インタビュー

INTERVIEW(3)——ステーキがガンガン出てくるアルバム



ステーキがガンガン出てくるアルバム



――なるほど。それで今作の話をしたいんですが、『SEVEN』から約1年ぶりの作品になりますよね。

KATSUO「そうですね。まず『SEVEN』を出して以降、よりライヴに来てくれるお客さんが増えていて。あと、全部日本語詞になったことで、いっしょに歌ってくれるお客さんも増えたし、自分のパフォーマンスの幅も広がりました。アニメ(ファースト・シングル“My Story~まだ見ぬ明日へ~”がNHKアニメ〈GIANT KILLING〉の主題歌になった)から入ったお客さんもいたり、家族連れで観に来てくれた人もいたんですよ」

SUZUYO「ライヴ後に声をかけてくれて。4人家族ですごく微笑ましかったんですよ」

MASAYA「あと、『SEVEN』からはきちんとプリプロするようになっていて。その前はいきなりぶっつけ本番でしたからね(笑)」

KATSUO「スタジオで曲を知らないのにレコーディングするという。誰がどんなプレイするのか、わからなかったですからね(笑)」

――ええー、マジですか?

SUZUYO「録りながら考えたりしてましたからね」

――音源ではそんな空気は感じませんでしたが、調理場は実はめちゃくちゃ大変だったと。それにしても、今作はめちゃくちゃいいアルバムができましたね。

MASAYA「ほんとかな~」

全員「はははははは」

――これは最高傑作だと思います。本当に曲が良いですね。

MASAYA「出来たときは達成感もあったし、次にこれを超えるのは大変だなと思いましたからね。よく言われるのは、〈ステーキがガンガン出てくるアルバム〉だなって」

SUZUYO「濃すぎて、寝る前には聴けないねって(笑)」

KATSUO「逆にいままでは流れを気にして、緩急を意識していたけど、今回は押せ押せな曲ばかりだから。でも俺らはそれでいいんじゃないかなと思って。だから、いままでのなかでいちばんうるさいアルバムですね。俺たちの気持ちや勢いを表現するには、このタイミングで良かったんじゃないかな。妙に大人しくなったなあ、と思われないようにして」

MASAYA「今回はメジャーから出すこともあって、逆にもっと攻めてやるぜ!と思いましたからね」

SUZUYO「今回の原曲を持ってきたときに、笑っちゃいましたからね。すごくガッツリ入ってるなと。これを料理したらどうなるんだろうって、すごく楽しみでしたね」



TheCherryCokes_Alive2



――今作はやりたいことを全部やっちゃってる感じですよね。いまのTHE CHERRY COKE$にはタブーがないんだろうなって。

MASAYA「ああ~、それ言われちゃった(笑)。ウチのバンドのいいところって、そこなんですよ。ウチはいろんなことをやればやるほど、いいじゃんいいじゃん!って。タブーがないんですよ」

SUZUYO「お互いを素直に受け止めるので」

MASAYA「やるほうもどんどん白熱して、こういう感じに仕上がるんですよ」

――7人の演奏が混然一体となって、攻め込んでくる迫力が半端ないですね。

KATSUO「いちばんエネルギーが出てるアルバムだと思います」

――最初にアルバムのテーマはあったんですか?

KATSUO「基本やりたい曲をやっていった感じですね」

MASAYA「13曲目の“THE PHANTOM SHIP”が早い段階で出来た曲で、リーダーのHIROMITSU君からこういう感じでいこうかな、って言われて、この曲がアルバムの核になったというか。今回はハードになるなって、指針になりましたね」

――バンドのいまの勢いやライヴ感をそのまま落とし込んだ作品ですね。

KATSUO「THE CHERRYCOKE$のハッピーさや、ファンな部分が好きだった人はどう思うのかなって(笑)。ちょっとうるせえ!と思う人もいるかもしれないけど、いまやりたいのはこういう音楽性なんだ、と思ってもらえたらなと」

――1曲目“LUMBER JACK RIOT”の後半はハードコアを通り越して、グラインドコアみたいなパートもありますよね。

KATSUO「ははははは、そうですね」

――なぜこれほどハードでヘヴィーな作品になったんでしょう。

MASAYA「海外のヴァイキング系メタルだったり、ほかにメロデス、ブラック・メタルでアコースティック楽器を乗せるバンドも増えてきて、そんじょそこらのバンドに負けたくないと思って」

KATSUO「前作の『SEVEN』に“RASCAL TRAIL”という曲があるんですけど、それが今回のアルバムの伏線になっていたというか、さらに激しくやろうと思って。完全に進化系ですね。ツーバスやっても、かっこ良い!と素直に楽しめるし。同じ価値観を共有できるメンバーですからね」

MASAYA「一過性のものや勢いだけで終わるのも嫌だし、ちゃんと中身のあるものをやりたくて。今回はハードさとキャッチーさを心掛けて……」


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掲載: 2012年07月04日 18:00

更新: 2012年07月04日 18:00

インタヴュー・文/荒金良介