インタビュー

INTERVIEW(2)――まずリズムありき



まずリズムありき



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――このシングルのレコーディングもツアーの合間にやっていたんですよね。


玲央「歌録り以外はツアー中に終わってました」


葉月「歌の録音はツアーが終わった後ですね。僕の喉を回復させなきゃいけないということで、真ん中に大きな休みがあって。そこに制作が入ったということなんです。僕としては助かる感じでしたね。一回、ツアーで喉を潰してしまっているので、それを繰り返さないようにというスケジュールでした」


――シングルの3曲はどれが最初に完成したんでしょう?


葉月「最初に出来たのが“THE TRUTH IS INSIDE”。これは、アルバムが完成したすぐ後に出来た曲ですね。他の2曲はツアー中ですね。割と前半だったと思う」


玲央「6月から7月くらいだったと思いますね」


葉月「ツアー中に作ったんで、仮タイトルは、曲が出来た土地の名前だったんですよ。“MIRRORS”は〈新曲6・宇都宮〉。“DEVI”は〈新曲5・柏シャッフル〉(笑)」


――“THE TRUTH IS INSIDE”は?


「これはアルバムを出してからすぐに家で出来た曲なんで、土地の名前はついてないです。〈BPM230〉という仮タイトルでした」


――前作の『I BELIEVE IN ME』の時に〈この作品でlynch.の第1部終結〉という話をしてましたよね。そこから“THE TRUTH IS INSIDE”を作った時には、次の一手としてどういうものを考えていたんでしょう?


葉月「その意識は“MIRRORS”に出ていますね。“THE TRUTH IS INSIDE”に関しては、メタリックな要素だったり、2ビートだったり、あのアルバムでめざしたものを極めようとした曲で。『I BELIEVE IN ME』の美味しいところを凝縮したような曲だと思います」


――1曲目は、2分ちょっとだしBPMも速いし、かなりアグレッシヴな曲だと思うんですけれども。これはlynch.のキャリアのなかでも最速だったりします?


葉月「捉えようにもよるんですけど、“MIRRORS”のほうがリズム隊は大変なんですよ。BPM230は速いようで遅いというか」


――“MIRRORS”は主張の強い、尖っている曲という印象ですけれども。これはどういうスタート地点から生まれました?


葉月「“MIRRORS”は、とにかく最近あまり聴かないリズムとテンポ感で勝負したいというところですね。メインのリズムから出来た曲です。そのリズムに合うギターを考えた。まずリズムありきでした。速くて激しいんですけど、あまりないパターンという感じですね」


――リズム隊のお二人としては、曲を受け取って、それをどう捉えました?


晁直「リズムがメインになってるんで、そこは変えようがないし。わかりやすいと言えばわかりやすかったです。でも、疲れるだろうなっていう(笑)。“MIRRORS”のほうがテンポは遅いですけど、刻みが速く聴こえるし」


明徳「“MIRROS”のリズムのパターンはこのテンポで普通に8分音符で弾けば余裕なんですけど、それだと怠いし疾走感が出ない。それで16にしたらいい感じだったんですけど、すごくキツくて。ドラムと完全にユニゾンにしないとおかしくなるし。修行のようなレコーディングでしたね(笑)。こんなにキツイんだ!って思った。体育会系的なレコーディングでした」


――3曲目の“DEVI”も、シャッフル・ビートで特徴のある曲ですけれども。


葉月「これはシャッフルありきの曲ですね。lynch.でシャッフルをやったことがなかったんで、やってみようという。マリリン・マンソンだけにはならないようにして(笑)。それくらいしか考えてなかった。いつもは計算とか、シーン全体と自分たちの見られ方を気にして曲を作ってくんですけど、それを何も考えなかった。シンプルに、いままでにないことをやってみようという曲ですね」



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掲載: 2011年11月02日 18:02

更新: 2011年11月02日 18:02

インタヴュー・文/柴 那典