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SCOOBIE DO

SCOOBIE DOの音楽的な歴史がある程度わかるエッセンシャル・ディスク!

連載
360°
公開
2010/07/20   16:00
更新
2010/07/20   16:01
ソース
bounce 322号 (2010年6月25日発行)
テキスト
ディスクガイド/フミヤマウチ

 

『DOIN' OUR SCOOBIE』 DECKREC(1999)

若者らしい美意識(ソウル・マナー)に忠実な演奏がフレッシュな、実にファースト・アルバムらしい作品。日本語ガレージ・ソウルとしてもいわゆる〈美味しい〉盤。コヤマの定番シャウト〈アイッ!〉も聴ける。プロデュースはハチマヨシヒロ(デキシード・ザ・エモンズ他)。

『beach party』 DECKREC(2001)

スクービー=夏! 海! 夕陽!のイメージを決定付けた、ジャケもナイスな初期インディー時代最後の傑作。〈デカい音〉をめざして過剰にかけられたコンプは、ちょっと残念なことに当初の目的を果たしてはいないが、ヒリヒリとした夏の情景をより際立たせる思わぬ効果に。

『BREAK ROCK』 スピードスター(2003)

メジャーにフィールドを移した最初のフル・アルバム。マツキの作家性が遺憾なく発揮され、バンドのプライドが言葉とメロディーで十二分に表現されている。その一方でポップスとしてのクォリティーも格段に向上し、ヴァラエティーも豊か。あとは圧倒的に売れるだけだった。

『Beautiful Days』 スピードスター(2004)

意識的に〈スタジオ録音〉に取り組んだであろう、隠れたレイト・サマー・ポップ名盤。多数のゲストを迎えながらもバンドの軸はブレておらず、彼らならではの曲と演奏の良さをじっくりと味わうことができる。あまり黒さに頓着しない人は最初に聴くといいかも盤。

『Funk-a-lismo!』 スピードスター(2006)

バンドのスタイルを的確に表現するのみならず、某携帯キャリアのマスコットのネーミング元にもなった名コピー〈ファンカリズモ〉誕生の瞬間がこれ。〈やっぱ俺らこれじゃね?〉とばかりにグルーヴにグルーヴを重ねる様は感動的ですらある。俺らの原点、そして団結。

『トラウマティック・ガール』 CHAMP(2007)

自身のレーベル=CHAMPの第1弾は、エンジニアに向井秀徳(ZAZEN BOYS)を迎えたミニ・アルバム。その人選も納得の、〈間〉や残響音にまで意思を通したサウンドが胸の真ん中に突き刺さる。曲も良いがジャケの謎加減も実は最高。もう誰も止める者はいない。

『パラサイティック・ガール』 CHAMP(2008)

『ゆらゆら帝国III』のようなデカい音!と、スタジオのPEACE MUSICに勇んで乗り込むも、エンジニアの〈いまどきデカい音は流行んないよ〜〉なる一言で一同ギャフン。結果、ノイズも含めてやってることのひとつひとつがはっきり音に具現化した驚異のサウンドに。

『SPARKLE』 CHAMP(2009)

独特な宇宙観を推し進めると、EW&Fもやらねえ謎ジャケのいっちょ上がり。しかし中身はどうだいこれ! いままで以上に〈アゲ〉の即効性の高いナンバーが矢継ぎ早に投げつけられてリスナーは下がるヒマなし。この期に及んでまだまだ一皮も二皮もムケてますぜ、キャツら。