チリヌルヲワカ 『白穴』
[ interview ]
2005年、GO!GO!7188のギター/ヴォーカルであるユウをフロントに結成されたチリヌルヲワカが、新ギタリスト・坂本夏樹を迎えて再始動! 実は昨年からライヴやツアーをやっていたのだが、このたび6年ぶりとなる新作『白穴』をリリースした。ユウが詞/曲を手掛けた7曲は、前作以上に〈見知らぬ彼女〉を垣間見せており、新メンバーでのプレイも新鮮だ。折しもGO!GO!7188は、ベースのアッコが3月に第1子を無事出産。新しい命と共に、チリヌルヲワカも動き出している。
運命を感じた
――昨年、5年ぶりに活動を再開したので驚きましたけど、またやろうと思ってたんですか?
ユウ「やりたいっていうのはずっと思ってて、みんなで連絡を取り合ったりして、〈またやりたいですね〉って言ってて。できるタイミングがきたら、いつでもやりたいと思ってて、やっとその機会がやってきたって感じで」
――そのタイミングは、GO!GO!7188のアッコちゃんのおめでた?
ユウ「それが理由というわけではないけど、区切りが良かったというか。ずっとやりたかったんで、やらない手はないな、と」
――その頃には、(坂本)夏樹さんが加入して。
ユウ「活動休止中に、前のギターが〈自分の活動をやりたい〉って抜けて。ギター探そうってことになって、ベースのイワイ(エイキチ、ベース)さんが、〈どっかで対バンしたなかで、いいギタリストがいた〉って。それがナッキー(坂本夏樹)なんですけど、〈連絡先交換したから、連絡取ってみるわ〉って。それできてもらって、いきなりセッションしてみようって話になって、やってみたら違和感がないっていうか。背格好も前のギターと似てるというのもあって(笑)。そういう意味でも運命を感じたっていうか」
――夏樹さんは、それまでどんな活動を?
夏樹「当時はサポートをやってたんですけど、3年ぐらい前にエイキチさんのバンドと対バンしたんですよね」
――チリヌルヲワカに誘われて、どうでした?
夏樹「実は、エイキチさんから電話かかってくる直前ぐらいに、サポートとかの仕事を辞めるつもりだったんです。自分の好きなこと、やっぱりロックがやりたいなと思って、それまで使ってたギターを全部売ってしまって、このレコーディングでも使ったレスポール・カスタムを買って。やっぱり〈ロックはレスポール〉ってイメージあったんで(笑)。そうしてロックをやっていこうと思った時に連絡もらったんで、〈これはやるしかない!〉と」
――チリヌルヲワカというバンドは知ってました?
夏樹「結成当初から知ってましたよ。前のギタリストが同い年で、二十歳でサポートの仕事してるような仲間があまりいなかったので。〈ギター・マガジン〉に記事が載ってて、すごいライバル心を持ちました(笑)。当時はUKロックしか聴いてなかったんで、チリヌルヲワカの音は聴いてなかったんですけど、名前から想像して、和的なものなんだろうなと(笑)」
ユウ「こっちもどんな人がくるのかわからない状態で(笑)。前のアルバムの曲を、とりあえず合わせて。曲を覚えてもらうだけでも大変だったと思うんですけど、全曲覚えてもらって」
夏樹「曲が難しくて(笑)、1日3~4曲覚えるのがやっと。わからないところはユウさんに訊いて。それでも、とにかく楽しくて」
ユウ「難しいって、みんな言いますねー。自分では感覚のままに、自分で気持ち良い感じでやってるから、そんなに思わないんですけど。でも違う人が作ってきたと思ったら、無理矢理な展開とか、変拍子になるのとか、難しいって言うのはわかりますけどね。でも何よりも、ナッキーのやる気がめちゃめちゃ感じられたので。〈やりたいッス!〉みたいなオーラがすごい出てたのが、いちばんの決め手っていうか、それが嬉しかった。急にアツいし若いし(笑)。落ち着いてんなー、ウチらって(笑)。すごい大人になったなって感じた」