インタビュー

INTERVIEW(4)——音楽があってよかった



音楽があってよかった



――そこは初々しいですねえ。2曲目の“マナツニミタユメ”については、何かテーマがありました?

「テーマは孤独とか寂しさですね。〈夢のなかだったら何でもできる〉とか〈夢に逃げる〉みたいな感じで」

――孤独はいつも付きまとってる?

「いつも感じてるし、どこにいても疎外感があります。かといって、人と関わると病んじゃうし。そういう日々が続いてますね、いまも。いろいろやっても、どこか虚しいっていう……高1くらいまでは、まだイイ子だったんですけど。ひとりでいる時間、ホントに長いですからね」

――ひきこもり気味?

「〈ひき・オタ・ニート〉っすね」

――(笑)そう言えばTwitterでも、すぐに〈ニートだから〉みたいなこと言ってますよね。ニートじゃないでしょ、正確には。

「いや、まだニートですね。高校に行ってないヤツはみんな友達、みたいな。そういう人にはけっこう心を開くんですよ。〈高校行ってない。今日もヒマ〉みたいな書き込みがあると、〈俺もヒマ。イエーイ!〉って(笑)」

――そこでいきなり明るくなるんだ(笑)。3曲目には〈MUROのリミックスによる“Monochrome”も収録。これもかなりシリアスですよね。〈単色で塗り固めたField 時計の針の音が響く〉っていう……。

「これも夏に書いたんですよね。昼夜逆転してて、起きてる時間がずっと夜で。その夏は1回も外に出なかったかも。ずっと深夜テンションだったから、なんか楽しかったんですけど」

――〈もう「生きる意味」なんて愚問でしょ〉っていうラインがありますが、いまもそう思う?

「あ、まあ、そうっすね。意味、ないっちゃないですよね。そういうこと考え出すと、真面目にやってる人がバカみたいに思えてきちゃうんですけど……。いま思うと、マジで時間をムダにしてたなって思いますね。人生を振り返ってみると、野球をやって、ちょっと曲を作って――それくらいしか覚えてない(笑)。何もやってなかったんだなって」

――でも、音楽を始めて1年半でメジャー・デビューじゃない? 普通に考えるとものすごいスピードだし、シンデレラボーイみたいな印象もあると思うんだけど。

「いや、そんな感じじゃないですね、僕のなかでは」

――学校でフリースタイルしてたときに〈イタイよ〉って言った人たちを見返してやる! みたいなのは?

「あんまりないです。やっぱり、わかんない人はわかんないと思うんですよ。どんなに凄い人であっても、何も知らない人は揚げ足取ったり、バカにしたりするじゃないですか」

――このシングルがリリースされると、PAGE君の楽曲に触れる人も確実に増えると思うんですが。

「いろんな人に聴いてもらいたいっていうのはありますね。わかんない人にはわかんないかもしれないけど……同じような気持ちの人を救おうとか、背中を押そうみたいなのは、まったくないんですよ。〈俺も同じだぜ〉って思いながら書いてるわけでもないし。でも、聴いてほしいなとは思います」

――この先のヴィジョンについては?

「まあ、行けたらいいなとは思いますけどね。武道館とか」

――お!

「絶対やってやる、っていう感じじゃないですけど。行けたらいいな、くらいで(笑)」

――(笑)もし、音楽がなくなったらどうします?

「え、音楽がなくなったら? うーん、〈2ちゃんねる〉かTwitterしかなくなりますね」

――(笑)良かったですね、音楽があって。

「ですね。ホントに」





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掲載: 2012年07月16日 18:00

更新: 2012年07月16日 18:00

インタヴュー・文/森 朋之