PATTI LABELLE 『I'm In Love Again』 Philadelphia International(1983)
ギャンブル&ハフが主宰するPIRからの2作目。キキ・ワイアットらが取り上げた名曲“If Only You Knew”や、フィリーの後輩ジャグアー・ライトが歌い、ネリー&ケリー“Dilemma”でも知られる“Love, Need And Want You”といったバラードが秀逸で、ラベル復活作でのケニー・ギャンブル制作のバラードにもこのムードは受け継がれていた。普段よりは控えめで優しいパティに出会えるラヴ・アルバムだ。
(林)
PATTI LABELLE 『Winner In You』 MCA(1986)
全米No.1に輝いたマイケル・マクドナルドとの都会的なデュエット“On My Own”に牽引され、100万枚ものセールスを上げたパティ最大のヒット作。同曲を書いたバート・バカラック&キャロル・ベイヤー・セイガーをはじめ、アシュフォード&シンプソンらがオトナの熱い恋を演出する。時代性もあってやや中庸で薄味な部分もあるが、昨今のR&Bとは薄さの意味が違う。ガチな80年代感が漂うジャケに尻込みは禁止!
(出嶌)
PATTI LABELLE 『Burnin'』 MCA(1991)
ラベルの3人がリユニオンしたノーナ作の“Release Yourself”も含むものの、ビッグ・ダディ・ケインやマイケル・ストークス、プリンスらを従えて熱唱する主役に過去の栄光を懐かしむヒマはなさそう? 以降も全アルバムでゴールド・ディスクを獲得しているパティだが、本作のヒットが以降の〈攻め〉の姿勢を決定付けたとも言える。プライズのネタ使いも記憶に新しい、バニー・シグラー製の“Somebody Loves You Baby”はここに収録。
(出嶌)
PATTI LABELLE 『Timeless Journey』 Def Soul Classics(2004)
カヴァー集、ゴスペル作、クリスマス盤……と企画モノ(?)が続いているパティにとって、現時点での最新オリジナル世俗アルバムとなるのがこちら。コーナー・ボーイズを抜擢した“New Day”を筆頭に、フロエトリーとの“Hear My Cry”、さらにベイビーフェイスやトロイ・テイラー、ミリ・ベン・アリらを適材適所で配した大作だ。ゴードン・チェンバースのペンによる“Something More”のような隠れ名曲もニクい。
(出嶌)
PATTI LABELLE 『Live In Washington, D.C.』 Philadelphia International(2008)
ラベル再結成を祝してか、PIR時代の未発表ライヴが初音盤化されたもの。収録は82年11月のワシントンDCで、ラベル時代から彼女を支え続けた盟友バド・エリソン率いるバンドをバックに、ブルーベルズ~ラベル時代の曲やソロ・ヒットを歌う。サックスをフィーチャーした演奏は時にややフュージョン寄りではあるが、パティの歌は流石に熱い。“You Are My Friend”での絶唱には平伏すのみ。
(林)