2003年にアナログでスプリット盤『Namorada do Vento e.p.』を共作したFreeTEMPOは、スクービーのシングル『風の恋人/茜色が燃えるとき』で“Namorada do Vento”をリミックスしていたりと親交が深い。彼の編集盤『IMAGERY』では哀愁のブルース・ハープが響くアンビエント・ハウス“Terceira Estacao”で再度共演している。続いては、Buffalo Daughterやキリンジらさまざまな面々に混ざって〈JOIN〉した鈴木亜美『CONNETTA』。“Dancin' Little Woman”の作詞/作曲/演奏を担当し、彼女の黒っぽい歌唱を引き出している。またRomancrew“ロマンより愛をこめて”ではソウルフルでハイテンションなトラックに乗って、曲の熱気をグッと高めるようにコヤマがねちっこくフックを歌っていたのが印象的だ。さらに関西発のコーラス・グループ・BRIGHTの“My Darling〜I Love You〜”でも作曲&熱い演奏でバックアップ。R&B色の濃い作品のなかで良いアクセントとなりつつ、彼女たちの端正なハーモニーを盛り立てている。
さらに、マツキの作曲家としての活躍も見逃せない。意外なところではNEWSだろう。彼らの初作『touch』で“疾走! Friday Night”を作詞/作曲している。跳ね回るピアノと重たいドラムスで畳み掛ける2分強のアッパーなロックンロールが刺激的だった。また、かねてよりバンドと親しいLeyonaには、最新作『PATCHWORK』でオーセンティックなソウル・ナンバー“GET DOWN”を提供している。
彼らはどんなアーティストとの仕事でも思う存分〈スクービー印〉を発揮することで、各々の魅力を引き出そうとしている。それこそ多くが彼らの音を求める理由なのだろう。
▼文中に登場したアーティストの作品を紹介。
左から、FreeTEMPOの2006年作『IMAGERY』(forestnauts)、鈴木亜美の2007年作『CONNETTA』(avex trax)、Romancrewの2008年作『DUCK's MARKET』(Aer-born)、BRIGHTの2009年作『Notes 4 You』(avex trax)、NEWSの2005年作『touch』(J Storm)、Leyonaの2010年作『PATCHWORK』(cutting edge)