インタビュー

INTERVIEW(4)——震災後のモヤモヤした気分

 

震災後のモヤモヤした気分

 

SEKAI-NO-OWARI_A1

 

――それでは、ラストを飾る“Never Ending World”について。この曲はいつ頃書かれたものなんですか?

彩織「ちょうど震災の翌日です」

――となると、震災に寄せて作った曲なんでしょうか。

彩織「そうですね。もともと原型はあったんですが、なかなかまとまらなくて。で、震災後、〈これからどうしよう……〉って気分になったんですが、そこから〈よし、曲を作ろう〉と思い立ちました。みんなも興奮していたと思うんですけど、それを形にしたいと思ったんですよね」

――歌詞に関して、深瀬さんに何かリクエストはしたんですか?

彩織「震災に寄せて作った曲だというのは伝えましたけど、そうじゃなくても〈こういうものを書いてくれるんじゃないか〉という期待はしていました。震災のことを曲にしている人は多いですが、この歌詞は物凄いSEKAI NO OWARIらしい。被災していない人に向けているような気がします。被災していない人たちの抱えるモヤモヤした気分が表現されていて、仕上がりに満足しています」

深瀬「震災直後に曲を書いたと聞いて、〈彩織ちゃんのくせに、アーティストみたいなことするなあ〉って思いましたよ」

彩織「〈彩織ちゃんのくせに……〉って(苦笑)」

深瀬「言葉にならない思いをメロディーに託すなんて、まさか彩織ちゃんはアーティストなんじゃないかって(笑)。それを受けて、ここで俺が別の内容についての歌詞を書くのは不自然ですからね」

――今作のタイトル『INORI』も、震災を受けて最終的に自分たちがやれることとして出てきた言葉なんでしょうか。

深瀬「俺のなかでそういう気持ちがあったのかはわからないし、このタイトルに関しては直観なんですけど、でも今回3曲で『INORI』にしよう、と」

――ジャケットに顕著ですが、例えば〈SEKAI NO OWARI〉のなかには〈I NO RI〉という言葉も含まれていますよね? そういった深読みもあったりしたんですが……3曲全体を聴いた時のイメージが〈祈り〉だったんでしょうか?

深瀬「いや、何となくです。いまの時代に合った言葉なのかもしれませんが……本当に何となく。今日着る服を選ぶくらい何となく」

 

早く聴いて、覚えて、歌ってほしい

 

――メジャー移籍後初の作品ではありますが、タイトル決定のいきさつを取ってみても、特に気負いはないようですよね。ちなみに、すでにこの3曲はライヴで演奏しているんですか?

彩織「はい。でも、リリース後はCDを聴いてからライヴに来てもらえるわけですしね」

深瀬「そこからが楽しくなってくるよね?」

中島「初めて会場で聴いても、(お客さんは)〈新曲か~〉って思うだけだし」

彩織「だから、早く聴いて、覚えて、歌ってほしい」

深瀬「そうだよ。だって、俺しか歌ってないんだもん。恥ずかしいよ。みんなが歌ってるなかで、俺がいちばん大きい声を出してるっていうのがラクなわけで(笑)。俺ひとりで歌ってたら、まるでヴォーカリストみたいじゃん(笑)」

LOVE「違うのにね(笑)」

――では、〈恥ずかしいので早く覚えてください〉ということで。

深瀬「そういうことですよ(笑)!」

 

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掲載: 2011年08月17日 18:01

インタヴュー/土田真弓 構成・文/山西絵美