インタビュー

INTERVIEW(4)――ハングリー精神を持っていたい

 

ハングリー精神を持っていたい

 

――出会えて良かったと歌う歌って、ぶっちゃけ世の中にたくさんあると思うんですけど、自分からそれを求めている切実さがないと響かないんですよね。この曲にはその切実さがあると思います。

「出会えて良かった、はい終わり、じゃなくて、出会えてよかった、けど……ということは歌えてると思います。まだハッピーエンドでもなければバッドエンドでもないというか、エンドですらなくてめちゃめちゃ途中なんですよね。いまは必死で、その出会いをどうしようかを考えている自分がいるだけだと思います」

――仲間が増えるのは嬉しいことですよね、単純に。

「ものすごく嬉しくて、ややこしいことだと思います、きっと。人間関係ってそんな感じじゃないですか。1対1だって、相手のことを100%理解できるかといったら、僕はしようと思わないし、家族だって何考えてるかわかんない時があるじゃないですか。そういう人が増えるということは、ややこしいことだと思うんですよ(笑)。それは悪い意味で言いたいわけじゃなくて、〈そうだよね?〉と。でもそんなややこしいのに、みんなでいっしょに何かをやろうとするその素敵さといったらないよな、と思います。もともと人間は違ってあたりまえなのに、似たような目標を持って1個のことに向かおうとして、十人十色の奴らが集まって〈よし、あそこをめざすぞ〉って歩いてる瞬間って、こんなに素敵なことはないなと思うんですよ。それでまた、〈良かったな、俺ら〉と言ってバラバラになって、それぞれがまた違う人たちと関わっていく……というところがおもしろいなぁと思うんですね。そういうなかに自分もいまいるなって、思えるようになってきたんですよ。ずっと一人で歩いているんだって意固地になってたんだけど、いまはこのチームでがんばろうとか、ケンカばかりしてたけど、いまだったら親といろんなことを語れる気がするなとか、そういうことも全部込みで」

――この曲はぜひいろんなタイプの人に届けたいです。

「届いてほしいですね」

――優くんはきっと、歌っている限り、ずっと何かの途中なんでしょうね。

「そうですね。それはなんとなく思ってます。達成したら終わっちゃうと思うんですよ。満足してナルシストになっちゃうというか、いまも自分はナルシストだと思うんですけど、ハングリー精神のあるナルシストと、完成形のナルシストでは全然意味が違うと思うんですよ。ハングリー精神は常に持っていたいですね。もっとうまくなりたい、もっとカッコよくなりたい、もっといい曲書きたい、いろんなところで歌いたいって。現状維持みたいなことになるのがいちばん怖いです。そうじゃなくてもっともっと変化し続けて、求め続けていくことは、まだしばらくはやっていたいというのはありますね」

 

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掲載: 2011年02月23日 18:00

更新: 2011年02月24日 14:42

インタヴュー・文/宮本英夫