コブクロ 『ALL SINGLES BEST 2』

昨年の夏から、一時休養に入っていたコブクロ。完全復活を遂げた彼らの復帰第1弾となるのは、6年前に発表され、350万枚以上のセ―ルスを記録したベストアルバムの続編となる『ALL SINGLES BEST 2』だ。待望の新曲･新録を含む全21曲。たくさんの思い出と、2人の新しい気持ちが詰まったアルバムに仕上がっている。

この作品でみなさんにちゃんと｢ただいま｣｢帰ってきましたよ｣って言いたいです

―1年ほど休養期間がありましたが、体調などはいかがですか？

小渕健太郎:もう、バッチリですよ!

黒田俊介:生活がガラッと変わりました。前なんて朝6時頃寝てたのに、最近は朝10時頃からレコ―ディングしてますからね。めっちゃ健康的です。

―では、復帰作第1弾となる『ALL SINGLES BEST 2』について聞かせて下さい。

小渕:今回も1曲1曲にいろんな思い出があります。たとえば“風見鶏”は、2006年のツア―のアンコ―ルの1曲目で歌おうと思ってかいた曲なんですね。1枚目の『ALL SINGLES BEST』を出して、それがおかげさまでものすごく評判が良くて、今まで見たこともないような枚数で結果が出ていく中でのツア―だったんのですが、そこで発表する新曲は、絶対に浮き足立ったものにはしたくなかった。へんな言い方だけど、そういう状況に対する反骨精神というかね。有り難いことなんですよ? でも、みんながフワ―ッと舞い上がりそうな状況だからこそ、<そうじゃないでしょ!>っていう僕らなりの思いで、ビタ―ッと地に足つけて行くんだっていう決意をそのまま歌詞にしたんです。

―1枚目の｢ALL SINGLES BEST｣のジャケットは、そういうことを見越していたかのように思えてきますね。お2人の足跡がビシッと並んでて。

小渕:本当ですね!

黒田:そんな感じにも思えますね。

―あの1枚目のベストの反響が、こんな風にその後の創作にも影響を与えていたんですね。では、今回のアルバムでもっとも特色的なことというと？

小渕:前作は、僕らが初めて書いた“桜”で終わるんですね。

黒田:ボ―ナストラックとして“未来への帰り道”もありますけど。

小渕:で、その次にくるこの2枚目のベストが“蕾(つぼみ)”で始まるというのは、すごく大きな意味を持つなあと思ってます。

―というと？

小渕:僕らが初めて作った歌で結ばれたのが1枚目のベストで、“蕾(つぼみ)”という特別な曲――個人的にも思い入れがありますし、レコ―ド大賞を頂いたりして、ものすごくたくさんの人に聴いていただいた。コブクロを知るきっかけになりましたって言ってくれる人もたくさんいる曲――で2枚目のベストの歴史が始まるわけですからね。コブクロとしてもひとつの段階を迎えられたような感じはありましたから、偶然なんだけど、やっぱり大きな意味があるなあって

―黒田さんはいかがですか？

黒田:今回“焚き火の様な歌”をニュ―レコ―ディングしたんですけど、去年震災があって、僕ら自身も活動を休止して、そういうことを踏まえて新しく録ったものなので、今一番グッと来るというか、思い入れのあるものになったんですよね。自分で言うのもアレですけど、ものすごくよいものが録れた。ちゃんと歌うのは半年ぶりだったんですよ。<俺、どうかな？>と思いながらでしたけど、さすがに12年もやってたら半年やそこらじゃ忘れないものだなと思いましたね。逆に、休止明けに録れてよかったなあって思えるようなレコ―ディングになったんです。

小渕:僕は逆でしたね。マイクの距離感からヘッドホンの掛け方から、いちいち思い出していく感じでした。今まで当たり前だったことが全部1回なくなった感じだったので(笑)、1から感覚を思い出していきましたよ。

―なるほど。ちなみに今回アルバムのラストを締めくくるのは、ボ―カルのない“交響曲第5296番”という壮大なナンバ―ですが、聴き馴染みのあるコブクロの楽曲のフレ―ズが次々飛び出してきますね。

小渕:シンフォニ―はもともとやってみたいと思っていたんですが、こういう冒険ってオリジナルのアルバムではちょっと違うだろうというのがあったんです。でも今回はベストだし、ひとつの記念ですからね。いい形で完成させられるんじゃないかなと思ってやってみたら、思った以上でした。アルバムの最後に入れたことで、より感動的になりました。

―新曲や新録、絢香×コブクロなどのコラボ曲など全21曲。ベストアルバム以上の手応えを感じる作品でした。

黒田:ありがとうございます。本当に久しぶりのリリ―スとなってしまいましたが、この作品でみなさんにちゃんと｢ただいま｣｢帰ってきましたよ｣って言いたいです。

小渕:次の作品の準備も、僕らのペ―スでじっくりとやらせて頂いてます。ぜひ、楽しみにしていただけたらと思いますね。

■ALBUM……『ALL SINGLES BEST 2』　now on sale!

[Disc.1]
01．蕾（ルビ:つぼみ）
02．風見鶏
03．蒼く 優しく
04．時の足音
05．赤い糸
06．ベテルギウス
07．虹
08．Summer rain
09．STAY
10．WINDING ROAD （絢香×コブクロ）
11．あなたと （絢香×コブクロ）

[Disc.2 ]01．流星
02．Blue Bird
03．君への主題歌
04．あの太陽が、この世界を照らし続けるように。
05．シルエット
06．蜜蜂
07．焚き火の様な歌
08．ココロの羽
09．太陽のメロディ― （今井美樹×小渕健太郎 with 布袋寅泰＋黒田俊介）
＜bonus track＞
10．交響曲第5296番

[Disc.3]DVD ※初回限定盤のみ
ALL SINGLES MUSIC VIDEO
01．YELL ～エ―ル～
02．轍 -わだち-
03．YOU
04．風
05．願いの詩
06．雪の降らない街
07．宝島
08．blue blue
09．DOOR
10．永遠（ルビ:とわ）にともに
11．Million Films
12．ここにしか咲かない花
13．桜
14．君という名の翼
15．未来への帰り道
16．WINDING ROAD （絢香×コブクロ）
17．蕾（ルビ:つぼみ）
18．蒼く 優しく
19．あなたと （絢香×コブクロ）
20．時の足音
21．赤い糸
22．ベテルギウス
23．虹
24．STAY
25．流星
26．Blue Bird
27．あの太陽が、この世界を照らし続けるように。

■PROFILE…コブクロ

1998年、ストリートライブを通じて意気投合した小渕健太郎と黒田俊介により結成。2001年シングル“YELL ～エール～/Bell”でメジャーデビュー。<最新ベストアルバム『ALL SINGLES BEST 2』で一時休養からの完全復活を遂げた。