INTERVIEW(4)――何もかも解放できる喜び
何もかも解放できる喜び
――2004年にソロをやり、2005年にチリヌルヲワカを始めて、その後にGO!GO!7188との違いを改めて感じたのかな?
ユウ「6年前とかはホントに、いまと比べると何も考えてなかったというか(笑)。メンバーが違うと、やりたい音楽も違うんだなというのもわかったけど。あと、すごい開放的にやれてたから、何も考えずにやれる楽しさみたいのを、このバンドに感じてて。だから逆に、あまり深く考えたくなかった」
――それが変わってきたんですね。
ユウ「いまは、あの頃とは感覚が違うというか。考えすぎちゃうことがマイナスになっちゃうこともあるので、あまり考えすぎたくないんですけど。やっぱり経験を積んできたので、それなりに。あの時よりは、〈何も考えずにはできないな〉って言う厳しさを知ってるというか(笑)」
――自分の言葉で歌う責任みたいなのもあったり?
ユウ「そうですねー。バンドのみんなを巻き込んでしまったという責任もあるので。そういう責任は感じてるんですけど、何よりもこのバンドは、みんなが楽しいってことが第一で、誰もストレスを感じない、開放感のあるのが第一の目標なんで」
――それはサイド・プロジェクトだからという気安さもあって?
ユウ「そうじゃないにしても、チリヌルヲワカをやった時に、自分がそういうなかで発揮できる力を感じたんです。プレイも歌も全然違って。今回のレコーディングは特に感じたんですけど。歌が全然違うって、すごい言われた。それは自分でも思ったんですけど。GO!GO!7188のほうが、どっちかというと、むちゃくちゃ責任感じてたんですよ。3人の代表として歌ってる、みたいな。重く考えすぎるというか。自分のありのままでいいんだっていう開放感と、自分のダメな部分も何もかも、みんなが受け入れてくれてるっていう自信みたいな、自信に満ち溢れてる感じが、全然違うなって」
――歌詞を書くうえで、書きたいこととか歌いたいこととかあったり?
ユウ「あるっちゃあ、ありますね。ふふふ(照れる)。けっこう自分は、基本的には自信がなくて、マイナス思考になっちゃうんですよ。歌詞では、そんな自分にカツを入れるみたいな。〈前向きになろうぜ〉って自分に言ってるようなものが、すごく多いんです。聴く人にメッセージを送ってるというよりは、自分に言ってることが多いなと思う。どうしても恋愛的なものが多くなったりしちゃうんですけど。基本的には、〈自分がんばれ〉と(笑)」
――“答案用紙”とか、切ない歌詞で。
ユウ「今回、女の子っぽい心情が出てるものが多くなっちゃったんですけど(笑)」
――その“答案用紙”は、ユウさんらしい展開がすごい曲で(笑)。突然ラヴェルの〈ボレロ〉がギター・ソロで出てきたり。
ユウ「あれは、ドラムの阿部さんの提案。わかってらっしゃる(笑)」
夏樹「何パターンか試してる時に阿部さんが、そこで〈ボレロ〉弾いてみてよ、って(笑)。で、弾いてみたらおもしろくて」
ユウ「やってみたら〈キター!〉って感じになって。そういうふうに、実験的にいろいろやってみるというのが多いですね」
――新作が完成して、どうですか?
ユウ「待っててくれた人には、ホントお待たせしましたって感じなんですけど、自分たち的には大満足」
――すぐにツアーも始まりますけど、抱負は?
ユウ「ライヴができるというだけでもすごい嬉しいっていうか。自分たちでも記念すべき、再始動してからの初のレコ発ツアーでもあるので、悔いが残らないように。ライヴやってる時は何もかも解放できるというか、何とも言い表せない喜びがあって、ホントにいままで味わったことがないぐらい、ライヴができる喜びを感じていて。とにかく楽しいと思います、絶対に。それはきてくれる人にも伝わると思います」