インタビュー

INTERVIEW(3)——ワクワクするアイテムとしての音楽



ワクワクするアイテムとしての音楽



――そして2曲目の“セブンティーン・ランデブー”はNARASAKIさんの作品ですね。

「NARASAKIさんには初めてお願いしました。〈こういうドレスを着た人が、歩きながら歌うミディアム・テンポの曲〉っていうイメージだけ伝えて、上がってきたこの曲のイントロを聴いた瞬間に〈まさにこういうの! すごく良い〉ってすぐ決まって。NARASAKIさんの曲だったのは、けっこう後から知りました(笑)」

――どのへんがピンときたんですか?

「デモの段階で音の肌触りが最近聴かない感じで新鮮だったんですよね。歌謡曲の好きなところが詰まってる」

――不思議なタッチですよね。ラヴァーズ・ロック風味だけど、ちょっとテクノ・ポップ感もあって。

「私は80年代のアニメのエンディング・テーマみたいだ、雨の感じ!って思って。斉藤由貴さんっぽさを意識しつつミックスを仕上げようと決めてレコーディングしました。いままでやったことのないタイプの曲でしたし、新鮮でした。この曲もすごく聴いてほしいです」

――この2曲のほかに、通常盤には森高千里“私がオバさんになっても”のカヴァーが収録されてます。

「CMソングとしてお話をいただいたのもあるんですけど、個人的にも最近よく聴いて、口ずさんでる曲でもあったんですよ。なんてかわいい歌詞なんだろうと。だからすぐ〈やります!〉って」

――アレンジは小西康陽さんですね。

「お祭りソングっぽくとお願いしました。実際に小西さんも〈結婚式の二次会とかでかけてるよ〉っておっしゃってくれてて。自分の曲で、結婚式で歌える曲ってあまりなかったというのもあって、ハッピーな場面で聴いてもらえるものが作れて良かったです」

――まさに小西さん印のパーティー・チューンに仕上がってますね。小西さんは『LA JAPONAISE』にも参加してますけど、MEGさんにとってどういう存在ですか?

「なんだろう……先生って感じですかね。私はデビューした時から、ミュージシャンを気取ると無理が出るなと思っていて。確かに音楽が好きなんですけど、洋服も興味があるし、〈音楽がないと生きていけない、これが自分のすべてです〉ってタイプじゃない。なくても困らないけど、あったほうがもっと良いよね、ワクワクするよねってアイテムとしての音楽を作りたいんです。そういうお話を小西さんにしたら、すごく理解してくださって」

――小西さんはそういう、生活を彩るアイテムとしての音楽の在り方を率先して肯定してきた方ですよね。デザインとかパッケージングを含めてひとつの作品として捉えたり。

「私もジャケットがすごくかっこいいと思ってピチカート・ファイヴのCDを買ってたし、音楽とヴィジュアルが完璧に合致しているところにすごく憧れてたんです。今回の打ち合わせに伺った時に〈READYMADE〉(小西康陽の主宰レーベル名)ってプリントされたエスプレッソが入ったマグカップが出てきて、〈中学生の時に憧れてたフォントだ~〉ってすごく上がりました(笑)」


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掲載: 2012年06月13日 18:01

更新: 2012年06月13日 18:01

インタヴュー・文/澤田大輔