LONG REVIEW――hy4_4yh 『STAR☆TING』
逞しい振り切れぶり
hy4_4yhのミニ・アルバム『STAR☆TING』が完成! とはいえ直近のシングル曲はほぼ未収録のため別途押さえてほしいのだが、それはさておき。前のアルバム『ハイパーヨー盤4』ではダンス・ロックやパンク、デジタル・ハードコアなど、さまざまな意匠に挑んでいたが、ビートルズ・オマージュなジャケ(脈絡はよくわからないが)の本作『STAR☆TING』では、ファンコット通過後のビート作法に振り切れている。〈ドッタドッドタ〉とバタつきながら突進するリズムと、ギラギラした音色のシンセ、重心の低いベースが怒涛の如く押し寄せて、そこに3人が逞しい歌唱で乗っかるのが特徴だ。
冒頭の“hi-Tunes ~ YAVAY PARTY ANTHEM”は、そんな現行ハイパヨ・サウンドとヘヴィーなギター(弾いているのは元BEAT CRUSADERSのカトウタロウ)との相性も抜群で、実に攻撃的な幕開け! グループの過去・現在・未来を見渡した“star☆ting ~スターと誕生”は、絶好調のいまだから歌える曲だろう。レイヴィーなシンセを搭載してさらに加速したセルフ・リメイクの“ハイパーヨーヨのスピード狂時代2014”でぶっ飛ばされる一方、クリスマスと年明けがテーマのテクノ・ポップ“24-31-01”の可愛らしさが染みる。かと思えばライヴの定番“ティッケー大作戦!~YAVAY”や、TVゲーム〈スパルタンX〉のテーマを大胆に借用してさらにアゲてきた“YAVAY! (輸出ver.) ”、そしてとどめに冒頭の〈hi-Tunes〉のファンコット版で、ファンコット・アイドルとしての真髄も見せてくれる。
アイドル・ポップ百花繚乱のいま、その在り方も多様化しているが、hy4_4yhはアイドル観の拡張を促す急先鋒の一角。それを強靭なビートとハイテンションで成し遂げているということが、今作からは伝わってくる。