INTERVIEW(4)——ダンス・ミュージックにこだわる必要はない
ダンス・ミュージックにこだわる必要はない
――また、“Ready for Calming”はインストになりました。
「2曲目に閑話休題みたいなのを挟もうと。意外とおもしろい曲になりました。ポスト・ロックが好きなんですけど、その影響が如実に出た作りになりましたね。“Take Your Way”がアッパーな曲で、“Each and All”がスロウな曲で、その間を取り持つ曲があったほうがいいのかなと」
――そして、そのゆっくりな曲が“Each and All”。Rin Oikawaさんがヴォーカルを取っています。
「『FINAL FANTASY Ⅵ』の“アリア”っていう曲でRin Oikawaさんが歌っているリミックスがあって、さらにそのリミックスをやったことがあるんですけど、それ以来ですね。もともといっしょにやりたいなって思ってたんですけど、ようやく実現しました。これは『DEVIL SURVIVOR2 the ANIMATION』の挿入歌なんですけど、明日(6月6日)の放送分で、〈ここで歌を挿し込みたいんです〉というオファーがあって。ピアノをメインで作ってほしいっていうオーダーがあったので、じゃあどうせだったら王道のバラードを作ろうと。シューゲイザーっぽい流れは若干あるんですけど、最初のサビでドラムが入らないみたいなのをやってみたくて。そのアイデアが先にあって出来た曲ですね」
――“Take Your Way”と同じく王道ですね。
「“Tell Your World”を作ってからなんですけど、ダンス・ミュージックにこだわる必要はないなと思うようになって。キックもそこまで強くなくていいというか、ポップスとしてのまとまりを考えるようになりました」
――この曲の歌詞については?
「あまり言うとネタバレになるんですけど、その回の放送を観ればわかるようになってます。ゲームをやった人は歌詞だけでもどの部分かわかるようになってますね」
――なるほど! それはおもしろい作りですね。作るときに、〈こうしてほしい〉という制限があると燃えるタイプ?
「縛りがあるほうが楽ですね。何かしら到達点が設定されてるほうがいいです。自由に何でもやってくださいって言われると、何したらいいんだろうって思っちゃう。(オーダーする側の)スタッフの人がちゃんと見えていると、作品のまとまりが出て、より良くなると思ってます。でもそれをなぞるだけじゃおもしろくないんで、自分なりにアプローチを変えたりとかはします」
――Rin Oikawaさんのヴォーカルはいかがですか?
「実は誰でも聴いたことのある声じゃないですか。TVでウェディングとかバレンタインとかの特集があると絶対流れてくるし。ウィスパーなんですけど、彼女にしかないものが色濃くありますよね。一回聴いたらRin Oikawaさんだなってわかる。Q;indiviもよく聴いていて、何回かお会いして、お互い知っていたんですけど、なかなか機会がなくて。それで今回頼んだらOKしてくれました。実はRin Oikawaさんも他のプロジェクトでのゲストは初なんですよね」
――はたから見ている限りでは、及川さんもFukaseさんも身軽な感じでlivetuneに参加しているのがいいなと思いました。
「中島愛さんとかもそうですけど、同世代の〈やったろうぜ感〉がいいんですよね。次のシングルとかでも何かおもしろいことがやれたらいいなと思ってます。どうなるか全然わかってないですけど。レジェンドに頼んでみたいっていうのもありますよね」
――ちなみに、最近プライヴェートで聴いてるのは?
「同じレーベルなんですけど、Wiennersがめちゃくちゃ良くて。すごく好きですね。でんぱ組.incの“でんでんぱっしょん”も衝撃を受けました。いちばん最近CDで買ったのは、上坂すみれさんのシングル(“七つの海よりキミの海”)です。神前暁さんが作ってるんですけど、とんでもなく複雑怪奇な作りでおもしろかったです。あとはDJ用にディグってます」
――東京女子流が先日のツアーで“Liar”をRE:NDZリミックスでパフォーマンスしてましたね。驚きました。
「そう、あれをライヴでやるかと。オケのデータくださいって言われて、正気かと思いました(笑)。めちゃくちゃ嬉しかったですけど、最近ではいちばんビックリしたニュースですね(笑)」