ROCK'A'TRENCH “光射す方へ”
[ interview ]
昨年12月からスタートした〈3作連続シングル・リリース〉も、第3弾となる新曲“光射す方へ”でひとまず完結。テレビ東京系ドラマ「鈴木先生」のオープニング・テーマとしてお馴染みのこの曲は、ロックとラテン・フレイヴァーをブレンドしたゴキゲンなサウンドに超ポジティヴな言葉だけを詰め込んだ、ROCK’A’TRENCHならではのアッパーなサマー・チューンだ。このあとはいよいよセカンド・アルバムの発表が控えており、そして秋には大規模な全国ツアー〈Steady Rock vol.7〉も決定。さらなる飛躍をめざして意気上がる彼らのいまの思いを、山森大輔(ヴォーカル/ギター)に訊いた。
誰かの背中を押すような曲に
――3部作の締め括りに相応しいゴキゲンな曲、出来ましたね。
「そうですね。並び的にも1曲目がわりとルーツっぽい曲で、2曲目は万人に届ける歌モノみたいな感じだったので。最後はドーンとアゲアゲでゴキゲンな、僕らの得意な感じのリズムで攻めようかなと思ってこういう感じにしました」
――その流れは、最初から決めていた?
「そうですね、なんとなく決めてました」
――ひとつ前の“日々のぬくもりだけで”は、原型はだいぶ前にあった曲でしたけども。今回の“光射す方へ”は?
「これはもう、今年に入って出来た曲ですね。このシングル3部作の3作目に相応しい、すごい熱量を放つ曲にしたいと思って作りました」
――基本、サンバっぽいリズムですよね。
「これはね、何か名前があるんです。ラテン系の、ダンスホール・レゲエともちょっと違う感じで。カリプソかな。違うかな。あとで確認してみます(笑)」
――でもギターはグイングインとハードロック・テイストで攻めてるし、このミクスチャー具合がロッカだなぁと。このアレンジに着地するまでは、けっこういろいろあったんですか。
「原型を作ってスタジオに持っていって、さらに熱量が上がるような感じにしたかったんですよね。途中でカオスになるようなところがあるんですけど、ああいうのはスタジオでバンドで音を合わせてみて〈いいね!〉とか言いながら、けっこうスルッとすんなり出来た感じです」
――その〈カオスになるところ〉の前、突然曲調が変わって歌詞がいきなりしりとりになって。〈りんご、ごりら、らっぱ……〉という、あそこが耳について離れないんですけども(笑)。
「あれはね、いしわたり(淳治)さんのアイデアで。最初はすごい自信なさげに、〈こういうアイデアもあるんだけど……〉ってパソコンを開いて見せてくれて。〈いいですね!〉って言ったら、〈マジで?〉って(笑)。〈マジです。それ採用!〉とか言って。最初、その部分は国名の羅列だったんですよ」
――おや。そうだったんですか。
「元の歌詞をデモで作った時は、もうちょっと荒っぽい感じで〈衝動を解き放て!〉みたいな曲だったんですよ。でも〈鈴木先生〉の話をもらったのと、大震災があったということを踏まえて、誰かの背中を押すような曲にしたいなと思ってガラッと書き換えて。そこで、もともとあった国名の羅列が唐突な感じになっちゃったから、〈ここは変えないとな〉と思ってる時に、いしわたりさんがそういうアイデアを出してくれたので。このヘンな感じがすごくいいなぁと思って」
――急に何を言い出すんだろうと思いましたよ(笑)。ということは、この部分の歌詞だけ〈by いしわたり淳治〉なんですね。
「そうです」