GREEN STAGE Photo by Masanori Naruse
土田「さて、今年の〈フジロック〉ですが。入場者数が発表になりましたね。29日の前夜祭から述べ125,000人だそうで。これは例年と比べてどうなんでしょうね?」
岡村「前にレッド・ホット・チリ・ペッパーズが出た時がいちばん多かったらしいですよね」
加藤「10周年の時ですね」
岡村「今回はMGMTの前、〈WHITE STAGE〉へ向かう道で規制がかかって30分以上足止めを食らいました。他にも混雑による渋滞はあったんですか?」
土田「その前のワン・デイ・アズ・ア・ライオンから規制が始まって。全然進まなくて、MGMTもろとも諦めました」
加藤「〈GREEN STAGE〉と〈WHITE〉の間は確かに渋滞しやすいですよね。奥地(〈FIELD OF HEAVEN〉など)から〈WHITE〉に向かうぶんには結構平気なんですけど」
土田「天候はどうだったんでしょうか? 私、今年で〈フジロック〉の参加は3年目なんですけど、こんなに雨に降られたのは初めてかも」
MGMT Photo by Masanori Naruse
岡村「私は去年を除いてこれまですべて参加しているのですが、そりゃあ、嵐の第1回目を体験していると少しくらいの雨も全然楽に感じますよ。降っても上がる瞬間があるわけですから。ただ、一旦雨が降るともう気持ち的にも体力面でも動けなくなる。特に夜の雨は負けちゃいそうになりますね。特に夜の雨のなか、〈GREEN〉を端から端まで横断するのがキツかった。足下が田んぼ状態だし、暗いし。長靴を履いてなかった人はキツかったんじゃないかな。他のステージはそれほど大きなぬかるみはなかったけど、〈GREEN〉横断は今年の最大の難所だったなあ。結局、最大の敵は天候なんですよね。なんだかんだで自然には敵わない。ただ、気温は極端には寒くなってなかった印象ですね。雨が染みてくると寒くなりましたけど」
土田「では、初日の各アクトの話に移りましょうか。何時に苗場に着きました?」
岡村「私は夕方なんですよ、ほとんど夜」
加藤「私は、Superflyが遠くから聴こえるぐらいの時から。なんだかんだで、ジャマイカから観ました。ジャスティスのグザヴィエがデビュー・アルバムをプロデュースしたバンドなんですけど、結構盛り上がってましたよ。その次はアッシュを最後の3曲ぐらい観て、また〈RED MARQUEE〉に戻って、OGRE YOU ASSHOLEを観て。ものすごく良かったんですよ、これが。新曲もやってて」
岡村「洋楽リスナーからちゃんと支持されてるバンドですよね。長野を拠点にしているスタンスもアメリカのローカル・バンドみたいでいい」
加藤「みんな楽しそうにやってましたよ。で、その後に一旦ホテルに戻りました」
土田「私はちょうどその頃に苗場に着いたんですよね。〈ORANGE COURT〉でOvall+45trio+Conguero Tres Hoofers――origami PRODUCTIONの面々を観たくて。コラボするのかなと思ったら、そうじゃなくて1バンドづつ次々出てくるみたいな。自分たちで〈origami PRODUCTIONのショウケース・ライヴ〉って言ってたけど」
岡村「あと、この日の目玉はチャットモンチーの変名、橋本・F・高橋でしたよね。私は間に合わなかったのですが、盛り上がったでしょうね」
土田「その頃は、〈ところ天国〉でご飯を食べながら、隣の〈WHITE〉でやってるtoeを聴いてましたね。土岐麻子さんが出てたみたい。で、その次はジャガ・ジャジスト」
加藤「良かったですよね」
土田「ほんっとに良かった! 個人的に、初日のベストはOvallかジャガ・ジャジストかっていう」
加藤「なんかね、このバンドに入りたいなっていう感じだった」
岡村「私は去年の単独初来日公演を観ているんですけど、大所帯なのに無駄なメンバーが一人としていない、みんなアンサンブルにしっかり関わっているのがすごいですよね」
土田「それぞれ、楽器をとっかえひっかえでどれだけ弾くんだっていう。シンセ1台を2人で共有したりするんですけど、キーボードに普通に正面から向かっている人と、奥――ツマミとかがあるほうから手を伸ばして弾いてる人がいて。奥からだと、鍵盤の配置が逆になるわけじゃないですか。よく弾けるな、って超感動してたんですけど、ちょうど終わる頃から結構な雨が降ってきて。びしょ濡れになってしまって、その後に観る予定だったダーティー・プロジェクターズとマグマは諦めました」