インタビュー

INTERVIEW(4)――うわ、俺、死ぬわ~!

 

うわ、俺、死ぬわ~!

 

――では、曲を一人歩きさせたい理由は?

「うーん……なんででしょうねえ~」

――単純に受け手に自由に共有してほしいからとか?

「それもあります。俺の曲の歌詞って、〈気持ちわかる!〉って言われることが多いんですよ」

――へえ!

「メンバーには言われないんですけどね(笑)。みんな歌詞に興味なんてないみたいなんで(笑)。でも、ファンとか他の知り合いとかにはバリ言われますよ。俺の知り合いって、みんな〈シンプソンズ〉みたいなテンションなんで(笑)。まあ、それはともかく、この“アタマカラダ”の歌詞って〈死ぬこと〉についての歌なんですよ」

――まあ、下津くんの定番のテーマだよね。

「はい(笑)。で、これ、本当に〈うわ、俺、死ぬわ~!〉みたいな意識になった時のことを歌った曲なんですよ。酒とかも飲んでなくてシラフの時にこういう感覚に陥って。ホンマに怖くなったんです。車で高速を走っている時、トンネルに入った瞬間とかね、そういう気持ちになるんです。この曲はその時のものではないですけど、まあ、それに近い感覚になった時に〈うわー、死ぬ!〉って(笑)」

――ただ、曲そのものはすごくキャッチーなフックを持っているよね。後半の展開はかなりサイケデリックだけど、メロディーはとてもポップだしあくまで歌モノのバンドという起点からはズレていない。

「歌は絶対になくしたくないですからね」

――なのに、通常の〈歌+伴奏〉という図式とは違う感触を提案している。そこは強く意識しているところなの?

「そうですね。そういう意味では俺らって普通の歌モノのバンドの概念からは少し外れてるかもしれないですね。だから、そこがまさしくJ-Pop的なものがイヤな理由なんですよ。メロディーがここまで立ってて、でも、どっちかっていうと楽器(による演奏)が先にあるバンドも日本にあまりないでしょ?」

――でも、ポスト・ロック的な観点には走らない。あくまで新しい歌モノ・バンドのカタチをめざしている、というような。

「そうです。楽器演奏がちゃんと先にあると、逆に歌もそれに拮抗させて負けないようにしないと!と思うんですよ。そこで歌をなくしたら簡単かもしれないけど意味ないでしょ。あえてその難題に挑みたいんです。課題があればあるほどアガっていくタイプなんで(笑)。そこは常に記録を更新していく意識を持っていたいですね……あっ、俺いま、すっごいエエこと言うてません(笑)?」

 

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掲載: 2011年01月19日 18:01

更新: 2011年01月19日 20:41

インタヴュー・文/岡村詩野