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第38回 ─ レディー・マーマレード

もはやスタンダード化した存在感

連載
IN THE SHADOW OF SOUL
公開
2009/03/19   02:00
更新
2009/03/19   18:01
ソース
『bounce』 307号(2009/2/25)
テキスト
文/出嶌 孝次

 妖しい内容にもかかわらず、“Lady Marmalade”はいまやスタンダードだろう。サントラ『Moulin Rouge』でクリスティーナ・アギレラ(彼女のパティぶりたるや!)とピンク、マイア、リル・キムが披露して全米No.1を獲得したほか、それに先駆けたオール・セインツ版も全英No.1ヒットするなど、ヒット性も別格だ。パティのソロ曲では、ジャグアー・ライトやネリー&ケリー、アウトキャストらが敬意を表した“Love, Need, And Want You”への支持が圧倒的。ソウル・フォー・リアルらによる“If Only You Knew”も思い出深い。ただ、ルーサーやレイ・チャールズらの追悼企画、マライアやジョス・ストーン、ファンテイジアらとの進行形なコラボも含め、過去と現在の両面から評価を強固にしているのがパティの凄さだろう(プライズのネタ使いも疑似共演の趣だった)。一方、近年はソロ作が途絶えているノーナも、トーキング・ヘッズ一派やマテリアル、ウルトラ・ナテらNYのヒップな連中とのコラボで確認可能。サラもローリング・ストーンズらの作品にコーラスで参加している。


ローリング・ストーンズの89年作『Steel Wheels』(Rolling Stones/Virgin)