インタビュー

LONG REVIEW――HALFBY 『Leaders Of The New School』



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いや〜びっくりした。

前作『The Island of Curiosity』においてのHALFBYは、トロピカルなインディー・ポップと現行のダンス・ミュージックとをミックスしてみせたが、そのうち後者のみにググッとフォーカスしたのが本作、ということになるのだろう。しかし、そう説明して〈なるほどそうですか〉と簡単に納得できない、謎めいたワクワク感がこのアルバムには詰まっているのだ。えげつないシンセが飛び交い、極悪なベースラインがうなり、武骨なドラムマシンが連打される……ディプロ以降のベース・ミュージックとシンクロしつつ、この迷いのない突き抜けっぷりは一体? ここまでシンプルでラフなビートを、ポップな音の担い手として認知されてきたHALFBYが作り出していることに驚かされるし、そういったキャリアうんぬんを抜きにしても、奔放に暴れまくるダンス・トラックの数々は、あらゆるリスナーの胸にフレッシュに響くはずだ。

また、2011年のダンス・ミュージック状況とリンクする一方で、HALFBYならではの折衷センスもしっかりと息づいているし、そこもまたアルバムの肝だろう。現在局地的な盛り上がりを見せているムーヴメント、ムーンバートンのエディット・スタイルを随所で用いつつ、その素材となっているのは90sなセンスを感じさせるメロウ・ソウルだったり、80sなヒップホップ・クラシックだったりする。以前のインタヴューで氏は「ディプロに最新型のBボーイ・イズムを感じる」と語ってくれたが、時代を問わずHALFBYにとっての〈ヒップホップ的なもの〉を混ぜ合わせたのが本作なのかもしれない。その結果として、他には見い出せない、オリジナルな音楽が成立していると思う。



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掲載: 2011年11月09日 18:00

更新: 2011年11月09日 18:00

文/澤田大輔