ORANGE COURT Photo by 宇宙大使☆スター
岡村「あとはマッシヴ・アタック〜シザー・シスターズでしたが、このあたりから雨がまた降ってきて。NARUYOSHI KIKUCHI DUB SEXTETはどうでした?」
土田「奥地まで行く元気がなかったですね、この時は。雨も降っていたので、もうずっと〈GREEN〉で。マッシヴは、新聞の見出しを映像に組み込んだりとか、メッセージ性の強いステージでしたね」
岡村「マッシヴ・アタック、良かったですよね。ただ、最後のシザー・シスターズが全部持っていってしまった感じはありました。大変な盛り上がりでしたよね、大ディスコ状態。クロージングは、毎年シザー・シスターズでいいんじゃないかと思いました」
土田「(笑)ジェイクも出オチみたいな衣装でしたよね」
岡村「最後、黒のブリーフ一丁だし、アナとの絡みも魅せましたよね。ともあれ、楽しんで踊れる曲、誰もが楽しめるタイプのアクトが最後にあるといいですね」
土田「ホントに。アッパーに終われるのはいい」
岡村「本当はすごく深いものを持ったバンドだと思うんです。ポップ・カルチャーに対する哲学をしっかり持っているバンド。ゲイ・カルチャーとの接点をいまあそこまでポピュラーに昇華しているバンドもいませんから。でも、それをリスナーに必要以上に難しく考えさせない。バカバカしく楽しめる良さもある。観れば観るほどその業の深さに惹かれますね」
土田「あの場は相当エンターテイメント性が問われますからね」
岡村「あと、苗場食堂では石橋英子も観ました。バックが勝井祐二と山本達久。勝井さんはほぼ毎年どこかに必ず出てる、フジに欠かせない隠れた主役の一人ですよ。その次はカジヒデキだったのですが、カジ君、すごい人気ですね。私はマッシヴを観に戻ったから本番は観てないんですが、リハの時点から男の子も女の子もみんなデジカメ持って集まって」
土田「彼はサービス精神も旺盛ですからね。好きな人は多いと思いますよ。では最後になりますが、3日間通していちばん良かったアクトは何ですか?」
岡村「私は全体的に2日目が印象的でしたね。3日間通して参加すると、やはり中日がいちばん安定して楽しめるんですよ。初日は着いたばかりだから慌ただしいし、最終日はちょっと淋しさも感じられるし」
加藤「〈飛び抜けて良かったです!〉っていうのは正直なかったかな」
岡村「最後のシザー・シスターズの印象がすべて洗い流した感じはありますね(笑)。でも、私はジョン・フォガティとキティ・デイジー&ルイス、ロキシー・ミュージックかな。初めて観たものがやっぱりいちばん印象に残ります」
土田「私もジョン・フォガティなんですよねー」
岡村「若い人にああいう歴史を支えてきたヴェテランをもっと観てもらう機会があるといいですね。いつかブルース・スプリングスティーンにも出てほしいなあ。ギャラ高そうだけど」
土田「あと、キャピキャピした感じだと……」
加藤「ミューズ! ああ、でもOGRE YOU ASSHOLEにしてもSPECIAL OTHERSにしても、トロンボーンにしても、どれか選ぶってなると、おんなじぐらいの良さなんだよなー」
岡村「トロンボーン・ショーティがいちばんだったんじゃないんですか? 2回も観てるんだから」
加藤「じゃあ、トロンボーンで! あ、ラ・ルーダも2回観ました」
土田「じゃあ、それも入れちゃってください(笑)。では、今年の座談会はこんなところで締めますよ? お疲れさまでした!」