INTERVIEW(3)――メロディーがシンプルに
メロディーがシンプルに
――そのへんは、全員に訊きたいところですね。まずは弦楽器のお2人ですが、今作では特にどんなことを意識しました?
橋本「大雑把な印象としては、メロディーラインがシンプルになったな、ということは感じてましたね。ただ僕は、どっちかというとヴァイオリンに合わせていく立場なので、ヴァイオリンを録音してからそれにどう合わせていくか?ということばっかり考えてました」
熱田「僕は、前作よりは細かいことをあまり気にしないで弾きました。前作の時は〈ここにノイズが〉とか細かいところを自分でも気にしてたんですけど、今回は、たまたまちょっと外して弾いても、〈こっちのほうがカッコ良いからそのままでいいや〉とか。そういう部分をけっこう残したりしていて、ある意味ロック・バンドのヴォーカルと近いような考え方になってるのかもしれないですね」
――ギタリストはどうでしょう?
赤股「このバンドが始まった頃は、ピアノが音域を埋めて、ギターは味付け程度みたいな感じだったんですけど、どんどんピアノが減っていって、いい意味で隙間ができてきて。今回はさらに隙間があって、ギターがサウンドの中心になるような曲も増えて、しかも歪んでる音がけっこう多いんですよ。それは単純に楽しくて、気持ち良かったですね。もともとロック好きでギターを始めてるので」
園田「ギターに関しては、今回は本当に僕もうるさかったです。アルバムを作る前から、〈今回のサウンドのコアはギターだ〉と言っていたので。ギターの入れ方は、特に考えましたね」
――ベースは、今回特に意識したことというと?
牧瀬「集中力を高めることを意識してた気がします。レコーディングというのは、今回で言えばソノダバンドの2011年6月から7月ぐらいの時期を切り取るもので、切り取った期間のなかでできるマックスのことはやらないと、絶対悔いが残ると思ったので。アスリート的な気持ちで集中力を高めて、最初のテイクに全力を注ぎ込むようにしてました」
小山田「リズム隊としては、ベースがいちばん、メロディーとバックの演奏を繋ぎ留める役割で。ドラムは少しはみ出しつつ、似たような役割なんですけど、曲がずいぶんシンプルになっているので、その役割がすごく重要になってきたなと思います。アルバムを録り終えたいまになってやっと、メロディーと関わりが深いベースやドラムのあり方が、ちょっと見えてきたという感じがしているので、ライヴにも影響が出てくるんじゃないかなと思ってますね」
――園田さん、さっきは〈日本のロックばっかり聴いていた〉と言いましたけど、今回は本当に、日本のロックの作品ともフラットに並べて聴くことにできる作品になったと思います。
園田「そう言ってもらえると、嬉しいですね」
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