hy4_4yh 『STAR☆TING』
[ interview ]
〈元祖オルタナティヴ・アイドル〉の肩書き通り、プロインタビュアーの吉田豪、氣志團の綾小路翔、RHYMESTERの宇多丸から絶賛され、アッパーすぎるインドネシアのダンス・ミュージック、ファンコットを採り入れた名曲“ティッケー大作戦! 〜YAVAY”で知名度を上げたhy4_4yh(ハイパーヨーヨ、略してハイパヨ)が、満を持してミニ・アルバム『STAR☆TING』をリリースした。そのサウンドは、80年代ポップ meets 90年代デジタル・ロックなテイストを21世紀風味で鳴らしたもの。きゃりーぱみゅぱみゅよろしくKAWAII(カワイイ)カルチャーならぬ、YAVAY(ヤバイ)カルチャーを世界に広めるべく、アイドルにしては高すぎるトーク・スキルを武器に躍進中の彼女たち――メーターをレッドゾーンに振り切った、ハイテンションな作品&愛すべきぶっ飛んだキャラクターに注目すべしっ!
どこにでも行ける
――あれ? 今日は檀蜜似のサダチさんいないんですね。ていうか、DJサダチになったんでしたっけ?
ユカリン&チャンユミ「そうなんですよ!」
ユカリン「サダチさん、3人組のうちの0.5人分を担当していたんですけど、このたび、ついに0になりました(苦笑)。首が故障しちゃったので、もう歌って踊るのは無理だなってなって(遠い目をしながら)」
――えっと、新曲“hi-Tunes-YAVAY PARTY ANTHEM”のMVでも、サダチさんはポジショニングがDJ風でしたね。あ、よく見ると首にコルセット巻いてましたね。
ユカリン「そうなんですよ。一応映ってはいるんですけどね(苦笑)」
チャンユミ「サダチさんには幸せになって欲しいですね(しみじみと)」
――ハハハ(笑)。ハイパヨといえば、メンバーの3人は2003年にスタートした女子ミュージカル集団、東京メッツで出会われたワケですけど、ルーツを遡ると10年前まで振り返れちゃう感じですよね?
ユカリン「あ~、振り返れちゃいますね。辿るとそこに行っちゃいますね」
――2期生の仲間が集まってハイパヨ結成に至ったきっかけは何だったんですか?
ユカリン「そのミュージカル・プロジェクトは2年でポシャリまして……。けっこう最初は華やかだったんですよね。偉い人からいっぱいお花が届いたりで。でも、だんだん人が離れていきまして。そこで止めておけばいいのに女の子を集めてグループが作られまして、hy4_4yhの前身グループが出来たんです。で、それがポシャってhy4_4yhとなりました」
チャンユミ「その前身グループを作ったおじさんが、いまのプロデューサーである江崎マサルさんを連れてきてくれたんです」
ユカリン「そこでオレらが目覚めて直談判して、〈オレらをやって(プロデュースして)くれないっすか?〉ってお願いしたんですね」
――ハイパヨの下積み時代というか、アイドル業界の荒波をサヴァイヴしてきた物語ってすごいですよね。それこそその間にPerfumeやAKB48などのブレイクがあったワケで。そんななか、ずっと継続してライヴ活動をやられてきたことが実ったのだと思いますが、振り返ってみていかがですか?
チャンユミ「オレら、1月7日で777回目のGIG(ライヴ)だったんですよ。気が付くと15歳くらいからやっているので、3日に1回は人前で歌ってる計算になるんですよ」
――そんなロングな活動のなかでのターニングポイントは、サブカルチャーやアイドル方面にお強い、吉田豪さんに発見されたことが大きかったんですよね?
ユカリン「もともとオレらは不勉強であまり知らなくてですね、プロデューサーのPちゃん(江崎マサル/プロデューサーだからPちゃん)が大ファンだったんですよ。あるイヴェントに出たときに吉田豪さんがいらっしゃって、GIGを観てくださって、そのときちょうど吉田豪さんがアイドル・コンピを出すタイミングだったんですね。そこで〈hy4_4yhをコンピに入れさせてもらってもいいですか?〉ってPちゃんにメールがきたらしいんですよ。そこから出会いまして」
チャンユミ「〈数年前に観たときと全然違う、いまはどうかしちゃってるからおもしろい、変わったね!〉って言われました」
ユカリン「オレら、音もですけど服装もしょっちゅう変わるんですね。90年代リヴァイヴァルをやってた時代もあったし、それはPちゃんの感覚だったりするんですけど。けっこう変化し続けてるんですよね」
チャンユミ「誰もやっていないことをやりたいってのは、昔からブレてないですね」
――それこそトークGIGはもちろん、ハイパヨはMCがめちゃくちゃおもしろくて。あの爆笑トーク・スキルは、現場を重ねていくうちに進化していったんですか?
チャンユミ「トークGIGをやっているとトーク力がすごく鍛えられるんですよね。阿佐ヶ谷ロフトさんとかで単独でトークGIGをやらせていただくんですけど、あれの効果がデカいですね。やれることは何でもやってきたんで、全部が無駄じゃなかったんだって思えるって嬉しいですねぇ」
――それこそ、ハイパヨってオリジナルすぎる存在ですけど、最近気になるアーティストとかっていますか?
チャンユミ「おれは、日本エレキテル連合さんかな。お笑いの方なんですけど、TVで観たときに衝撃を受けて、この衝撃は鳥居みゆきさん以来なんですよ。毎日動画を観てますね」
ユカリン「オレは〈いまさらかよ〉って言われるかもしれないんですけどRHYMESTERさんなんです。改めて音楽を聴き直したり、こないだ初めていっしょのイヴェントに出たときに生のパフォーマンスを間近で観て、衝撃受けて。オレらがやるのはこれだ、おれらRHYMESTERをめざそうって。宇多丸チルドレンになりました。こないだ出た『ダーティーサイエンス』ってアルバムに入っている“ゆめのしま”って曲をカラオケで歌ったら、オレ全国で1位になったんすよっ。RHYMESTERさんは憧れです、ああなりたいですね」
チャンユミ「GIGでマイクの持ち方を変えましたから。RHYMESTERの(マイクの持ち方の)角度でって」
ユカリン「カッコイイんすよ、パフォーマンスが。コラボするのが今年の目標です!」
――ロックであり、ダンス・ミュージックであり、ヒップホップでもあり……ハイパヨって、自分たちのなかではどんなジャンルになってるんですか?
ユカリン「自分たちは〈hy4_4yh〉というジャンルだって思ってます。逆に言うとどこにでも行けると思っています」