注目アクトによる夜の饗宴! タワー×UNIT〈雑食〉イヴェント第2弾レポート
UHNELLYS (photo by KA2@A.D.P...)
タワーレコードと東京・代官山UNITがタッグを組んで、5月11日に開催したオールナイトのライヴ・イヴェント〈TOWER RECORDS×UNIT presents omnivorousII〉。ここでは〈雑食〉というテーマのもと、ライヴ・シーンおよびタワー店頭で注目を集めるオススメのアーティストをラインナップしたこの夜の模様をレポートします!
nkt (photo by KA2@A.D.P...)
夜も深まって音楽好きのパーティー・ピープルたちが集い始める23:00、前回の〈omnivorous〉でもスピンしたnktのDJからイヴェントはスタート。エレクトロニカやダブ、ノンビートのアンビエント・トラックから、ハイライフ風のアフリカンなジャジー・チューン、スペイシーなブギー・ディスコまでを自在に繋ぐ壮大なプレイに、フロアの人々もゆったりと全身を揺らしながらディープな世界へと没入していきます。
number0 (photo by KA2@A.D.P...)
この日の最初のライヴ・アクトは、海外のポスト・ロック勢ともリンクする音楽性で評価を得ている4人組、number0。今年4月に発売されたばかりの最新アルバム『PARALLEL / SERIAL』より“LADYBIRD”で幕を開け、続く“PILUM”からはサポート・ギタリストを迎えた5人編成で緩急の効いた緻密なアレンジの楽曲を次々と再現していきます。前述のアルバムを発売してから初めてのフルセットでのライヴということもあって、メンバーの気合いは充分。ドラムンベースばりに複雑な32ビートの生ドラムが伸びやかな歌声と絡み合う“AO”など、迫力満点のパフォーマンスで会場に凛とした空気を呼び込んでいました。
Ametsub (photo by KA2@A.D.P...)
続いては、ドイツのミル・プラトーから作品をライセンス・リリースするなど、世界的にも注目を集めている電子音楽家、Ametsubの出番。さまざまな音の断片と変則的なビートが渦のように集約していくかと思いきや、いつの間にか全く別の形へとトランスフォームしていく密度の高いトラック群で、フロアを独自の世界へと塗り替えていきます。終盤にはアップ・リフティングな4つ打ちへと移行してジワジワとアゲていき、アヴァンギャルドかつトライバルなサウンドでオーディエンスを完全にロックしていました!
no.9 orchestra (photo by KA2@A.D.P...)
そしてステージには、no.9ことJoe Takayukiを筆頭に、ギター、ベース、ドラムス、ピアノ、ヴァイオリンの総勢6名から成るno.9 orchestraが登壇。挨拶代わりのオープニング曲“Hello”では、no.9がタクトを振る指揮者のように奏者と向き合って指示を出し、そのアクションに合わせて演奏もダイナミックな盛り上がりを見せます。ステージ後方に用意されたスクリーンには、冬の星空や枯れ木から新芽が芽吹いていく映像などが投影され、そのドラマティックなサウンドと相まって感動的な世界を演出。その後も未発表曲“inside outside”“flat point”などを含む6曲を演奏し、最後にはアンコールの声に応えて〈カノン〉のフレーズを織り込んだ“i hope”を特別に披露。会場は祝祭ムードに包まれました!
mergrim × kazuya matsumoto (photo by KA2@A.D.P...)
その興奮も覚めやらぬなか、DJブースに姿を現したのは〈SonarSound Tokyo 2012〉への参加でも話題となった音楽家/サウンド・デザイナーのmergrim。今回は打楽器奏者のkazuya matsumotoを相棒に迎え、ハードな打ち込みとパワフルなドラムの生演奏をミックスした超アゲアゲなサウンドを展開していきます。ライトが激しく明滅するなか、トランシーな4つ打ちやドリルン・ベースも真っ青なサイバー・トラック、複雑かつ奔放なリズムのエレクトロニカ、レイヴィーなアッパー・チューンなど、刺激的なダンス・ナンバーの数々でフロアを燃え上がらせていました!
UHNELLYS (photo by KA2@A.D.P...)
続いて、kim(ヴォーカル/ギター/トランペット)とmidi(ドラムス/コーラス)による男女デュオのUHNELLYSが登場すると、彼らを目当てにしていたファンはステージ正面の好位置をばっちりキープ。kimがギターの生演奏をその場でサンプリングしてループさせ、そこに彼のエネルギッシュなラップとmidiの力強いドラムが合わさる独自のパフォーマンスに、彼らのライヴを初めて観たであろうオーディエンスも一気に引き込まれていきます。女性からの黄色い歓声に「その声はきっとカワイイね」(kim)と冗談混じりに返したりと、大人の渋みとロックの熱さを併せ持った2人のステージにみんな酔いしれていました。
DJ Funnel (photo by KA2@A.D.P...)
何度となく大きな盛り上がりをみせたこの日のイヴェントも、ついにDJ Funnelのプレイで最後に。序盤はデトロイティッシュなテクノやミラーボールの似合うハウス/ガラージ系のナンバーでダンサブルに攻めて、煌びやかな音のシャワーでフロアに多幸感をもたらし、朝が近づくとレゲエやソウルの定番曲を織り込んだハートウォーミングな選曲へとスイッチ。ラストは、元ジュラシック・5のDJヌマークによるジョン・レノン“Imagine”のインスト・カヴァーでほっこりと締め括り。夜が明けるまでフロアに残った生粋のパーティー好きが満面に笑みを浮かべるなか、イヴェントは大団円を迎えました!
★2012年1月27日に行なわれた〈TOWER RECORDS×UNIT presents omnivorous〉のライヴ・レポートはこちら
★TOWER RECORDS LIVE INFORMATIONはこちら
〈TOWER RECORDS×UNIT presents omnivorousII〉@ 代官山UNIT 2012.5.11 セットリスト
【number0】
1. LADYBIRD
2. PILUM
3. etoile
4. STORM
5. AO
6. well home
7. quine
8. IRENE
【no.9 orchestra】
1. Hello
2. inside outside
3. left the wind
4. flat point
5. Re; Bug Beats
6. with millions of love
7. i hope
【mergrim × Kazuya Mutsumoto】
1. intro
2. Beautiful Corruption
3. Soft'n Poetry
4. RSTY GRD
5. QuE
6. ten
7. AONIBI
8. NOIR NOIR
【UHNELLYS】
1. YOU KILL TIME
2. BO-FU-U
3. BODAIJU
4. working
5. キリマンジャロ
6. WHYWHO
7. Switch
8. Central
9. Don't Stop