INTERVIEW(2)――高野政所を狙っていけ!
高野政所を狙っていけ!
――そんなハイパヨが新作ミニ・アルバムとして『STAR☆TING』をリリースされますが、これまでさまざまなスタイルの曲がありつつも、作詞作曲はずっと江崎さんと完全なタッグを組まれていることに驚かされました。
チャンユミ「俺らはPちゃんの曲しか歌わないんですよ。他の方の曲は歌えないんです、たぶん……」
ユカリン「桑田佳祐さん提供曲でも歌いませんよ、たぶん……」
――楽曲はどんな感じで生まれていくのですか? 歌詞の世界観とかも相当ヤバイですよね。
チャンユミ「Pちゃんは本当にヤバイんですよ、だから売れちゃうって思います」
ユカリン「Pちゃんは死んでから評価されるんじゃないかな? 天才なのでゴッホ的なところがあるかもですね。Pちゃんがすげぇのは器用さで。ジャンルに囚われないところがすげぇなって。だからオレらって、バイキング的にいろいろなスタイルの曲があるのがポイントかなって」
――ハイパヨがキャッチフレーズとする〈YAVAY(ヤバイ)〉ってすごくイイですよね。日本人って、〈ヤバイ〉って言葉めちゃくちゃつかいますもんね。
江崎マサル(Pちゃん)「きゃりーさんが〈KAWAII〉というのを発信していますが、それとは別の日本独自の言葉で、ヤングたちが普通に言っている言葉って〈YAVAY〉だったんですよねー」
――アルファベットにすると、デザインが対照になるのもすごくよくできていますよね。しかも新作ミニ・アルバムって〈YAVAY×EMO×EDM=YAVAY DANCE MUSIC(YDM)〉な作品に仕上がってるじゃないですか? 完成されてみていかがでしたか?
ユカリン「実はタイトルの『STAR☆TING』という名前、〈ここから新しく始まる〉という感じだと思うんですけど、実は始まりの始まりでして、本当の始まりは次回作からになります、はい」
――おー、始まりの始まりなのですね。本作は、ここ数年のハイパヨの集大成感もあったんですよね。ていうか、ロックなアルバムですよねぇ。
チャンユミ「EDMならぬ〈YDM=YAVAY DANCE MUSIC〉を集めた、って言ってるんですけど、ロックに聴こえたと言ってもらえて嬉しいです。おれらロック畑なんですよ。だからどんなにダンス・ミュージックをやっててもロックに聴こえるっつうか。いやー、すごく嬉しいです(巻き舌で)」
――それこそ2013年のハイパヨは、インドネシアの高速ダンス・ミュージック、ファンコットを採り入れて注目を浴びたと思うんですが、ファンコット化は高野政所(DJ JET BARON)さんとの出会いが大きかったのですか?
ユカリン「自分たちがラジオ番組『タマフル』の曲を作ったときに、それを政所さんが聴いてくれていて。それでイヴェントで偶然お会いしたときにその曲をファンコット・ヴァージョンにアレンジしたいって言ってくださって、Pちゃんもファンコットを知っていたのでぜひやろうと。そこから政所さんが、自分がDJでかけたいという理由でファンコット・ヴァージョンを作ってくれたんですけど、Pちゃんがそれを聴いて〈これはヤバイから、実際ライヴでもやらせてください!〉ってなり、オレらも盛り上がったのがきっかけですね。俺らのヤバさとファンコットのヤバさがガッチリとハマって良かったなと思います」
チャンユミ「そのイヴェントの日、Pちゃんに〈チャンスだ、高野政所を狙っていけ!〉って言われたのを覚えています。たぶん前々からファンコットを狙っていたんじゃないでしょうか(笑)」
チャンユミ
――例えば小室哲哉さんって、歌謡曲の歌えるメロディーに、ユーロビートやジャングル、トランスなど新しいアレンジを融合させることでムーヴメントを起こしてきた人だと思うんですが、良いメロディーと印象的な歌詞、新しいサウンドという方程式に、ハイパヨはファンコットを採り入れたのには驚きでしたねぇ。
ユカリン「ファンコットって危険じゃないですか? とにかくみんなブチ上げるし踊らせちゃう、アガるためだけに生み出された音楽なんで。オレらどんどんロックしちゃうんで」
――それこそ、インドネシアでGIGやってみたいとかあったりします?
チャンユミ「行けるもんなら行きてーっすね。ファンコットが人気なクラブはそうとう危険らしいですけどねぇ」
ユカリン「快楽一点主義っていうのがファンコットだから、ちょっといろいろ(経験を)積んでいかないとですねぇ」
――海外展開に興味はある?
チャンユミ「発信したいですからね、〈YAVAY〉を世界に!」
――“ティッケー大作戦! ~YAVAY”での、歌舞伎町ロボットレストランの映像もヤバかったですよね。あれこそ海外目線からのリアルな日本のイメージで。
チャンユミ「すべてがマッチしました、オレらとファンコットと場所が!」
ユカリン「あれ、最終地点行っちゃってんじゃないかなっていう。なかなかあれを超えるの難しいですね。ファンコットの世界観だったり、自分たちの世界観が完結しちゃってる感じがしますね、あの映像は」
――客観的な視点が鋭いなー。ていうか“hi-Tunes-YAVAY PARTY ANTHEM”の映像では神輿に乗っていましたね(笑)。
チャンユミ「あれは撮ってくださったスミス監督のアイデアです! ほんとオレら、人に恵まれているんです」
ユカリン「人に恵まれていますね。変な人も多いですけど、良い方ともすごく出会えてます! オレら、点と点を線に結び付けるのが上手なんですよ」
- 前の記事: hy4_4yh 『STAR☆TING』
- 次の記事: INTERVIEW(3)――先取りしすぎた結果……