レナード・バーンスタイン(1918.8.25~1990.10.14)生誕100年記念特集
アメリカ出身で初めて世界的な成功を収めた大指揮者、レナード・バーンスタインが今年生誕100年を迎え、彼の音源を保有するレコード会社各社は次々に記念CDやDVDをリリースしています。このこと自体は、他のアーティストでも同様ですが、バーンスタインの場合は録音量自体が膨大であり、かつ作曲家として交響曲やミサ曲、ミュージカルなどを残しており、彼の作品を現役のアーティストが新録音してリリースされるものも多く、その規模がまるで違います。バーンスタインのクラシック・アーティストとしては破格の幅の広さと奥行きの深さに改めて驚かされました。ここでは、2018年発売のバーンスタインのCD、DVDよりとくにおすすめのタイトルをご紹介します。
(タワーレコード 商品本部 板倉重雄)
バーンスタイン入門にまずこの一組!
バーンスタインの幅の広さ、奥行きの深さを手軽に体感できるのが『ウエストサイド・ストーリー~バーンスタイン超定番ベストPREMIUM』という2枚組です。自作自演のミュージカルの聴きどころや、弾き語りの自作ブルース(!)、そしてモーツァルトからコープランドに及ぶクラシック名曲が凝縮されている。オヤマダアツシ氏の解説文も親しみやすく、マルチ・タレント・バーンスタイン入門に最高の一組となっています。
【参考】「バーンスタインの生涯」はこちら>>>
1.指揮者バーンスタイン
ここでは指揮者バーンスタインに焦点を当てます。ソニーから8月22日に発売される『バーンスタイン名盤1000』は1950~70年代の彼のオリジナル・アルバム50タイトルを廉価盤で復活するもの。1950~60年代の録音は、ニューヨーク・フィルハーモニックの音楽監督時代のもので、若々しく、意欲的な演奏が刻み込まれています。
バーンスタインがソニー・クラシカルに残した名盤を1枚組1,080円、2枚組1,620円(税込)で発売!〈50タイトル〉こちら>>>
ユニバーサルから7月4日発売済の『バーンスタイン名盤UHQCDシリーズ』は70~80年代の75タイトルを高品質CDで蘇らせています。これと同時発売の『バーンスタインDVD名盤選』(24タイトル)では、彼のエネルギッシュな指揮姿を楽しむことができ、とくに『バーンスタイン・コンダクツ・バーンスタイン』の1本は超オススメです。今年、彼の作品の中で最も演奏会で取り上げられている交響曲第2番《不安の時代》が作曲家自身と名手ツィメルマンの演奏で入っているほか、バーンスタインが生涯を自ら語る58分のドキュメンタリー(字幕あり)がボーナス収録されているからです。
バーンスタイン生誕100周年記念!UHQCDと映像で振り返る名盤シリーズ〈75タイトル〉こちら>>>
初CD化のライヴ音源を含む輸入盤BOX『パリのアメリカ人』7枚組も見逃せません。フランス国立管弦楽団との有名なセッション録音に加え、75年と79年のライヴ音源とリハーサル風景がINAのアーカイヴから初収録されています。
【初回生産限定盤】初出ライヴを含む!バーンスタイン&フランス国立管~セッション&ライヴBOX(7枚組)こちら>>>
初登場の映像作品では、81年にバイエルン放送交響楽団と行ったワーグナーの楽劇《トリスタンとイゾルデ》演奏会形式上演の映像が大きな話題を呼んでいます。バーンスタインはユダヤ人でしたが、かのヒットラーがワーグナーに心酔していたことに関係なく、この作品を「音楽の歴史における中心的な存在。車輪の心棒」と評し、若い頃から魅了されていたそうです。オペラの演奏会形式上演ですが、セミ・ステージが付き、日本語字幕も選択できます。
【日本語字幕付】バーンスタイン&バイエルン放響~演奏会形式「トリスタンとイゾルデ」 こちら>>>
2.作曲家バーンスタイン
作曲家バーンスタインを、彼の後輩アーティストたちが演じたものではワーナーの『20世紀感動派バーンスタインの音楽』3枚組が安くて演奏も素晴らしく、お買い得です!ラトル、プレヴィン、ヤルヴィの名演に加え、愛弟子の佐渡裕による《カディッシュ》の音源も入っています。
レナード・バーンスタイン生誕100年『20世紀感動派~バーンスタインの音楽』こちら>>>
《ウエスト・サイド・ストーリー》《オン・ザ・タウン》などで成功を収めた「ミュージカル作曲家」バーンスタインを聴くなら、95年にノンサッチが録音した『バーンスタインのニューヨーク』が最高!ミュージカルのスター歌手を集め、歌の名旋律でなく華やかなバレエ・シーンも収め、本場ブロードウェイの舞台の楽しさを音により体感させてくれます。
バーンスタイン生誕100年記念!“ニューヨークを舞台にした”ミュージカルに映画、バレエ!『バーンスタインのニューヨーク』こちら>>>
最新録音で聴くバーンスタイン作品の注目盤
3.ピアニスト・バーンスタイン
バーンスタインは10歳のときに叔母が残したアップライト・ピアノと出会い、夢中になって演奏します。これが彼のクラシック音楽との出会いで、初めはピアニストを志しました。指揮者となってからもピアノ協奏曲の「弾き振り」を得意としました。ここには、協奏曲、室内楽、歌曲の伴奏で見事な腕前を披露する彼の姿が収められています。
バーンスタイン生誕100年記念『ザ・ピアニスト』(11枚組)<完全生産限定盤>こちら>>>
4.教育者バーンスタイン
最後に教育者バーンスタインを取り上げます。若い指揮者やアマチュア・オーケストラの指導のほか、テレビ音楽番組の司会者として大衆にクラシック音楽の楽しさ、美しさを語りかけた彼。ここでは1973年秋に母校ハーバード大学で6回の音楽講座をもった際の録音『Leonard Bernstein at Harvard』13枚組をご紹介します。モーツァルトからストラヴィンスキーまでの9曲を、ピアノを弾きながら英語で解説。聴き手に新しい鑑賞の視点を与え、講義後にはバーンスタイン指揮による同曲演奏が説得力をもって鳴り響きます。輸入盤なので対訳はありませんが、英語が得意の方にはまたとないプレゼントとなっています。
世界初CD化!バーンスタイン『ハーバード大学でのノートン講義全集』(13枚組)こちら>>>
もう1点、バーンスタインの教育者としての姿を収めた映像BOXをご紹介します。バーンスタインが主導するオーケストラアカデミーの誕生を追ったドキュメンタリー『オーケストラの誕生』。バーンスタインの指導により若い音楽家たちがストラヴィンスキー「春の祭典」を必死に仕上げていく様を収録した『春の祭典』。そして指揮者を目指す若き指揮者たちがバーンスタインの猛特訓を受けコンクールに挑む姿をとらえた『指揮者コンクールとマスタークラス』の3つの部分に分かれ、バーンスタインが心血を注いだ音楽祭の全貌を見ることのできるドキュメンタリー映像となっています。こちらは日本語字幕付きです。
レナード・バーンスタインのドキュメンタリー映像BOX!『シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭~教育、演奏、講義、マスタークラス』 こちら>>>
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