稲垣吾郎&新垣結衣出演映画『正欲』、来年2023年公開決定
朝井リョウによる小説「正欲」が、監督に岸善幸、出演に稲垣吾郎、新垣結衣を迎えて来年2023年に映画化することが決定した。
原作小説は、2009年「桐島、部活やめるってよ」で第22回小説すばる新人賞を受賞、2013年「何者」では直木賞を受賞した朝井リョウが、作家生活10周年で書き上げた渾身の1作。昨年2021年3月に発売されるやいなやその内容が波紋を呼び、第34回柴田錬三郎賞を受賞した。
家庭環境、性的指向、容姿――。様々に異なった「選べない」背景を持つ人たちを同じ地平で描写しながら、人が生きていくための推進力になるのは何なのかというテーマを炙り出していく衝撃的なストーリーを、ある種のラヴ・ストーリーとして映画化するのは、『あゝ、荒野』(2017年)、『前科者』(2022年)などを経てその手腕にさらに期待が高まる演出家 岸善幸と、原作を大胆に再構築しながら監督の演出の可能性を拡げていく脚本家 港岳彦。このふたりのタッグにより、生きていくための原動力が、「当たり前」とは違う形である人たちの人生を大胆な演出表現をもって映像として浮かび上がらせ、2023年、日本映画最大の意欲作の誕生を予感させる。
横浜検察庁に務める検察官であり、自分の力でマイホームを持ち、妻と子を養う寺井啓喜(てらいひろき)役に、『半世界』(2019年)、『ばるぼら』(2020年)、公開を控える『窓辺にて』(2022年)など精力的に映画出演を務め、その演技、役柄の幅広さを不動のものとした稲垣吾郎が挑む。そして、広島のショッピング・モールで契約社員として働く桐生夏月(きりゅうなつき)役に大ヒット・ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」や映画『劇場版コード・ブルー –ドクターヘリ緊急救命-』(2018年)、『ゴーストブック おばけずかん』(2022年)に出演、今や国民的人気を誇る新垣結衣。特殊性癖を持つことを隠して生きる夏月という難役に挑む。
小学校不登校の息子が世間から断絶されてしまう可能性を恐れる寺井と、自ら世間との断絶を望む夏月が、いつ、どこで、どのように交わっていくのか。生きることと死ぬことが目の前に並んでいるとき、生きることを選ぶきっかけになり得るものをひとつでも多く見つけ出したい。映画に込める想いをどう昇華させていくのかが見どころになっている。映画は現在撮影中であり、10月下旬にクランクアップを予定している。
■稲垣吾郎 コメント
脚本を読み終えた時、この作品に関われる事を嬉しく思いました。難しい題材にチャレンジする、監督、スタッフの皆様と共に丁寧に演じていきたいと思います。
■新垣結衣 コメント
原作を読んで、何かを問われたような気持ちになりました。それは、「何が正しいか」とかそういう単純なものではないような、でも実はとてもシンプルなことのような気もしました。考え続ける事、想像し続ける事をいつも以上に大切にしながら、制作に臨めたらと思っています。岸監督とは初めてご一緒しますが、初顔合わせから親身に役についての相談などを聞いてくださり、とても心強く、感謝しています。撮影では、自分なりに、夏月達が生きる世界を必死に生きたいと思います。
■岸善幸 コメント
原作の衝撃と感動がずっと消えません。朝井さんの“視点”が生み出した登場人物たち、その感情をどう表現するべきか、模索が続いています。稲垣吾郎さん、新垣結衣さんをはじめとするキャストの皆さんとの対話を重ねて、少しずつ輪郭が浮かび上がってきたところです。人と人のつながりを描こうと思います。大切なのに、難しい、つながり。世界から「普通ではない」と片づけられてしまう人たちの、歪みのないつながりを描こうと思います。
■朝井リョウ コメント
言葉にするとは線を引くということです。明確に名付けがたい感情や現象に無理やり輪郭を与えてしまうのが、言葉です。
映画には、表情、声色、沈黙など、言葉以外のものが沢山映ります。それらが、私が書きながら取りこぼしていったものたちを一つでも多く拾い上げてくれることを願っています。
そして、この物語の核が、いい映画を創るという意思以外の部分で歪められることのないよう、緊張感とともに祈っています。
▼映画情報
『正欲』
2023年全国ロードショー
原作:朝井リョウ「正欲」(新潮社刊)
監督:岸善幸
脚本:港岳彦
キャスト:稲垣吾郎 / 新垣結衣
制作:テレビマンユニオン
製作幹事:murmur
配給:ビターズ・エンド
カテゴリ : タワーレコード オンライン ニュース | タグ : 映画
掲載: 2022年09月13日 12:10