”は、そうした〈外仕事〉で培ったセンスが注ぎ込まれており、これまで以上にポップで広がりのある作品となっている。新たな一歩を踏み出した2人に話を訊いた。
ベースはヒップホップ
――久々の活動ということで、So'Flyとしてのスタート地点からお訊きしようと思います。当初はヒップホップからの影響を結構ストレートに打ち出してるグループという印象でした。
GIORGIO(プロデュース/MC/作詞/作曲/編曲/ミックス)「僕のベースにあるのはヒップホップだし、昔もいまもそれ以外の音楽は聴いてないんです。ポップ・ミュージックも作りますけど、勉強のために何かを聴くことも一切やりませんし」
――TOKOさんはもともとゴスペルをやられていたということですが、最初にSo'Flyとしてヒップホップ~R&B的な音楽を始めた時はどういう気持ちでしたか?
TOKO(ヴォーカル)「ゴスペルはジャンルというよりも、いろんな音楽をやるということだと解釈していて。だからどんなジャンルの音楽も自然に受け入れられたんです。GIORGIOさんの作る音楽のベースはヒップホップだけど、いろんな要素が入っているので、自分にとってはすごく歌いやすかったですね。最初からいまに至るまで自由にやれてます」
――ヒップホップ的なスタイルだけど、よりポップに歌を聴かせてくれる。そこがSo'Flyの魅力だと思います。
GIORGIO「So'Flyを始めた時は、まずトラックを作って、その上にラップや歌を乗っけるという手法だったんですよ。でも他の歌い手さんに楽曲を提供する機会が増えていくなかで、制作の順番を変えて、メロディーとコードを先に作るようになったんです。そうすることでメロディーは自由にどこにでも動けるようになったし、より大事になりましたね」
――プロデュース・ワークをこなしていくことが大きな契機になったんですね。
GIORGIO「でも、いかにも歌謡曲的な音楽を作ろうとは思わないです。僕のなかでは4小節のループというのがとにかく大事なので。そのなかで楽器を入れたり抜いたりして、パズルのように組み立てて行く。でもメロディーは自由にっていう。そこの兼ね合いをすごく考えて作ってます」
――ループを大事にするというのはつまり、いまもヒップホップ的な手法で音楽を作り続けているということですよね。
GIORGIO「そうです。そういうスタイルで活動してきた僕にオファーしてくださったわけで、そこでほかの作曲家の方と同じことをやってもつまんないと思うんです。ラッパーにインストを聴かせた時にラップを乗っけたくなるようなトラックを作るように心掛けてますね」