INTERVIEW(3)――京都のいなたさ
京都のいなたさ
――東京とか大阪のような大都市じゃなく京都に暮らしているということで、新しい京都の息吹を伝える存在、京都レペゼンという意識はどの程度ありますか?
「う~ん、実はほとんどないんですよ。いまの京都って、自分らでもあまりよくわからなくて。京都ってそもそもすごくいなたいじゃないですか。いい意味でも悪い意味でも。で、そのいなたさって昔とそんなに変わらないと思うんですよね。2000年代前後にくるりとかキセルとかモーモールルギャバンとか新しいバンドやアーティストもたくさん出てきましたけど、例えばモーモールルギャバンとかって、地元の京都より先に他の街で人気になったでしょ? 言ってみれば逆輸入みたいな形で京都のバンドであることが知られたわけで。そういう意味では、〈これが京都〉みたいな感覚ってあまりよくわからないんですよ。ただ、何となく匂いのようなものはあるんです。例えばスライ・ストーンとジミ・ヘンを掛け合わせたダンス・ミュージックみたいな感じって、京都のいなたさを感じさせる音の一つで、そういうタイプのバンドって結構いるんですけど、だからってそれだけかと言えばそうではないし……土地柄みたいなもので音が決まるってこともないと思うんですよ。だから、いまの京都で、自分がココを代表しようって意識は正直ないんですけど、周囲の仲の良いアーティストや好きなバンドたちといっしょになって盛り上げていければいいなと思いますね」
――Turntable Filmsは、いま、京都のレーベルであるSECOND ROYALから作品を出していますが、そういう意味では京都で新しい現場を作っている自覚ってありますか?
「というより、ただ単純にみんなで楽しんで何かいっしょにやっていければいいなって感じですね。別に京都らしさとかっていうのを気にすることなく、いっしょに何かできたら楽しいじゃないですか。で、僕らが楽しんでいる姿を見せていくことで、盛り上がってるな~って見えたらおもしろいですよね。だからね、あと一組くらい出てきてくれたらいいなと思います(笑)。いっしょになって盛り上がってくれるようなバンドがね。HOTEL MEXICOも京都ですけど、彼らも京都っぽさってないでしょ? ああいう感じの自由な感覚のバンドが京都にもっといるといいなあってね」